Weekly News


オレゴン州産業協会

医療カナビス患者の働く権利剥奪を画策

Source: NORML Weekly News
Pub date: 4 Dec 2008
Oregon Business Leaders Seek
Termination of Medical Marijuana Patients' Right to Work,
Yet Data Contradicts Workplace Safety Claims
http://norml.org/index.cfm?Group_ID=7756


2008年12月4日 - アメリカ・オレゴン州ポートランド発

オレゴン州では、医療カナビス州法 が成立してからすでに10年を経過しているが、現在、オレゴン州産業協会は、医療カナビス患者が職場の安全のリスクになるとして議会に攻撃的な法案を転出する計画を進めている。

しかしながら、オレゴン州政府の労働者の損害補償と安全記録を分析したオレゴンNORMLのデータでは、この10年間一貫して職場での安全は向上してきていることが示されている。



2010年オレゴン州カナビス課税法発議 FAQプレゼンテーション資料
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ホフマン建設の副社長を務めるダン・ハーモンは、2009年に予定されている隔年立法議会に目標を定めて、「ドラッグフリー職場を求める立法ワークグループ」 代表の肩書きを使って州内各地を回ってプレゼンテーションを繰り返している。

目標には、前回の議会では通過しなかった法案を再提出ことも含まれている。この法案では、たとえ正式に認定された患者であっても、しかも会社外や勤務時間外であっても医療カナビスを使った場合には雇用主側に解雇する権利を認めるばかりではなく、能力や経験や安全記録に関係なく医療カナビス患者の雇用を拒否できる内容となっている。

さらにホフマン建設は、医療カナビス患者の所持可能なカナビスの量や栽培本数を減らす計画も画策しているばかりではなく、患者が医療カナビスIDカードを申請するには、それ以前にマリノールを使うことを条件にすること、「真っ当な」医者だけが医療カナビスを推薦できるように制限して、医療カナビスクリニックを削減すること、州当局が従業員に医療カナビスIDカードを発行した際には雇用主に知らせること、なども盛り込んでいる。

これに対して、オレゴンNORMLのラス・ベルビル副執行委員長は、「ダン・ハーモンはオレゴン州民をミスリードしようと画策しているのです。それは、オレゴン州政府自身の健康と安全に関するデータベースを見れば分かります」 と指摘している。

実際、オレゴンNORMLでは、オレゴン州の労働安全衛生局(OSHA)、労働者災害補償局、さらに連邦政府のドラッグ使用と健康に関する全国調査(NSDUH)のデータを駆使して 総合的な分析 を行っている。

その結果、「オレゴン医療カナビス法が成立した10年前の患者数は500人でしたが、現在ではその40倍の2万人を越えています。しかし、職場での死亡事故、時間損失をともなう怪我、時間損失をともなわない怪我、酔っ払い運転、労働安全衛生局で問題になるほどの深刻な職場の安全基準違反などのどれもがこの10年間減り続けているのです。」

「確かに、医療カナビス患者によって職場がより安全になったというわけではありませんが、逆に医療カナビス患者が職場をいっそう危険にしているわけでもありません。もしそうならば、この10年間の医療カナビス患者の増加を反映したデータとなってきちんと現れるはずです。ハーモンは、存在もしない問題に言及することによってお粗末な解決策を提案して、患者たちを仕事で差別しようと企んでいるのです。」

データによると、オレゴン医療カナビス法が住民投票で成立した1998年の職場での死亡事故は10万労働者中3.3人で、職場の時間損失をともなう怪我が3.4人、時間損失がともなわない怪我が3.5人だった。だが、2006年には、それぞれ、2.1人、2.8人、2.1人にまで減っている。

また、深刻なOSHA基準違反は1998年の4446人から2005年には4309人に、自動車による酔っ払い違反、衝突事故、死亡事故は、住民10万人あたりそれぞれ7.5人、6.5人、0.16人から7.0人、5.5人、0.11人へと下がっている。

しかしながら、ハーモンにとってはこうした事実はたいして重要なことではないようだ。彼は、職場の医療カナビス患者を差別する理由として職場の安全と法的責任に言及しているが、2007年に下院委員会で行われた聴聞会では、彼も含めて経営者側の誰れ一人として、患者の社外および勤務時間外の医療カナビス使用が職場の安全を脅かしたという具体的な実例をあげることはできなかった。

ホフマンの本当の意図が明らかになったことで、アルバニー・デモクラット・ヘラルド紙 は、彼が、「オレゴン医療カナビス法には、この法律が州の寛大さのあらわれであると書かれているが、そのような寛大さは止めなければならない」 と主張していることをあげて、彼の仕事の実際は 「モラル十字軍」 なのだと指摘している。

For more information, please contact Madeline Martinez, Oregon NORML Executive Director, at (503) 239-6110, or Russ Belville, Oregon NORML Associate Director, at (503) 349-0395.

Tables and charts of the data from official Oregon and federal databases appears on the "Data" page at Oregon NORML's website, http://ornorml.org/data.