2010年の住民投票を目指す

オレゴン州カナビス課税法発議

FAQプレゼンテーション資料

Source: Oregon NORML
Subj: The Oregon Cannabis Tax Act of 2010 - What's it all about?
Web: http://ornorml.org/main.php


オレゴン州カナビス課税法(OCTA、Oregon Cannabis Tax Act)では、課税と規制を通じて、州公認の酒類販売店が少量のカナビスを成人に販売できるようになります。

OCTAは、オレゴン州の一般財源を増やします。また、これまでカナビスを欲しがる未成年は、IDカードの提示も要求されず、他のドラッグまで売りつけようとするブラック・マーケットで買っていましたが、OCTAでそうしたブラック・マーケットが消滅するので未成年を守ることができます。

OCTAは、農民たちに非常に 利益になるヘンプ作物 を栽培できるようにします。また、OCTAの税収の一部は、オレゴン州のヘンプ製品の販売促進に使われます。苦境に置かれている現在の木材産業には、ヘンプ圧縮ボードやヘンプ建築資材などを生産する新しい仕事が生まれます。

OCTAでは、カナビスの影響下での運転は刑事犯罪 の対象のままでこれまでと変わりません。また、未成年者に対する販売もB区分の重罪のままです。

OCTAの下では、州民は税金や手数料を徴収されることなく 個人でカナビスを栽培して使用することができます。しかし、カナビスの販売は特別ライセンス(OLCCC license)を取得した酒類販売店でしかできません。

OCTAの下では、カナビスを州外に持ち出すことは厳しく罰せられます。また、OLCCCライセンス取得者には、ブラック・マーケットが出現しない ような統制価格と販売量制限が課せられます。

OCTAでは、カナビスの医療および産業利用のための科学研究を行います。それを通じて、ドラッグ治療プログラム や学生向けの禁断指向の総合ドラッグ教育を提供します。

OCTAは、住民投票実施のために、2010年7月2日までに8万3000人の有効有権者の署名を集めることが必要です。みなさんのご支援とご協力 があれば、オレゴン州の成人のカナビス使用禁止を終結させることができます。


このプレゼンテーション資料のPDF  (プレセン画面をクリックすると拡大します)
アメリカ・オレゴン州、オレゴン州カナビス課税法発議の署名活動開始  (2008.7.7)
オレゴン州カナビス課税法発議全文
署名キャンペーンの開始を伝えるニュース  (YouTube)


オレゴン州カナビス課税法(OCTA) FAQ

OCTAのFAQ (よくある質問) について

現在、オレゴン州では30万人が違法にカナビスを使っており、コントロールできない状態になっています。年齢に関係なく、未成年者でも買うことができ、販売までできるようになってしまっています。また、カナビスはオレゴン州で最大の換金作物になっていますが、1セントの税収にもなっていません。

OCTAは、カナビスの販売を 成人だけ に規制して州公認の酒類販売店にだけ認めることによってコントロールします。課税による税収は州の一般財源になります。OCTAは、オレゴンのパイオニア精神を体現する革命的な発議です。

以下のプレゼン画面は、OCTAについてよくある質問をまとめたものです。

Q.OCTAでカナビスがどうなるのか簡単に説明してください

オレゴンには30万人以上のカナビス・ユーザーがいますが、これまで、逮捕や禁止命令でやめさせることはできませんでした。しかし、OCTAが成立すれば次のように変わります。

現行の成人カナビス・ユーザーに対する禁止政策では、
  1. カナビス生産が完全に野放し状態で、犯罪人たちにコントロールされています
  2. カナビス販売も完全に野放し状態で、時・時間・場所のコントロールがありません
  3. 税金を徴収することができません
  4. 警察と司法に莫大なコストが強いられています
  5. 品質表示ラベルも純度表示も要求されていません
  6. 犯罪組織が取引きを牛耳り、すべての利益を手にしています
OCTAが成立すれば、成人のカナビス使用をコントロールできるようになります。
  1. カナビスの生産が厳格に規制管理され、ルールを遵守する身元のはっきりした生産者のみが認められます
  2. 販売場所が規制管理され、路上や露店、未成年に対する販売も認められません
  3. 適正な税金徴収で規制管理にかかる社会コストを賄うことができます
  4. 行政コストは、産業側から直接徴収した手数料で賄われます
  5. 製品には、純度と品質を表示しらラベルの添付が義務付けられます
  6. 収益は、ルールを遵守した生産者と州だけが手にすることができるようになります

Q.オレゴン州で産業用ヘンプ作物を栽培するメリットは何ですか?

