マイケル・ジャクソン
医療カナビスは彼の命を救えたか?
Source: MPP Blog
Pub date: 2, July 2009
Could Medical Marijuana Have Saved Michael Jackson?l
Author: Bruce Mirken
http://blog.mpp.org/medical-marijuana/ could-medical-marijuana-have-saved-michael-jackson/07022009/l
少なくとも報道でみる限りは、マイケル・ジャクソンの死についてはわからないことばかりで確定的なことを言える人は誰もいない。その意味では今回のブログのタイトルは挑発的過ぎるかもしれないが、もし彼が医療カナビスを使っていたらどうだったのかを考えてみる価値は十分にある。
なぜならば、マイケルの死には 処方鎮痛剤との関連が強く疑われて いるからだ。そのことは、連邦麻薬取締局まで捜査に加わっていることからもわかる。また、彼が痛みに悩んでいたことは 文書 として残っているし、医薬品としての処方鎮痛剤についてもいろいろな問題のあることが知られている。
彼が何という鎮痛剤を何の目的で処方されていたのかはわからないが、日常的に抱えた痛みの治療に使っていたとすれば、その鎮痛剤に中毒するようになったとしても何ら不思議ではない。そこで、もし彼が医療カナビスを使っていたとしたら、という問いが出てくる。
カナビスには、ある種の痛みに対して効果的緩和する働きのあることがよく知られている。例えば、2003年の ランセット神経学ジャーナル では、「カナビノイドは、実験的に引き起こした痛みのほぼすべてに対して抑制効果がある」 と報告している。また、人間の臨床実験 でも、カナビスにはとりわけ神経因性疼痛に対して効果のあることが示されている。
さらにまた、オピエート系の鎮痛剤と一緒にカナビスやカナビノイドを使うとシナジー効果があり、オヒエート単独使用に比較して少量でもより大きな鎮痛効果があることが多数のエビデンスで示されている。
例えば、最近発表された 動物実験 では、オピエートとカナビスを併用すると、少量のオピエートで耐性上昇を招かずに効果的な鎮痛作用が得られたと報告している。つまり、普通は耐性上昇によってオピエートの使用量が増加し、中毒やオーバードーズなどを引き起こすこともあるが、それを避けることができる。
同じことは人間でも確かめられている。痛みと症状管理ジャーナル(Journal of Pain and Symptom Management)には、モルヒネなどの麻酔系鎮痛剤を使っている患者が、カナビスの喫煙を併用して使用量がほぼ半減できたケースがいろいろと掲載されている。
われわれのマリファナ。ポリシー・プロジェクト(MPP)にも、鎮痛剤を多量に使っていた患者さんたちから、カナビスを使うことで鎮痛剤の使用量を減らしても、あるいは全く使わなくなっても以前と同等かそれ以上の効果が得られたという 同じような話 が始終寄せられている。こうした声は十二分に科学的な事実を裏づけるものと言える。
確かに、医療カナビスでマイケル・ジャクソンが救われたに違いないとまでは言えないし、その答えが出ることもないだろうが、慢性痛に苦しむ患者の一部では、カナビスで痛みが緩和し、死ぬ恐れのある中毒性の鎮痛剤の使用を減らすことができるということには疑いの余地はない。
もしアメリカ政府がそれを否定せずに事実を素直に受け入れるならば、多くの命が救われるに違いない。
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処方医薬品乱用による死亡率、違法ドラッグ全体の3倍以上、フロリダ州 (2008.6.14)
リクレーショナル・ドラッグよりもはるかに多い処方医薬品の死亡事故 (2008.1)
Doctors Are The Third Leading Cause of Death, in the US, Causing 250,000 Deaths Every Year Barbara Starfield, JAMA Vol 284, July 26, 2000