それではここで問題です。毎日新聞大阪社会部の九木田照子記者が書いた次の記事には誤りが1点あります。その誤りを見つけて下さい。
大麻取締法違反:所持容疑、関西大生ら逮捕 「学内で密売」
大阪府警薬物対策課と吹田署などは15日、大麻を所持していたとして、関西大(同府吹田市)工学部4年、市川聖(24)=同市千里山松が丘=ら3容疑者を大麻取締法違反容疑で逮捕したと発表した。市川容疑者は「学内で同級生ら約40人に密売した」と供述しており、府警は大麻の入手元や密売先を追及している。
他に逮捕されたのは、大阪市淀川区東三国、電気工事作業員、中塚真朗(23)▽同市東淀川区大道南、アルバイト店員、更家守(23)両容疑者。調べでは、市川、中塚両容疑者は今月8日、各自宅で、販売目的で乾燥大麻を所持。更家容疑者は同12日、自宅で大麻葉片を所持、大麻草を栽培していた疑い。3人は知人同士。
市川容疑者の供述などによると、約5年前から、インターネット通信販売や大阪・ミナミのアメリカ村で大麻を購入し、自分で使用。約3年前、購入資金を得るためスケートボード仲間らに売り始めた。携帯電話で連絡を取り、学内の芝生広場などで1グラム5000~8000円で売った。「同級生や後輩ら大学の12人を含め約40人に売った。警察は大学内に入って来ないと思っていた」と供述しているという。
大学生の薬物使用を巡っては、関東学院大(横浜市)で昨秋、当時のラグビー部員2人が自宅で大麻を栽培。大麻取締法違反罪で実刑判決を受けた。【久木田照子】
毎日新聞 2008年5月16日 東京朝刊
記事URL:http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080516ddm041040140000c.html
正解は本文最後の行、「大麻取締法違反罪で実刑判決を受けた。」です。
昨秋、たかが大麻で目クジラ立てて、寮の押し入れで大麻を栽培した学生を、マスコミこぞって袋叩きにしましたが、逮捕された学生2名は、裁判で懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決を受けました。実刑ではありません。このような誤報は、たかが大麻を栽培しただけで実刑になるかのような、事実とは異なる認識を読者に与えます。念のため関東学院大学に確認のうえ、毎日新聞東京本社読者サービスに訂正の申し入れをしたところ、大阪社会部の出した記事なのでそっちに言ってほしいとのことで、大阪社会部にわざわざ電話をかけ直し、訂正を求めました。事実を確認して対処して頂けるとのことです。
署名入りで記事を掲載する毎日新聞の姿勢には好感を持ちますが、事実に誤りがあってはお話になりません。もっとプロ意識を持ってお仕事頑張って下さい。
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