大相撲・若ノ鵬が大麻所持容疑 警視庁逮捕
asahi.com(朝日新聞社)2008年8月18日19時26分
大麻成分を含むたばこを所持したとして、警視庁は18日、大相撲の幕内力士、若ノ鵬寿則容疑者(20)=ロシア出身、間垣部屋=を大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕した。「六本木で外国人からもらった」と供述しており、使用容疑でも調べる。
日本相撲協会によると、十両以上の現役力士が逮捕されるのは前例がないという。
組織犯罪対策5課と本所署によると、6月24日、東京都墨田区錦糸1丁目の錦糸町駅前の路上で、大麻成分を0.368グラム含有するロシア製たばこ1本を所持した疑いがあるという。
たばこが入った財布を落とし、通行人の女性が拾って近くの交番に届けた。財布の中から外国人登録証を発見。たばこを鑑定したところ、大麻成分が含まれていることがわかった。自宅マンションと間垣部屋を家宅捜索し、マンションから吸引具も見つかったという。本人も落とした当日に別の交番に「財布を落とした」と届け出ていた。
若ノ鵬容疑者は05年春場所に初土俵。07年九州場所で新入幕を果たした。今年の名古屋場所は自己最高位の西前頭筆頭で4勝11敗と負け越した。
ロシア出身の力士が大麻を所持していたというニュースでマスコミは大騒ぎしている。引用した朝日の記事には「使用容疑でも調べる」と書かれているが、大麻には吸引や喫煙を禁じる使用罪はない。この件は明日にでも朝日新聞社に連絡し、訂正を求める。
逮捕容疑は「大麻成分を0.368グラム含有するロシア製たばこ1本を所持した疑い」だとのこと。若ノ鵬がロシアから薬物を大量に仕入れて六本木や角界で流し、商売にしていたというなら話は別だが、なぜこんな微量の大麻所持が大騒ぎするほどのニュースになるのか。他の先進国から見ると、そのほうがニュースとして意味がありそうな話だ。
若ノ鵬の出身国ロシアでは、こんな馬鹿げたことで騒ぎになったりしないだろう。ロシアでは、少量の大麻所持などは刑事罰の対象にならない。
薬物政策の研究者であるTakuさんにロシアでの薬物規制について情報を頂いた。
ロシアでは、2004年12月に刑法修正案が行われ、禁止薬物の個人使用目的での所持が「1回分の使用量」の10倍未満であれば、刑法犯としてではなく行政法違反者として扱われることになった。具体的には、禁固刑から40,000ルーブル以下の罰金刑かもしくは社会奉仕が義務付けられる。この「1回分の使用量」の10倍の具体的規定については、健康省、法務省および内務省の代表を含むロシア下院法制委員会、またロシア連邦保安庁やいくつかのNGO団体の代表などによって5か月間の長期にわたる議論が展開され、最終的にはマリファナ20グラム、ハシシ・メスカリン・アヘン5グラム、コカイン1.5グラム、ヘロイン・メサアンフェタミン(覚せい剤)1グラム、LSD0.003グラムと規定されている。
なお、罰金の額は裁判所によって決定され、また行政処分を受けた記録は残される。一方、この新たな法律が適用された後でも、外国人に対しては、非合法薬物の所持は、国外退去か再入国の拒否という処分が科されることを旅行者などは特に留意する必要がある。
この事件を報じるネットなどでは、参考サイトとして「ダメ。ゼッタイ。」ホームページにリンクしているところもある。例えば「Yahoo!ニュース」。
大相撲・若ノ鵬の大麻事件
・ 大麻について - 症状などについて。薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
しかし、この「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに書かれている内容には、全く医学的根拠などない。15年以上前にアメリカから輸入していた薬物標本の説明書を翻訳しただけの情報でしかない。そしてこの無根拠ページを公開している天下り財団法人には、毎年多額の税金が投入されている。この財団法人は、日本において公的に薬物情報を国民に知らせる責務があるが、薬物の医学的事実など全く把握もしていない。そのことを厚労省からの天下り専務理事が認めてもいる。このような腐りきった天下りのシステムこそが問題ではないのか。
マスコミは微量の大麻所持などで大騒ぎし、問題の本質を追及しようとしない。世論を誤った方向へと導いている。ジャーナリズム精神の欠片もない、実に情けないマスゴミである。
参照:たかが大麻で目クジラ立てて/毎日新聞 1977年(昭和52年)9月14日
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