若ノ鵬の大麻事件について朝日新聞が「使用容疑でも調べる」と報道した件。警視庁は、「こちらとしてはあくまでも所持の容疑で逮捕したという発表をした」、使用容疑でも調べるという発表はしていませんと言っていた。そこで20日の午前中に朝日新聞広報部に訂正を求めたが、21日の午後になっても修正もされず、回答もないので、15時過ぎに改めて電話し、どうなっているのか聞いた。最初に対応された方はお休みとのことで、別の方が対応した。
最初の電話でもそうだったが、このような訂正の要望に対して、マスコミ各社がどのような対応をするか、それは私たちにとって取材でもあると告げると、驚きと違和感を感じているようだった。「取材というならルールがある」とのこと。???。朝日新聞の誤りを指摘するため、同社の広報部に訂正を求め、広報部がどのような対応をしたか、何かオープンにされたくない理由でもあるのだろうか。
こちらが指摘した件については、担当部署に伝えてあるが、まだ回答はないという。記事は既にネットにも公開され、不特定多数のネットユーザーに読まれてもいるだろう。情報はナマモノだ。訂正が遅くなればなるほど、大麻に使用罪があるかのような、誤った認識を拡散することになる。共同通信は、電話で話したその場で社会部デスクが記事の文言を訂正し、公開記事も数時間のうちに修正された。
担当部署からまだ回答がないなら仕方ない。どのような対応をされるのか、回答があったら教えて頂きたいと改めて伝えた。
1時間後、朝日新聞広報部から電話があった。
「編集局にも投げて調べてもらいました。確かにご指摘の通り、大麻取締法に使用禁止規定がないということは、ご指摘の通りです。そこは分かっておるんですけれども、今回のこの記事の表現はですね、使用容疑でも調べるというのは、使用した疑いでも調べるという意味合いで書いてるんですね。」
「私、警視庁にも電話して確認したんですけど、『使用容疑でも調べる』という発表はしていないと言ってましたけど。」
「ええ、使用容疑でも調べるというのは、立件目的で調べるということではなくてですね、使用した疑いでも調べる、ということなんですね。ご指摘のようにですね、立件目的というのは、これは使用禁止規定はないものですから、立件目的というのはあり得ないんですけれども、新聞記事の性格、読者に伝えるという点でいくと、持っていた目的がですね、自分で使うために持っていたのか、誰かに渡すつもりで持っていたのか、というのは大きな捜査上の解明点でもあるし、読者にも必要な情報でもあると。誰かに売る目的で持っていたわけではなくて、自分で使っていた可能性が高いということで調べている、という意味だったんですね。ただ、ご指摘のようにですね、立件目的というふうに受け取れる可能性があるのも事実ですので、今後その点は気をつけていきたいと社会部のほうも申しているんですね。というのがこちらの考えで、ご理解頂きたいと思って電話しました。」
今回の記事は訂正して頂けないそうだ。復讐、じゃなくて、復習しておくと、記事は次のように書かれている。
大麻成分を含むたばこを所持したとして、警視庁は18日、大相撲の幕内力士、若ノ鵬寿則容疑者(20)=ロシア出身、間垣部屋=を大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕した。「六本木で外国人からもらった」と供述しており、使用容疑でも調べる。
「大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕」し、「使用容疑でも調べる」と書いてあるのだ。ふつーに読めば、事情を知らない読者は、「大麻取締法違反(所持)容疑」で逮捕し、「大麻取締法違反(使用)容疑」でも調べる、と理解するだろう。そのように「受け取れる可能性がある」というより、そのように受け取る可能性のほうが高いだろう。この件に限らず、一般的にマスコミでは「容疑」という言葉は「違法行為」に対して使われている。
・・・ホントは知らずにうっかり書いちまったんじゃないの?とは言わなかったが、思った。
新聞紙面に「訂正」など出すのはやっかいなのかもしれないが、ネットのテキストは簡単に修正できるでしょう。新聞は1日経てば購読者も片付けてしまう古新聞だけど、ネットには情報を探してアクセスするユーザーが継続的にいるだろうし、引き続き多くの人の目に触れる。紙媒体の新聞と、ネットの記事には、メディアの特性としてそのような違いがある。
新聞に「訂正」を出してほしいとまでは言わないが、誤解される可能性があるのだったら、ネットの記事の文言は誤解されないように訂正して頂けないだろうか。そのようにお願いした。
社会部に伝え、改めて連絡を頂けるとのこと。
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