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２月４〜５日にカナダのバンクーバーで世界のドラッグ問題の解決策を話し合うために北アメリカ地区のフォーラムが開催され、多様なドラッグ政策専門家グループが参加したが、会議は、ドラッグ戦争を終結させるべきだとする意外な展開の合意から始まった。 国連の助成を受けた 「Beyond 2008」 と呼ばれるこのフォーラムは、国際ドラッグ政策について評価するために世界の各地域で専門家を招いて行われているもので、今回の北アメリカ地区のカンファレンスは、エイズ関連機関、公衆衛生グループ、人権擁護グループ、治療スペシャリスト、退役警察官、薬物中毒研究者、学術関係者、政府機関の担当者など、壮観な面々が一同に会して開催された。 おそらく国連とすれば意図していなかったに違いないが、このカンファレンスは、ドラッグ政策を改める時期にきているというコンセンサスを共有するグループ連合にとっては、その主張を繰り広げるまたとない機会になった。 アメリカン・スタイルのドラッグ戦争を終結させない限りは、犯罪組織が、販売するドラッグをコントロールして、価格をつり上げ、危険な不純物を混ぜ、幼い子供にまでも売りつける今の状況が続く……人数でも内容においても圧倒的に差をつけられていることに驚いた会場のドラッグ戦士たちは、冷静さを保つのに四苦八苦していたが、中にはそれをできない人たちもいた。 カンファレンス会場の外では、共和党の元スピーチライターで、現在フロリダで国連ドラッグ条例支持運動 （Sundial） を展開しているケビン・サベルト医師が、コール氏をなじる演説を繰り広げていた。８０％が自分に反対する専門家だとするこの見方は、ホワイトハウス麻薬撲滅対策室長の元スピーチライターとして嘘と誇張を繰り返してきたサベルト氏の主張の中では、間違いなく最も正確で正しいものだ。権威主義にこり固まったドラッグ戦士の心境とすれば、自分に対する信頼よりも、このカンファレンスの権威が圧倒的なコンセンサスで脅かされることに危機感を覚えたに違いない。 しかし、これはカナビス愛好家たちのヘンプフェストではない。多大な経験とその道の専門家として尊敬を集める人たちによる国連のフォーラムなのだ。これほどまでに透明で明確な問題意識が出されたことは今までになく、彼らの主張が非難される謂れはどこにもない。彼らの声は、ドラッグ戦争議論においては真実と現実に裏打ちされたもので、そのコンセンサスは、軽々しいポットヘッドのジョークやケビン・サベルト氏のような統計をつかったインチキ・ゲームとは訳が違う。 ドラッグ政策を改めるべきたというコンセンサスは、単純な発想、手前勝手な考え方、レトリック、服従などではなく、熟考と深い思いやり、研究と希望の末にたどり着いた掛け替えのないものだ。今回の議論は、かつて行われたどのドラッグ政策議論にも増して透明で、不一致や陰謀の影もない。この劣悪な戦争が歴史のしかるべきところに消え去って平和が回復するまで、こうした動きはますます広がって大きくなっていくに違いない。 |
「BEYOND 2008」 は、１９９８年の違法ドラッグに関する国連総会特別部会(UNGASS)で採択された１０年目後の目標の達成状況を検証するために、昨年の９月から今年の２月にかけて世界の各地域で開催されているＮＧＯフォーラムで、総会 は２００８年６月７〜８日にウイーンで開かれることになっている。
今回のフォーラムで改革や害削減を主張するグループが多かったことについては、フォーラムの運営にあたったジリリアン・マックスウエル氏のよると、どちらの側のグループにも招待状を満遍なく送ったものの、反改革グループからの参加申し込みが少なく、全く返事を送ってこなかったグループも多かったからだと言う。 Vancouver Conference Sends a Message to the UN (2008.2.8)参加グループのリスト
ヨーロッパ地区のフォーラムについては、１月２４から２５日にハンガリーのブタペストで開催されたが、その模様は、会議に参加した フレデリック・ポーラック氏 が 報告 している。
ドラッグフリー世界は実現したか？ 国連ドラッグ犯罪事務所の詭弁 (2007.6.15)