かっちゃんに 投稿者:やま 投稿日:2009/07/05(Sun) 00:16  No.5179   [返信]
かっちゃん あなたの言いたいことは分かるけれど現実から遊離してると思うよ このところ適用違憲という言葉が我々の間でよく出てきているからそれを見てあなたの意見が出てきたんだろうと思うんだけれど 
現実には裁判所は適用違憲の判決なんて出していない というか違憲判決そのものが日本では欧米と比べて極端に少ないんだけれどその数少ない違憲判決も私の知る限りは全部法令違憲だよ 

http://ameblo.jp/yamasaki117/entry-10249273808.html
上に元裁判官の井上薫氏の出ている動画があります そこで語られているのは適用違憲の考え方ですが 適用違憲という言葉は使われていません 適用違憲の考え方そのものに裁判官たちはまだ慣れていないんですよ

あのね こういっちゃなんだけど適用違憲の考え方を理解している我々は現実の裁判官たちより一歩先にいるんですよ 

それからもうひとつ上の動画で井上氏が裁判所に法律を無効にできるような権限はない旨のことを語っていることに注目してください 私も井上氏にまったく同感です 
これはね 三権分立という意味をよく考えなければいけないことなんです

法令を作るのは立法部の役目です そしてその立法部は一般論で考える いろんな場合を想定して法律を作るでしょう 時制で言うと「未来」を見て法令を作っていくわけです

次にその法令に基いて公権力の行使をするのが行政部です(これがつまり法治主義ということかな) 時制で言えば行政は「現在」を見て法令を運用していくわけです 
でもこのときには立法部で考えられなかった想定外のケースが出てくる場合があるんです 上の動画では尊属殺人のケースで非常に特殊なケースを個別の事情ををみて裁くのでなく 一般論で法律を裁いてしまったので尊属殺人の条項がその後使えなくなってしまったということです 

井上氏が言うように司法部は個別の事件を見てそれぞれの法令を適用していけばいいのです 時制でいえば司法は過去を見て法令適用するのが仕事なんです と井上氏もそして私も考えるわけですが 残念ながらこの考え方は一般的には浸透していません

三権分立という言葉はあるけれど しっかり分離されていないし特に裁判官は自分が何をすればいいのかがよく分かっていないんじゃないかと思われます

現実には裁判官は法律至上主義というか法律原理主義に陥っていて 何が正しいかを見極めようとするよりも法律にあわせて事件を処理しようとする傾向があります そのために道理の通らない判決が腐るほどあるわけです

この問題はちょっと難しいんだ 機会があれば対面して話したほうがいいだろうと思う いつかね


あ それから 大麻取締法のように一般論としても変だなと思われる法令は法令違憲を主張してもかまわないとは思うけれど あのお  ううん そのお 私としては裁判は個別の事件を裁くのが本来の任務ですから その辺は見失わないでほしいと思う 
要するに成田さんの事件ならまず第一に考えるのは成田さんの事情です だから支援するという名目で成田さんのことよりも自分たちの大麻運動のために行き過ぎた強制ないし圧力はまずいかも ちょっとバランス感覚が必要かも知れないです これはかっちゃんにというのでなく 成田さんの周りにいる人たちに言いたいことです、、、