アメリカ麻薬撲滅対策室(ONDCP)では、1998年より若者を対象とした反カナビス・キャンペーンを開始し、これまでに20億ドルの税金の他にも各種の基金が公共サービス放送 (PSAs)の製作などに注ぎ込まれてきた。しかし、最近ではその効果に多くの疑問が投げかけられて、内容の見直しが求められている。
そこで出てきたのが 「ピートのソファ」 というコマーシャルで、これまでとは様子が全く異なっている。以前のコマーシャルは、カナビスの害などの恐ろしさを前面に出して恐怖心に訴えるものだったが、最近ではカナビスに対する正確な知識が広まったことで、若者には嘘や誇張が通用しなくなってきている。
ピートのソファでは、登場する若者の一人に、ソファに座っている限り、カナビスが 「世界で最も安全なもの」 と語らせ、でも、そんなになったら人生に楽しみもないし、死んだも同然じゃない? と訴え、いわゆる無動機症候群がターゲットになっている。
確かに、未成年者がカナビスを吸うことは好まいことではないが、実際には、多くのカナビス・ユーザーは積極的に人生を楽しんでおり、無動機症候群になることを明確に示した研究もない。いくら何でも、11時間もソファに座っている人などいない。
カナビス反対派の人たちはカナビスを積極的に体験したことがないために思い込みだけで、ユーザーが無動機症候群になることを「望んで」いる。このコマーシャルは、それを浮き彫りにしている。
ティーンは反マリファナ・キャンペーンを見てマリファナを試すようになる