ヘンプのシードオイルは、バイオジーゼルの生産に最も適しています。アメリカの全農場の6%でヘンプを栽培すれば、自動車燃料用に輸入しているすべての石油を置き換えるのに十分は燃料を生産することができます。コストはジーゼルの3分の1で済みます。一酸化炭素の排出量はジーゼルの半分ですが、ヘンプの生育時にはバイオジーゼルが排出したのと同じ量の二酸化炭素を取り込みますので、炭素の出入りは相殺され、ニュートラルです。

ヘンプ・バイオジーゼルは、トウモノコシのエタノールよりもはるかに優れています。同じ量を生産するのにヘンプのほうがはるかに農地面積を必要としません。ヘンプ燃料の生産できる残りカスからは、たんぱく質とオメガ3・6・9を最高度に含んだ栄養価の高いヘンプ・シード製品を作ることができます。トウモノコシは燃料にも食品にもなりますが、燃料の値上がりとともに食品価格の高騰を招きます。

また、茎や繊維の残りからは、紙・プラスチック・布・断熱材・カーペット・圧縮ボード・コンクリート・キャンバス・ロープなどを作ることができます。ヘンプ製品には、抗カビ性、抗雑草・抗害虫性、生体分解性などの特徴があります。2002年にアメリカ人全体が購入したヘンプ製品は1億5000万ドルにもなっています。

Q.カナビスとヘンプ販売でどのくらいの歳入が見込まれますか?

OCTAが成立すれば、カナビスの販売への課税とヘンプ製品販売の一般税を得ることができるばかりではなく、カナビス関連で使われていた警察や司法のリソースを本当の犯罪と犯罪者との戦いに振り向けることができるようになります。

オレゴン州では現在、カナビス・ユーザーを逮捕するために毎年6150万ドルが費やされていますが、それが節約できます。また、課税による税収は1410万ドル、ヘンプ製品の生産と販売から生まれる一般税からの収益は2億2500万ドルで、全体で3億ドルの歳入が見込まれます。ちなみに、ビール産業からの歳入は年間2億2000万ドルです。

Q.年間3億ドルの歳入はどのように使われるのでしょうか?

OCTAから得られた歳入の90%は一般財源に組み込まれて、議会によって学校建設に使われたり、州のヘルス・プランの財源などさまざまなものに使われます。

また、歳入全体の8%は治療プログラムのために使われます。OCTAは、本当にドラッグ治療が必要な人を財政的に支えるだけではなく、節度ある大人のカナビス・ユーザーが裁判所の命令で無駄にドラッグ治療を受けさせられるようなことがなくなって、ドラッグ・カウンセラーは深刻な中毒に苦しんでいる人のために時間を費やせるようになります。

1%は、オレゴン州のヘンプ産業の発展と、ヘンプ製品のアメリカや外国の市場への販促のために使われます。1999年にアメリカ人が使ったカナダ産のヘンプは3万5000エーカー相当になっています。

さらに1%は、ドラッグ教育に使われます。OCTAは、オレゴンの学校のティーンたちに総合的なファクト・ベースのドラッグ教育を施して、ドラッグを使わない責任ある生活を促します。

Q.OCTAによって、ティーンがカナビスを入手しやすくなるのでは?

現在では、中学2年生の3分の1、高校1年生の3分の2、高校3年生の5分の4が、カナビスを 「極めて簡単に」 あるいは 「非常に簡単に」 入手できると言っています。これは、現在では、OCTAの州公認の酒類販売店のようにIDカードの提示を求める成人対象の店でしか販売できないようになっていないこと原因があります。

オランダでは、18才以上ならばコーヒーショップでカナビスを購入できるようになっていますが、オランダのティーンでカナビスを試したことのある人は19%しかいません。これに対して、カナビスがブラック・マーケットで売られているアメリカでは、41.8%ものティーンがカナビスを経験しています。

Q.OCTAはティーンに悪いメッセージを送ることになるのでは?

もし仮に、州のコントロールするプログラムを通じて、節度ある大人がカナビスを使ったことが子供たちの悪いメッセージを送ることになれば、そのメッセージを受け取った子供たちはむしろカナビスを使わなくなるのでは?

