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2006年6月29日


連邦議会、医療カナビス患者の取締り継続を票決
ハードドラッグを忘れてカナビスに取り付かれた麻薬撲滅対策室



●連邦議会、医療カナビス患者の取締り継続を票決
2006年6月29日 - アメリカ・ワシントンDC発

州が医療カナビスの使用と所持を認可した患者と介護者を対象とした連邦司法省の逮捕や起訴を止めさせることを目的とした修正法案が連邦議会下院に提出されていたが否決され,今度も以前と同様のまま続けられることになった。

法案は、ダナ・ロールバッハー議員(カリフォルニア、共和党)とモーリス・ヒンチィー議員(ニ-ュヨーク、民主)の二人が政党相乗りで下院に提出していたもので、259対163で通過しなかった。しかし、患者の保護に賛成した得票数の163は、これまでにカナビス法の緩和を求めて本会議で採決された法案の中で最も多かった。

ヒンチー&ロールバッハー医療カナビス修正法に賛成した議員の 
内訳 は、共和党が 昨年 よりも3票増えて18票、民主党が昨年よりも1票減って144票だった。下院でただ一人の無所属バーナード・サンダース議員(バーモント)も賛成票を投じている。

「議会には4年連続で、州公認で医療カナビスを所持し使用している深刻な患者を逮捕するために税金を浪費することを中止させる法案が提出されましたが、残念なことに今回も議会の259人の議員が患者を刑事告発をすることを選んだことになります」 とNORMLのアレン・ピエール事務局長は語った。

修正法に賛成意見を述べたのは、モウリス・ヒンチーとダナ・ロールバッハーの他に、サム・ファー(カリフォルニア、民主)、バーネイ・フランク(マサチューセッツ、民主)、ダニー・クチニッヒ(オハイオ、民主)、バーバラ・リー(カリフォルニア、民主)、デービット・オベイ(ウイスコンシン、民主)、ラナ・ウールセイ(カリフォルニア、民主)の各議員。

反対意見を述べたのは、ジョン・ブーゼマン(アリゾナ、共和)、ステーブ・キング(アイオワ、共和)、トム・ラッサム(アイオワ、共和)、ジョン・マイカ(フロリダ、共和)、ジョン・パターソン(ペンシルバニア、共和)、フランク・ウォルフ(バージニア、共和)の各議員。

投票が否決されたことを受けてヒンチー議員は、今度もカナビスの医療使用を求めるロビー活動を継続すると宣言して次のように語っている。

「医師の監督下で痛みなどの緩和に医療カナビスを使うことを州法で認められた重度または末期の患者さんは、ドアを蹴破って逮捕しようとする連邦政府の恐れなしに、カナビスを使うことができなければなりません。痛みなどを緩和する薬を使えないようにすることは道徳に反しています。私たちは、これからも州が認めた医療カナビス患者さんと医師をまもるための闘いを議会で続けていきます。この闘いは勝たねばならないのです。」

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500.

Final vote tallies for the Hinchey/Rohrabacher medical marijuana amendment are available online at: http://clerk.house.gov/evs/2006/roll333.xml

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6940


●ハードドラッグを忘れてカナビスに取り付かれた麻薬撲滅対策室
2006年6月29日 - アメリカ・ワシントンDC発

ワシントンDCの独立系シンクタンク、政府の浪費を監視する市民(CAGW)が今週発行したレポートによると、ホワイトハウス麻薬撲滅対策室(ONDCP)は1988年の設立以来、目的とする本来の役割を果たすことができず、効果のない非生産的な政策のために数十億ドルもの税金を無駄に浪費してきた。

「連邦政府と麻薬撲滅対策室は、ドラッグ戦争で使われている手法には効果がないことを示す研究結果が出ているにもかかわらず、それを無視する姿勢を決め込んでいる。連邦政府はカナビスにばかり取り付かれて、分別ある税金の使いかたを見失っている」 とレポートは指摘している。

レポートでは無駄ばかりで非生産的な事業の典型例として、
若者向け反ドラッグ・キャンペーン と、司法当局による医療カナビス患者と介護者の告発、の2つを取り上げている。

若者向け反ドラッグ・メディア・キャンペーンに関しては、試聴した若者に対して、カナビスをやらないという気を引き出すことよりも、むしろやってみたいという気持ちを起こさせている、とした キャンペーンの効果を調査した研究 を引用して、「政府はキャンペーンに10億ドル以上も注ぎ込んできたが、ティーンエイジャーのカナビス使用者数を増やしただけだった」 と書いている。

また、州で認可された医療カナビス患者に対する司法省の告発に関しては、「最も効果のある薬を試そうとしているだけに過ぎない患者を攻撃するために何百万ドルも注ぎ込むことは無益であり・・・医療カナビス法の制定と執行権限は州に帰属させるべきである」 と結論を書いている。

今週、連邦議会は、これからも今まで同様に、州法で認定された医療カナビス患者を連邦法で取り締まることを259対163で決めている。

さらにレポートでは、カナビスがハードドラッグの 「ゲートウエイ」 になっているという政府の主張についても非難して、カナビスを入手しにくくすることを目的にした麻薬撲滅対策室の政策自体が、コカインや覚醒剤やヘロインなどのハードドラッグの入手しやすさを助長していると指摘している。

政府の浪費を監視する市民(CAGW)は、昨年も麻薬撲滅対策室を批判したレポートを出しているが、その中で当局を、成果のない「 浪費連邦 」だと非難している。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500.

Full text of the CAGW report, "Wasted in the War on Drugs: Office of National Drug Control Policy's Wasted Efforts,' is available online at: http://www.cagw.org/site/DocServer/Drug_Report.pdf?docID=1661

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6942