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2008年3月6日


カナビスの使用では頭部と頚部の癌のリスクは増加しない
ミシガン州、11月の選挙での医療カナビス住民投票の実施を承認
ジャマイカ・ガンジャ諮問委員会、再び、ガンジャ法の緩和を勧告



●カナビスの使用では頭部と頚部の癌のリスクは増加しない
2008年3月6日 - ニュージーランド・ウエリントン発

頭頚部外科・耳鼻咽喉科ジャーナルの3月号に掲載された 
対照研究 によると、カナビス喫煙は、たとえ長期にわたっても、頭部と頚部の癌のリスクを増加させないことがわかった。

ニュージーランド・ウエリントンにある医学研究所のチームは、カナビスを使っていた16人を含む75の頭部または頚部の癌患者と319人の対照群を比較して、カナビス喫煙にともなう頭頚部癌の相対リスクを調べた。その結果、カナビスの使用では、長期多量使用の場合も含めて、カナビスを使っていない対照群に比べて癌のリスクの増加は見られなかったと報告している。

研究者たちは、「この全数(悉皆)調査では、55才以下の成人でのカナビスに関連する頭部または頚部の癌については、統計的に顕著な差が見られなかった。カナビスの使用量を3分割した最上位グループ (1日ジョイント1本を8年以上) であっても、タバコの喫煙、アルコールの摂取、低所得などを含む交錯因子を調整した後では、統計的な有意差はなかった」 と結論を書いている。

これに対して、アルコールの多量使用では、対照群に比較して癌のリスクが約6倍になったとしている。

この研究チームは、1ヶ月ほど前にも、カナビスと肺癌について調べた 並行研究 を発表しているが、カナビスを使った経験のある人の肺癌リスクは、全体を平均すれば、使ったことのない人のリスクと統計的な違いはなかったと報告している。

アメリカのドラッグ乱用研究所(NIDA)が資金提供して以前に行われた、164人の口頭癌患者と526人を 対照研究 でも、「エビデンスを総合的に見れば……社会で広く使われているカナビスが頭や首や肺の癌の原因になるとする考え方を支持していない」 と結論付けている。

また、2004年にシアトルのフレッド・ハッチンソン癌研究センターが行った臨床研究でも、カナビスの使用と口頭癌の発症の間には、「どれほど長く、どれほど多量に、どれほど頻繁にカナビスを使っていたとしても」、何の関連も見出せなかったと報告している。

さらに、2006年に発表された カリフォルニア大学ロスアンゼルス大学の研究 でも、1212人のケース群と1040人の対照群を比較した結果、生涯に2万2000本以上のジョイントを吸った人でさえ、カナビスの使用と肺や上気道消化管の癌との間に明確に結びつきはなかったと報告している。

NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「最近では、タバコやアルコールに比べてカナビス喫煙による癌のリスクが驚くほど低いことを示す研究が相次いでいますが、今回のウエリントン・チームの研究はそれに加わったものです」 と語っている。

「大手のマスコミは、カナビスの使用による害を明らかにするような研究を待ち望んでいるために、今回のように害がなかったという研究はたいていは無視されてしまいます。規則には例外がつきものですが、マスコミは、今回の研究結果を例外とみなして無視しているのか、あるいはルール通りに無視しているのかのどちらかです。」

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "Cannabis use and cancer of the head and neck: Case-control study," appears in Otolaryngology 窶 Head and Neck Surgery.
Additional information on cannabis and cancer risk is available in the online report, "Cannabis Smoke and Cancer: Assessing the Risk," at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6891.(日本語訳

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7542


●ミシガン州、11月の選挙での医療カナビス住民投票の実施を承認
2008年3月6日 - アメリカ・ミシガン州ランシング発

今週、ミシガン州の選挙事務所は、2008年11月に行われる選挙で、認定患者のカナビス所持と使用を合法化することを求めた発議を住民投票にかけることを承認した。

この発議は、
温情あるケアを求めるミシガン協議会 と ミシガン医療カナビス活動グループ が提案したもので、州法を修正して、認定を受けた患者が医師の監督下でカナビスを治療に使うことを認める内容になっている。支持者たちは、ミシガンの有権者30万人から署名をあつめて住民投票の実施を目指していた。

ミシガン州の州法では、州議会が住民投票実施以前に発議を成立させることもできるようになっているが、そのような方向に進むとは見られていない。

ミシガン州では、2004年以来、アナーバー、デトロイト、ファーンデール、フリント、トラバースの 5市 で、カナビスの医療使用を認める市条例が制定されている。

今回の住民投票が成立すれば、ミシガン州は、医療カナビスの使用が初めて認められた1996年以降 13番目の州 になる。また、有権者の発議による住民投票で成立するものとすれば9番目になる。

For more information, please visit the Michigan Coalition for Compassionate Care at: http://stoparrestingpatients.org.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7543


●ジャマイカ・ガンジャ諮問委員会、再び、ガンジャ法の緩和を勧告
2008年3月6日 - ジャマイカ・キングストン発

今週、AP通信が伝えた情報によると、ジャマイカ政府の諮問委員会が、再び、少量のカナビス所持に対する刑事罰を取り除くことを議会に勧告した。

しかし、記事では、ジャマイカのカナビス政策のいかなる緩和についてもアメリカ当局から強い批判を受けることは確実で、ジャマイカの 
反ドラッグ確認要綱 を危うくする可能性もあると指摘している。

2001年にも、ジャマイカ政府のガンジャ委員会は、「カナビスを使う目的で単純所持していた多数の人々を犯罪人とすることは、ガンジャそのものによってもたらされる害よりも、社会に与える害の方が大きい」 として、議会に対して、成人のカナビスの個人的な使用を非犯罪化するように 勧告 している。

この勧告については、2003年に議会で 法案の公聴会 が何度か開かれて議論されたが、結局、律法化は見送られている。

For more in formation, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7544