1998年にオレゴン州で医療カナビス法が成立して以来、現在では2万人以上の州民が医療カナビス・プログラムに参加するようになりましたが、それにもかかわらず、ティーンのカナビス使用率はその間に最大で3分の1も減っています。

これは、カナビスに対する州のコントロールが有効であることを示しています。反対にコントロールのできない禁止法は機能しません。

Q.カナビスは、ハードドラッグのゲートウエイになるのでは?

ゲートウエイ理論では、大半のハードドラッグ中毒者が最初にカナビスを使っているという考え方をベースにして、カナビスがハードドラッグの使用を引き起こすとしていますが、実際にはそのような実態はなく伝説に過ぎません。カナビス・ユーザーでコカインなどのハードドラッグを常用するようになる人は104人に一人しかいません。

いろいろなドラッグを扱っているドラッグ・ディーラーは、その一人をターゲットにしますが、カナビスを販売する酒類販売店ではもともとそのようなドラッグは販売できません。

Q.カナビス使用が認められれば、より多くの人が使うようになるのでは?

カナビス使用が犯罪になるアメリカでは、厳しい罰金や懲役刑が科せられるにもかかわらず、42.4%のアメリカ人がカナビスを経験しています。

これに対して、オランダでは、認定コーヒーショップでカナビスを購入できるようになっているにもかかわらず、カナビスの経験のあるオランダ人は19.8%しかいません。

Q.すでに多くのドラッグ問題があるのに、なぜもう一つ増やすのですか?

カナビスに関連する問題の発生源が違法であることだからです。アルコールやタバコなどのもっとはるかに危険なドラッグでもIDカードで販売を規制することでコントロールしています。

国立ドラッグ乱用研究所(NIDA)のデータでも、カナビスは他のどのドラッグよりも中毒性(禁断症状、withdrawal)が低く、酩酊度合い(intoxication)もアルコールより低くなっています。さらに、カナビスでは、どんなに過剰摂取して死亡することもありません。

Q.OCTAが成立すれば、今よりも職場の安全が脅かされるのでは?

1998年以降、医療目的でカナビスを使う人が500人から1万5000人に増えていますが、その間に職場の怪我は増えることはなく、実際には減少しています。

また、OCTAは、職場のドラッグフリー政策や酔っ払い運転の法律を変えることを要求していません。

Q.OCTAは良い考えですが、連邦の裁判には絶対に勝てないのでは?

OCTAの草稿や見直しには、カナビス法改革では連邦との裁判が不可避であるいう認識を持っているトップクラスの法律専門家も加わっています。

OCTAは、オレゴン州憲法、アメリカ連邦憲法、1961年と1973年の国連の単一条約、1971年と1988年の麻薬および向精神薬の不正取引防止条約と争う用意があります。

これまでの裁判では、連邦の法令よりも国際条約や憲法が優先させる判決を下してきました。州法によってカナビス市場が規制管理され、それが州内市場だけに限定されている事実を訴えることで、OCTAは最高裁判所でも十分戦えると考えています。

最悪のシナリオは、OCTAが住民投票で成立しても、最終的には最高裁判所で退けられるケースですが、それでも、カナビスを規制管理することへの支持が広まっていることをアメリカ中に示して、国家的な議論を巻き起こすことができます。

Q.どの世論調査でも、過半数がカナビス合法化に反対ですが?

世論調査の結果は、アルコールと同じようにカナビスを 「課税して規制管理」 するモデルを試すことを支持するアメリカ人が増えていることを示しています。特に西部アメリカではそれが過半数を越えるようになってきています。

2002年までの世論調査では、「カナビスの合法化」 を支持するかを尋ねていましたが、2003年以降はもっと具体的に 「アルコールのように課税して規制管理」 することに賛成かどうかを尋ねるようになってきたことも影響しています。

2006年の西海岸州を対象にしたゾグビーの世論調査では、オレゴン州民の過半数が、アルコールやギャンブルと同様にカナビスの課税して規制管理することに賛成しています。

Q.OCTAが成立すれば、カナビス酔っ払い運転が増えるのでは?

現在でもカナビス酔っ払い運転では逮捕されますが、OCTAでも運転に関する法律は変わりません。警察は危険な運転者を検挙することができますし、法廷では、合法なカナビスであっても合法なアルコールの場合と同じようにいかなる弁解も通用しません。

オレゴン州では、1998年に医療カナビス法が成立してから現在では2万人以上の人がカナビスを合法的に使うようになりましたが、その間、衝突、酔っ払い運転、死亡事故は減少しています。