カナビス・ソーシャル・クラブ

コンセンサスを形成するためのウエブサイト

Source: ENCOD BULLETIN NR. 21.
Pub date: September 2006
Subj: CANNABIS SOCIAL CLUBS
Author: Joep Oomen (with the help of Peter Webster)
http://www.encod.org/


8月の初め、歴史は書き替えられた。スペインのバスク地方の最大都市ビルバオで行われた裁判で、会員だけに限定した共同組織が内部でカナビスを栽培・配付・消費する権利が認められた。この組織はパナグ協同組合で、2005年の10月に警察の手入れを受けて、代表らが起訴されていた。

パナグ協同組合は、成人70人(大半が医療カナビス・ユーザー)の会員で組織されている。商業目的は持たず、自分たちが利用する分だけのカナビスの栽培と供給を目的としている。この方式は、先日、ヨーロッパの司法関係者の間でも公式に認められた。

スペインでは、パナグ協同組合の他にも、似たような協同組合がいくつか立ち上がっているが、同じような動きはベルギーやスイス、オランダでも始まっている。これらの国では、必ずしも法律的には明確になってはいないが、実質的には個人使用目的での栽培は起訴されないようになっている。

オランダではこの組合モデルを採り入れることで、いわゆるコーヒーショップのバックドア・ジレンマが最終的に解消される可能性もある。その他の国でも、優秀な弁護士や地域の専門家の助力を得ながら自分の国における展望について慎重に検討することで、カナビスの禁止法を無効にする道が拓かれる可能性も秘めている。

ENCODでは、こうした点を踏まえて、ここしばらくは 「カナビス・ソーシャル・クラブ」 結成を最重点目標の一つに掲げることにしている。現在は、どのようにすればクラブがうまく機能するかについて提案の詳細を検討中で、そのために専用のウエブサイト (www.cannabis-clubs.eu) も立ち上げた。

提案は、11月6日と7日に、ベルギーのブラッセルのヨーロッパ議会内で開催されるENCODのカンファレンスで発表される予定になっている。また、ベルギーでは、植物育成計画(Draw Up Your Plant)というカナビス・コンシューマー組合が10月のはじめに結成され、集団栽培を開始することになっている。

カナビスは、国際的なドラッグ政策の対象としては相互協力体制が最も弱く、また日々の暮らしに中では当たり前の現実になっている。現在では、残された問題は、禁止法が撤廃された後にどう対処すべきかということが焦点になってきている。たとえカナビスに好意的でなかったり、あるいはドラッグの世界とは無関係の人の間でも、ますますこうした意見に傾注するようになってきている。

新しい対話では、参加する多くの市民、とりわけドラッグを利用している市民の間での議論の透明性を確保する必要がある。ENCODでも、対話をどのように広めていったらよいのか提案することにしている。われわれが、EUのドラッグ政策に関して明確な提言を行えるようになるには、本物の市民フォーラムを確立し、開かれた対話を通じて最大限にひろいコンセンサスを形成して意志決定できるようにならなければならない。