Weekly News

2006年7月6日


カナビノイドが脾臓ガンや乳ガンの成長を抑える
アラスカ、来週にもカナビス再犯罪化法の立憲性について裁定
リン・ツィンマーさんを惜しむ



●カナビノイドが脾臓ガンや乳ガンの成長を抑える
2006年7月6日 - スペイン・マドリッド発

アメリカ癌研究協会ジャーナル6月号に掲載された二つの臨床前研究によると、カナビスの化合物には、人間の乳ガンや脾臓腫瘍の細胞株の成長を抑制する働きがあることが明らかになった.

研究の一つはスペインのコンプルテンセ大学とフランス国立医学衛生研究所(INSERM)が共同で取り組んだもので、動物実験で脾臓ガンの細胞株におけるカナビノイドの制ガン作用について調べている。カナビノイドの投与すると、健康な細胞には影響なく、選択的に脾臓腫瘍細胞株のアポトーシス(細胞の自然死)を増加させることが確認された。さらに 「カナビノイドの処方で、動物の脾臓腫瘍細胞の増殖が抑制され・・・腫瘍細胞が縮小した。」

研究者たちは、「これらの発見は・・・脾臓ガン治療に新しい治療法をもたらすことになるかもしれない」 と結論を書いている。

もう一つの研究はコンプルテンセ大学の研究者によるもので、人間の乳ガンを取り出した生体外実験で、THCを投与したところ、細胞周期の進行を妨害してアポトーシスを引き起こし、ガン細胞の増殖が減少した。研究者たちは、この発見が 「乳ガンに対するカナビノイド治療の土台になる」 と指摘している。

5月に出版された薬理実験治療ジャーナルに掲載された臨床前研究でも、非精神活性カナビノイド、特にカナビジオール(CBD)が乳ガンの増殖を劇的に抑えることが報告され、それらを 
ガンの治療に応用することを提言 している。

別の研究でも、カナビノイドが投与量に比例して、動物及び人体の脳の グリア細胞腫 の増殖と成長を止めることが見出されている。さらに、別の研究では、カナビノイドが、皮膚ガン や 白血病、肺ガン、前立腺ガン などのガン細胞の成長やトリガー悪性細胞を選択的に抑えることが示されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of both studies, "Cannabinoids induce apoptosis of pancreatic tumor cells via endoplasmic reticulum stress-related genes" and "Delta-9-tetrahydrocannabinol inhibits cell cycle progression in human breast cancer cells through Cdc2 regulation" are available in the July 1, 2006 issue of Cancer Research, available online at: http://cancerres.aacrjournals.org/.

Additional information on cannabinoids' anti-cancer properties is available in NORML's report, "Cannabinoids as Cancer Hope," online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6814  (

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6946


●アラスカ、来週にもカナビス再犯罪化法の立憲性について裁定
2006年7月6日 - アメリカ・アラスカ州ジュノー

アメリカ自由人権協会(ACLU)アラスカ支部は、プライベートな家庭内での少量カナビス所持を刑事罰の対象とすることを定めた 
新しい州法 の立憲性を問う訴状をジュノー高等裁判所に提出していたが、今週、高裁の判事が、弁護士に訴状内容についての事情聴取を行った。

アラスカACLUは、先月、「プライバシーの権利を認め、それを犯してはならない」 とする州憲法のプライバシー条項に違反しているとして州法の執行停止を求める 訴訟 を起こしていた。

1975年には、アラスカ州最高裁は、ラビンvs州政府 の裁判で、家庭内でのカナビス所持と使用が州憲法のプライバシー条項に含まれるとする裁定を下している。

ACLUでは、高等裁判所に対して月曜日にも新法の執行停止命令を出すことを求めている。

6月に知事の署名で発効した新法では、いかなる量でもカナビスを所持していた場合は最高で懲役刑の対象とされ、4オンス以上の所持では重罪になる。

For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6945


●リン・ツィンマーさんを惜しむ
2006年7月6日 - アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク発

マリファナの神話、マリファナの真実」 の著者と一人として知られ、長くニューヨーク市立大学クイーン・カレッジで社会学の教授をつとめていたリン・ツィンマーさんが、多発性硬化症のよる合併症のため7月2日の日曜日に亡くなった。59才だった。

ツィンマー教授は、アメリカのドラッグ政策について積極的に批判を展開したほか、違法ドラッグの使用や乱用を調査した本も執筆している。最も知られているのが、NORMLの評議委員をしている ジョン・P・モルガン博士 と共同で執筆した 「マリファナの神話、マリファナの真実」 で、この本は7ヶ国語に翻訳され、アメリカ医師会ジャーナル(JAMA)からも 「マリファナとドラッグ政策に重要な貢献を果たした」 と讃えられた。

1995年から99年までの5年間は、NORMLの理事もつとめた。彼女はその業績に対して、ドラッグ・ポリシー・ファウンデーション(現ドラッグ・ポリシー・アライアンス)からリンデスミス学究賞を受けたほか、マリファナ法改革に際立った貢献をしたとしてNORMLからレスター・グリンスプーン賞も贈られている。

「リンさんは真実を歯切れの良く語ってくれる人で、学者として思慮深く、大人のカナビスの使用や所持や栽培に対して擁護して下さいました。彼女のカナビス問題に対する見識やウイットや知識は、アメリカの狂ったマリファナ法に正気を戻そうと活動する者にとって欠けがえのない支えになっていました。リンさんを失ったことは大きな痛手です」 とNORMLのアレン・ピエール事務局長は惜しんでいる。

NORMLは、リン・ツィンマーさんのご家族や友人の方々に謹んでお悔やみ申し上げます。