カナビス禁止法は未成年に無力

ティーンのカナビス入手防止に役立たず

Source: Marijuana Policy Project
Pub date: 11 Dec 2006
Subj: Laws Don't Curb Teen Marijuana Use
http://www.mpp.org/site/c.glKZLeMQIsG/b.1493403/apps/nl/content2.asp?
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「大人に対するカナビス禁止法は、未成年のカナビス使用を食い止められるのか?」 と題するレポートが発表され、現行のカナビス禁止法の核になっている、ティーンに使わせないようにするために大人の使用を禁止しなければならない、という主張に正面から異義を申し立てている。

このレポートは、毎年12月中旬に連邦政府からリリースされるティーンエイジャーのドラッグ調査「モニタリング・フューチャー」 に対抗して、マリファナ・ポリシー・プロジェクト(MMP)が作成した報告書で、同サイトからダウンロード(www.mpp.org/teenuse)することができる。

カナビス法の改革を目指す人たちが、カナビスを合法化してアルコールやタバコと同じように規制・コントロールすべきだと主張すると、政府当局は、そんなことをしたら子供たちにもカナビスを奨励するようなもので、そのことは、マスコミにも社会も広く受け入れられている、と反論する。

はたしてそうなのか? マリファナ・ポリシー・プロジェクトでは、それを検証するために、アメリカ政府や世界各国の政府、さらにシンクタクンクや学術研究者から幅広くデータを集めて調べた。主な結果は次のようなものだった。

  • カナビス禁止法は、ティンエイジャーによるカナビス使用を防げず、劇的な増加を招いている。実際、アメリカでのカナビス使用率は、禁止法が成立して以来ざっと4000%も上昇している。

  • ランド・ヨーロッパやアメリカ学術研究会議などのよる独自調査は、カナビス禁止法が、カナビス使用率に殆んどあるいは全く影響を与えていないと報告している。

  • イギリスでは2004年にカナビスの所持が非犯罪化されたが、それ以来、16〜19才の若者のカナビス使用率が下がっている。

  • アメリカにおけるティーンエイジャーのカナビス使用率は、大人のカナビス所持が非犯罪化されている州と刑事犯罪のまま残されている州の間には統計的な差はない。

  • オランダでは1976年に大人の少量のカナビス所持と売買が容認されたが、大人とティーンエイジャーのどちらのカナビス使用率もアメリカより低い状態が続いている。ティーンのコカインやアンフェタミンの使用率もはるかに低い。一部の研究者たちは、カナビス禁止法が、いわゆるゲートウエイとして働き、かえってハードドラッグの使用を促進すると考えている。

「大人に対するカナビス使用を禁止すれば、子供たちからもカナビスを遠ざけておけるというのは神話に過ぎず、データの根拠がありません。われわれは、宗教的な神話ではなく、事実と科学をベースにした法律を必要としているのです」 とマリファナ・ポリシー・プロジェクトのロブ・カンピア事務局長は語っている。

マリファナ・ポリシー・プロジェクトは、アメリカのカナビス政策の改革を目指しているアメリカ最大の団体で、2万1000人の会員と10万人のメール定期購読者持っている。マリファナ・ポリシー・プロジェクトでは、カナビスに関連した害を最小限に抑える最善の方法は、アルコールと同様に、カナビスを合法化して規制・コントロールすることだと主張している。

マリファナ・ポリシー・プロジェクト
Does Prohibition of Marijuana for Adults Curb Use by Adolescents?  (今回の報告書)
イギリス、カナビス使用者数が急減、リベラルな政策で過去10年の最低水準に

時代は繰り返す

若者を守れ、子供を救え、禁酒法を廃止しよう
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