オランダ・リンブルグ州

コーヒーショップ会員化計画が暗礁に

Source: DutchNews.nl
Pub date: 22, May 2009
Cannabis cafe pass scheme falls apart
http://www.dutchnews.nl/news/archives/2009/05/
cannabis_cafe_pass_scheme_fall.php


オランダ・リンブルグ州では一週間ほど前に、ドラッグ・トーリズムを食い止めるためにすべてのコーヒーショップを会員制にする計画を正式に発表していたが、政府から取締りの財政援助が得られない情勢になって計画が頓挫する瀬戸際に追い込まれている。

この計画は、マーストリヒトのゲルト・リーアス市長が発案したもので、来年の1月から州内にある30軒あまりのコーヒーショップをカードが必要な会員制クラブにして一人一日の販売量を3グラムに制限することで、ドイツ、ベルギー、フランスからカナビス目当てに訪れる多数のツーリストを少なくすることを狙っている。

だが、コーヒーショップを持つ有力な市であるフェンロー、ローモンド、ヘーレン、カークレード、フェンレイ、ウイートの市長は、内務相および司法相に対してストリートでの密売を取り締まるために警察官と資金を増やすことを求めたが拒否された。

これに対して市長たちは、警察に新たなリソースの手当がなければコーヒーショップに入れなかったツーリストが違法ディーラーから入手しようとしてかえって迷惑が増えることになりかねないと激怒している。カークレードのジョス・サム市長などは計画の粉砕まで呼びかけている。

発案者のリーアス市長は、資金の提供を求めて6月に関係当局と話し合うつもりだと話している。

オランダの市では市長が警察署長を兼務しているのが普通なので、警察の資金には誰よりも敏感になっている。このためにほとんどの市長が計画に難色を示したとしても不思議ではない。

一方政府側とすれば、最近の経済の悪化から、警察官の採用を当初の計画から半減 することや資金も大幅に削減する計画で、リンブルグの要請には応じたくても応じられないという事情もある。

また、リーアス市長は、コーヒーショップ用のカナビス栽培を認めるようにも政府に要請したがやはり拒絶されている。

ドラッグ・ツーリズムの問題の根本にはコーヒーショップのバックドア問題が横たわっており、それを解決しない限りは何をやってもうまくいかない。コーヒーショップ用のカナビス栽培をライセンス化して認めれば、地下組織の暗躍も防げるばかりか、自治体の税収も増え、警察のリソースも他に振り向けることができるが、現政権にはそれだけの気概も見識もない。

オランダ・リンブルグ州 コーヒーショップの会員制化を計画  (2009.4.27)