アメリカ各地で420イベント開催

Source: CantonRep.com
Pub date: April 21th, 2009
Pot advocates nationwide inhale, celebrate 4/20
Author: Angela Gent
http://www.cantonrep.com/world/x1092977434/
Pot-advocates-nationwide-inhale-celebrate-4-20


カナビスの愛好家にとっては4月20日はカナビスを祝う日で、4時20分にみんなで一斉にカナビスを吸う行事で知られている。だが、今年の420では単にカナビスを吸って楽しむだけではなく、医療カナビス・クラブの資金集めに協力したり、医療カナビスの合法化に向けて次のステップを踏み出すことが主張されるようになった。

現在では、420は国際的なイベントにもなっており、プライベートなパーティでのコンサートから、ポスターやインターネットなどで呼びかけて市の公園に集まるレベルまでさまざまな規模で行われている。

ニューヨークでは、ハイ・タイムス・マガジンが 「ミス・ハイ・タイム」 コンテストを派手に開催する一方では、オークランドの女性市議は医療カナビス・クラブの資金集めを行っている。レベッカ・カプラン市議は、「最近、オバマ政権が州の認めた医療カナビス・ディスペンサリーに対する連邦の強制捜査をやめる決定をしていますので、医療カナビス運動にとって今ほど重要な時はないのです」 と言う。

カナビス法の改革を主張する人々は、昨年11月のマサチューセッツ州の非犯罪化発議の大勝利で勢いづいている。4月20日には、イリノイの医療カナビス支持グループが、ウイリアム・ハイン州上院議員が提出した医療カナビス合法化法案をバックアップするためにTV広告を出してキャンペーンを行うと発表したほか、、ニューヨークでも、トーマス・デュアン州上院議員とリチャード・ゴッドフリート州下院議員が同様の医療カナビス法案を議会に提出している。

もちろん、毎年4月20日にやってくるカナビス・カルチャーの年中行事では、カナビスを吸ってハイになることも重要な部分を占めている。カナビス・クラブで働く人を養成しているオークステルダム大学のリチャード・リー代表は、「420は、大人になって自分で選んだ楽しみであるカナビスを祝うための日なのです。ビール好きのための聖パトリック・デーに似ています」 と話している。

コロラド州ボルダーでは、コロラド大学の広場に8000人〜1万人が集まった。4時20分にあたりが煙で覆われると参加たちは大きな歓声を上げた。また、デンバーのシビック・センターには3000人が集まり、ジョイントをシェアしながら 「カナビスに自由を」 と声を上げ、フリスビーで遊んだり、ライブ演奏に聞き入ったり、カナビス法の改革を求めるアクティビスト・グループのスピーチに耳を傾けたりしていた。

420という言葉の由来についてはさまざまな説があるが、ハイ・タイムス・マガジンのステーブン・ハーガー編集長によると、サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジをわたったマリン・カウンティーにあるサン・ラファエル市立高校のグループが1971年から使い始めたと言う。

マーク・ウォルドという生徒の一人が、太平洋岸のポイント・レイスの湾岸警備隊のメンバーの話として、地形の複雑な周辺の森に生えているカナビスには手がつけられないことを知って、友だちに探してタダで手に入れようと持ちかけた。みんなは探した情報を伝え合うために一週間ごとに学校の外にあるルイ・パスツールの銅像のところで4時20分に集まるようになった。

最初は、「4:20-Louis」 という言葉を使っていたが、そのうち Louis がなくなって「420」とだけ言うようになった。結局、目的の植物は見つからずタダのカナビスの夢ははかなく消えていったが、「420」 という言葉だけはしっかりと残った。

何年かするうちに420はカナビスを表すコードのようになり、インターネット情報サイトなどでは、「420フレンドリーなルームメイトを求む」 というような使われ方をするようにもなったが、420とその行事がより世間の注目を集めるようになるのに従って、カナビス問題そのものに大きな焦点が当てられるようになってきた。

NORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「3、4年前ころから、大手の映画や音楽産業が420関連の商品を出すようになって、文化面で質的な変化が見られるようになってきたのです」 と言う。

また先月は、エリック・ホルダー司法長官が、ブッシュ政権の政策と決別して、カナビス・ディスペンサリーに対する連邦の強制捜査は、州法と連邦法に同時に違反している場合を除いて行わないと発表している。カリフォルニア州では1996年に医療カナビスの販売を認める住民条例が成立しているが、過去2年半に80軒以上のディスペンサリーが連邦の麻薬取締局(DEA)の強制捜査を受けている。

