From Hempire Cafe

カナビス化合物が高血圧を下げる

カナビゲロール、糖尿性高血圧症に有望

Source: Israel21c.org
Pub date: June 15, 2006
Subj: Israeli researcher lowers blood pressure with cannabis component
Web: http://www.thehempire.com/index.php/cannabis/news/
blood_pressure_lowered_with_cannabis_component


イスラエルのヘブライ大学薬学部で博士課程に取り組む学生が、カナビスの成分を化学合成した化合物を使って、高血圧を下げる新しい方法を開発した。

研究はカナビノイドの心臓血管の活性化に関するもので、この研究を行ったイエホシャ・マオールは、第69回ヘブライ大学年次理事会で今年のケイ・イノベーション賞受賞者の一人に選ばれた。ケイ・イノベーション賞は、1994年にイギリスの製薬関係の実業家アイザック・ケイが創設したもので、大学や社会に経済的な恩恵をもたらす革新的な技術や発明にたずさわった大学の学者や研究スタッフ・学生を讃えて毎年贈られている。

従来の高血圧治療薬はすべての患者によく効くわけではなく、別の医薬品の開発も待たれている。以前から,カナビスの化合物にも血圧を下げる効果があることがわかっていたが、カナビノイドには好ましくない精神作用があるために治療に使うのにはそれが難点とされてきた。精神作用を起こさないで血圧降下させる成分の分離も試みられているが、現在まで余り成功していない。

受賞者のマオールは1998年にイスラエルに移住したブラジル人で、ヘブライ大学薬学部のラファエル・マッカラム教授のもとで研究を行っている。彼は、カナビスに含まれる微量のカナビゲロールという非精神活性のカナビノイド化合物を化学合成し、ミカエル・ホロウェィツ教授と協力して実験を行った。その結果、この化合物が比較的少量で血圧を下げることを発見した。また、血管の緊張を緩和する別の効果も見出している。さらに、ルース・ガリリー教授と行った実験では、抗炎症作用のあることも確認している。

マオールは、カナビゲロールのこうした複合的特性を利用した新しい臨床医薬品が開発され、いずれ市場に登場してくる可能性があると語っている。特に、糖尿病の場合には病状が複雑で代謝異常なども伴うために、高血圧に悩む糖尿病患者の治療薬として有望だと言う。

参考:  カナビノイドとTHC