東京都健康安全研究センター/東京都の取り組み(1)

投稿日時 2007-12-16 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

東京都健康安全研究センターのサイトに「不正大麻・けし撲滅運動」というページがある。どんな運動かというと。

運動内容
阿片の原料となるけしや、マリファナの原料となる大麻草は法律で所持や栽培が禁止されています。東京都では、職員が都内を巡回し不正けし・大麻の発見に努めるほか、連絡を受けた場合には現場での抜去を行っています。

運動の期間
5月1日~7月31日


東京都の職員が都内を巡回してけしや大麻を探しているらしい。うろうろと探し回っているのだろうか。なんか笑える。どれだけ抜いたか書かれたページがある。

-過去の不正大麻・けしの発生データ-
都内で発見された不正けし及び大麻(自生を含む)発見抜去件数の年次推移は下表のとおりです。
表  不正けし・大麻発見抜去件数の年次推移

けし 大麻
件数 本数 件数 本数
平成11年 20 10,751
平成12年 65 33,377 17
平成13年 89 14,803 195
平成14年 73 3,839 12
平成15年 29 5,965 17
平成16年 47 7,816 13

平成13年には195本の大麻を見つけたようだが、他の年は20本にも満たない。それに比べるとけしはすごい。桁違いだ。

植えて良いけしと植えてはいけないけしの見分け方もきれいな写真付きで説明がある。
大麻については次のような説明がある。乱用される代表的薬物の説明ページ

(2)マリファナ(大麻)
「大麻草」から作られるもので、様々な名称で呼ばれています。 精神依存性があり、日本では、法律により規制されています。
(俗称の事例:グラス、ポット、エース、ガンジャ、ハシッシュ、ブッダスティック、ハッパなど)


薬物乱用に関するQ&A

Q4大麻だったらたいした害はないって聞いたけど本当ですか。

A4 とんでもありません。心も体もズタズタになったうえ、連用によって何もやる気のない状態になります。また、精神に異常をきたし、幻覚や妄想が現れたり、生殖器官に異常を起こすという報告もあります。


「心も体もズタズタ」ねえ・・・。大麻だけでそうなった人を見たことがないのだが、東京都健康安全研究センターには症例があるのだろうか。それとも、「連用」しなければ大丈夫と言いたいのだろうか。「精神に異常をきたし、幻覚や妄想が現れたり、生殖器官に異常を起こす」という表現は、「ダメゼッタイ」ホームページからコピペというところだろうか。

Q12 海外ではどうなっているのでしょうか

A12 各国とも薬物犯罪に厳罰をもって対処しています。

例えば、最高刑を見ると
・死刑の国………シンガポール、フィリピン、中国など
・無期懲役の国…フランス、イギリスなどがあります。

また、犯罪に巻き込まれるおそれがあり。
・薬物所持に関する密告に対し、報償金を支払う国がある。
・薬物を高級茶などと称して売りつける。
・他人の荷物に薬物を紛れ込ませたりして密告する。

などの事件が発生しています。


これも説明が大雑把過ぎないか?一口に「薬物犯罪」といっても、営利目的で組織的に密輸入などを行うことと、個人的に使う大麻をちょっと持っていた場合では、「犯罪」の内容が全く異なる。「死刑の国」は個人的にちょっと薬物を持っていても死刑なのだろうか。密輸などの「犯罪」と話をすり替えてないか?
個人的に利用する薬物に関しては「厳罰」の国ばかりではないし、いろいろな議論はあるようだが、EUなどは全体として大きな流れは害削減政策にあるだろう。自民党が猿真似してきたアメリカ共和党の薬物弾圧戦争は破綻している。

無期懲役の国としてイギリスが挙げられているが、大麻に関しては規制が緩められ、個人利用の大麻を少量持っていたところで逮捕されない施策が採られている。そしてそれ以降、イギリスでは大麻使用人口が減ったという。

フランスでの大麻所持については、公の場で吸わないでくれと警官に注意されたという一例を当サイトでレポートしたことがある。

デンマークでは大麻所持より自転車に乗りながら携帯電話を使うほうが罰金が重いそうだ。日本で捕まってしまったあるデンマーク人は、「大麻は自由の象徴でした。しかし、日本では自由を奪うものだと知りました。」と法廷で証言している。

私たちは、決して中高生に薬物乱用が広がるような社会を望んでいるのではない。乱用を防ぐには、まず正しい知識に基づいた教育が必要なのではないだろうか。
外国では死刑になる国もあるゾ!と脅したところで教育的な効果はないだろう。
(つづく)






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