当然のことながら、420を快く思っていない人たちもいる。カリフォリニア大学サンタクルズ校の当局者たちは、秩序もなく大勢の人が集まれば、車が酔った歩行者と事故を起こすリスクが増えるなどの懸念があるとして4月20日の午後には校門を閉めている。また、新入生の親たちにも手紙で注意を促している。

大学のジム・バーン広報官は、「カナビスを使うことは違法であることに加えて、歓迎できない訪問者がたくさん集まることで、学生や教授、スタッフの安全と移動に深刻な悪影響が出てくるおそれがあります」 と話している。

毎年注目を集めているコロラド大学ボルダー校の420イベントでは、今年も8000〜1万人が参加し、逮捕者なしだった。NORML's Daily Audio Stashの記事 は次のように報告している。


Pix by Steve Bloom/CelebStoner

4月20日、コロラド大学ボルダー校は8000〜1万人のカナビス・スモカーのピクニック会場となった。420イベントの行われた広場では、ドラッグ法への抗議の声が上がり、ハッキー・サックがボブ・マレーの曲を響かせ、4時20分になると広場中に一斉に煙が上がり霧に包まれたようになった。

ドラムはビートを効かせてこだまし、あちこちからは咳をする音まで伝わってきた。多くの人たちはこうした光景を背に写真におさまっていた。

デンバーのリトルトンにあるアラパホ・コミュニティ・カレッジから友だちとグループで参加していたライアン・ルーは、「みんなの上空に雲が立ち上る光景には、本当にすごいことだと感動しました。誰もが同じ場所で同じ時にカナビスを吸っているのですから」 と興奮していた。

「いつもは目立たないように吸っているのですが、一年でこの日ばかりはみんなと一緒に大っぴらに吸えるわけですから。」

大学を警備していた警察のティム・マックグロウによれば、このイベントでは、9人がアルコールとドラッグのオーバードーズで当局の治療を受けたが、カナビス所持でチケットを切られた人はいなかったと言う。また、ライセンスを持たずに食べ物や服を売っている人たちもいたが、やめさせられただけだった。

コロラド大学の映像:
Smoking green at University of Colorado 4:20 - 2009 (YouTube)
420 (YouTube)

この記事では、カリフォリニア大学サンタクルズ校はイベントを中止させられたようなニュアンスで書かれているが、実際には何千人もが集まっている。

この日は35.5℃という110年来の記録的な暑さで、しかも会場近くの西の校門も数時間閉められたにもかかわらず、外に駐車して3キロも歩いて来た人もいた。しかし、日射病や脱水症状などで手当てを受けた人はいなかった。また駐車違反でチケットを切られた人は普段よりも50人以上も多かったが、カナビス喫煙で逮捕された人は一人もいなかった。

Heat twice bakes attendees of annual 4/20 pot fest at UC Santa Cruz

「420」という言葉ができた経緯やどうして広まったかについては、ハフィングトン・ポストの記事 に詳しく紹介されている。

言葉ができた経緯については上の記事にも書かれているが、それが広まるきっかけになったのは、1960年代の終わりにサンフランシスコのピッピー・ユートピアが崩壊して、多くのミュージシャンやアーティストがマリン・カウンティーに引っ越してきたからだった。その中にはグレイトフル・デッドもいた。

デッドの家探しに手を貸したのはマーク・ウォルドの父親だった。また兄のパトリックはデッドのサイドバンドのマネージャーでデッドのベーシストのフィル・レッシュとも親しかった。マークは自宅から数ブロックした離れていないデッドの家でレッシュと一緒に何度もカナビスを吸った。

マークは、その時に420という言葉を使ったかどうかは記憶がないとしているが、使ったと考えるほうが自然だろう。 やがて言葉はデッド・ヘッズたちの間に広まり、1970年代の終わり頃には、4月20日になると自然発生的に近くにある景色のよいタマルパイス山に集まるようになった。

1991年のハイ・タイムス・マガジンでは、420という言葉を使ってこのイベントのフライヤーを作成している。ステーブン編集長は、「420は、カウンター・カルチャーの儀式が符号化されたものだという認識が定着したと考えたのです」 と言う。

カナビスを表す数字としては 「13」 もある。アルファベットで13番目の文字がマリファナの頭文字のMだからという単純な由来だが、キリスト教の世界では縁起がわるい数字とされているために今では全く使われなくなってしまった。

20年前のボブ・ディランとデッドがライブ共演した「スロー・トレイン」では、ジャケットの蒸気機関車の先頭には13という番号が付けられている。

「法律は時代遅れとなり、もはや通用しなくなった」(Law are outdated. They don't apply no more)と歌い、真理と自由を象徴する蒸気機関車がゆっくり近づいてくる様子が描かれている。

まさに現在のカナビス法のことのようにも思えるが…

420イベントで証明されたカナビスの驚くべき安全性 (2008.4.28)