カナビノイドに

生殖能力向上、胃けいれん抑制機能

Source: 14wfie News
Pub date: 24 October 2006
Subj: Marijuana Extracts Increase Fertility, Decrease Stomach Cramps
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=11834


カナビスについてはその是非が論議の的になっているが、医療面でのさらなる可能性があることが分かった。現在ニューオルリンズで開催中のアメリカ生殖医学会で、天然のカナビスの化合物をベースに化学合成したカナビノイドが、精子の生殖力を増すという研究のほか、胃のけいれんを低減させるという研究が相次いで発表された。

最初の研究は、ニューヨーク州のバッファローとマセチューセッツ州ボストンの研究チームによるもので、カナビノイドには、ヘビーなタバコ喫煙者の精子をより活発に卵子に結合させる働きのあることが明らかにされた。

被験者の8人のヘビーなタバコ喫煙者は、正常な精子機能を持つ人と機能が低下した人が半数づつで構成され、取り出された精子は、カナビノイドの溶液に浸して洗浄された。

その結果、精子の機能が低下した喫煙者の精子は著しく機能を回復し、正常な喫煙者では目立った変化が見られなかった。続けて、カナビノイドの濃度を高めて実験したところ、今度はどちらのグループの機能もさらに向上した。

第2の研究は、ミネソタ州ロチェスターのメイヨー・クリニックのチームによるもので、健康な成人に対する、合成THCであるドロノビノールとカナビスの抽出液の影響を調査している。

その結果、カナビスの抽出液が、腸の緊張を緩め、食事後の腹部の過度の収縮を抑え、けいれんを抑制することが示された。また、ドロノビノールでは、女性のほうが効果の高いことも示された。




タバコ喫煙者の弱った精子を

カナビノイドが活性化

Source: NewScientist.com news service
Pub date: 24 October 2006
Subj: Cannabis-based boost for smokers' suffering sperm
Auther; Roxanne Khamsi
http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn10362&feedId=onl


意外なことに、カナビスの成分をベースに合成された化合物であるカナビノイドが、タバコ喫煙者の精子の結合力減少問題の解決策になるかもしれない。

この研究は、ニューヨーク大学バッファロー校のチームが行ったもので、新しく合成されたカナビノイドを使うと、結合力の減退した精子が能力を回復して卵子に結合することが明らかになった。

研究チームのラニー・バークマン氏は、カナビスを吸うと男性の妊性が減少するという以前から知られた結果からは予想出来なかったと語っている。以前に行われた実験では、タバコ喫煙者の精子は動きが鈍く、卵子になかなか結合できないことが示されていた。

生殖器官内の細胞は、体内で自然に生成されるカナビノイドに似た化合物(エンドカナビノイド)を受け取るレセプターを持っている。そこでバークマンたちは、カナビノイド-1346と呼ばれる合成カナビノイドを使って実験して、精子の結合力問題解決の糸口を探ることにした。


精子の透明帯アタック力

精子を合成カナビノイドに浸して処理した後、体外受精用に取り出し受精していないことが確認されたの卵子を混ぜ合わせ、顕微鏡を使って、何個の精子が卵子の殻である透明帯にアタックするかを観察した。

この結果、透明帯に結合する能力は、カナビノイド処理した精子のほうが、未処理の精子の2倍高いことが分かった。バークマン氏の説明によると、運動能力の落ちた喫煙者の精子の能力が、カナビノイドによって非喫煙者の正常な精子の能力レベルまで引き上げられたと考えることができると言う。

また、カナビノイド-1346は、ニコチンや普通のカナビノイド分子よりも優先的に精子表面のレセプターに結合するのではないか、と指摘している。

精子が透明帯に結合することは、卵子の受精の決定的な第1歩になるもので、バークマン氏は将来、喫煙者の精子の人工受精の際に、カナビノイド-1346で処理して生殖能力を回復するようになる日が来ることを望んでいると語った。

この研究は、昨日、ルイジアナ州ニューオルリンズで開催中のアメリカ生殖医学会の年次総会で発表された。