Weekly News

2006年1月5/12日


NORML、初のバイラルメディア・キャンペーン開始
エンドカナビノイド・システムが骨粗鬆症を防ぐ
連邦医薬品局、イギリスのカナビス・スプレーの臨床試験を認可
ロードアイランド州、医療マリファナ合法化の11番目の州になる (1月5日)



●NORML、初のバイラルメディア・キャンペーン開始
2006年1月12日 - アメリカ・ワシントンDC発

NORMLは 「サムの旅」 と題する短編アニメを作り、今週、設立以来初めてのインターネットを使ったバイラルメディア(伝搬拡散型)・キャンペーンを立ち上げた。この90秒のアニメは、アメリカで最初にマリファナで逮捕され連邦刑務所に入れられたサミュエル・コールドウエルを通して、マリファナ禁止法の歴史を描いている。

アニメはジュリアン・マルベリー・グループが制作によるもので、自らマリファナ・スモーカーであることを認めたアメリカの著名人も登場している。その中には、NORMLの顧問の一人である国民的カントリー歌手のウイリー・ネルソン、テレビでホストを勤めるビル・マハール、映画俳優・監督ウディ・ハレルソン、前副大統領アル・ゴア、 元下院議長ニュート・ギングリッジ、天文学者カール・セーガン、コメデイアンのデイブ・チャペルなどが顔も見られる。

「NORMLのインターネット・バイラルメディア・キャンペーンは、新しいハイテク・メディアを使って、これまで届かなかった人たちにも興味をもってもらってコミュニケートする試みです。」 「マリファナ法の改革をめざす運動家がこの短編アニメを見て、楽しく教育的素材になることに気づき、友人や家族と一緒になってNORMLの活動やアメリカのマリファナ法の改革の必要性を語り合ってほしいと願っています。」とNORMLとNORML基金で法律顧問をつとめるキース・ストロープは語っている。

短編アニメはNORMLのウエブサイトからダウンロードできる。
http://norml.org/samsjourney.html
NORML's Video Blog

参考:  サムの旅



●エンドカナビノイド・システムが骨粗鬆症を防ぐ
2006年1月12日 - イスラエル・エルサレム発

アメリカ科学アカデミー定期論文集の最新版に掲載された臨床試験前の予備データによると、エンドカナビノイド・システムが骨の密度を保護し、骨粗鬆症の発現を抑えるのに主要な役割を果たしているという研究が発表された。エンドカナビノイドは人体や動物内で自然につくり出されるカナビスに似た化合物で、体内レセプターとの結合の仕方は、THCのような植物から生成される物質と同じように反応することが知られている。

エルサレムのヘブライ大学骨組織研究所の研究者たちは、マウスの骨に中に多数のカナビノイド・レセプターを見出しているが、そうしたレセプターが欠乏しているマウスでは老化とともに重い骨粗鬆症になる、と報告している。そのような場合でもHU-308と呼ばれる合成カナビノイドを投与すると、骨の形成を刺激し骨の減少を低減させて骨粗鬆症の進行が遅くなる。

「こうした結果は、エンドカナビノイド・システムが通常の骨の量の維持に中心的な役割を果たすことを示しており・・・カナビノイド・レセプター分子をターゲットにした骨粗鬆症の診断や治療の道を開く・・・」 と結論で述べている。

骨粗鬆症は骨組織の退化によって起こる骨格の変性疾患の一つで、患者は多発性骨折などの深刻な身体障害に見舞われるリスクを抱えている。

エンドカナビノイドとエンドカナビノイド・レセプター・システムに関する以前の研究では、カナビノイドが人間や他の生体においてホメオスタシス(代謝平衡)を維持する役割を担っていることが指摘されている。エンドカナビノイドに影響をうける生物機能としては、食欲、体温、血圧、骨の密度、生殖活動、学習能力、運動神経などがある。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Peripheral cannabinoid receptor, CB2, regulates bone mass," is available in the January 10, 2006 edition of the Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA. Abstracts of the study are available online at: http://www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.0504187103

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6780


●連邦医薬品局、イギリスのカナビス・スプレーの臨床試験を認可
2006年1月12日 - アメリカ・メリーランド州ロックビル発

アメリカの薬品規制当局は、先週、癌に痛みの治療に用いる、天然のカナビス抽出液入り経口スプレー・サティベックスのアメリカ国内での臨床試験を初めて許可した。サティベックスは、現在、神経因性疼痛や多発性硬化症などの疾患に対して、カナダでは医師の処方箋で利用できるほか、スペインやイギリスでも制限付きで使えるようになっている。

連邦医薬品局(FDA)が認めた試験は、今年の後半から開始され、終了するのは24〜36カ月後になる見込み。調査は、進行癌患者250人を対象に、ランダムに選んだ人にプラセボを与える2重盲検法を使って行われる。これによってサティベックスの効果が、患者の日常に痛みを緩和するか、モルヒネのようなアヘン系医薬品の使用をどれだけ減らせるか、さらに生活のクォリティ全体がどの程度改善されるかが評価される。

177人の癌患者と志願者に対して行われた臨床試験の予備調査では、サティベックスを投与したグループでプラセポ・グループよりも統計的に顕著な改善がみらた。試験に参加した患者たちは、以前はモルヒネなどの通常の鎮痛薬では効き目が得られなかったが、30%が痛みの緩和、40%がさらに大きな改善効果があることが確認されている。

サティベックスのプラセボを使った別の臨床試験では、多発性硬化症に関連する痛みや筋肉のけいれんや膀胱の失禁などの症状に対して緩和効果が認められている。

サティベックスの製造をしているイギリスのバイオテクノロジー会社・GW製薬では、FDAの決定で、早期にアメリカでの販売が認められるように、臨床試験を第三段階から直接開始することが認められた、と語っている。

「わが社は、通常のアヘン系鎮痛薬では対処できないアメリカの多数の進行性癌患者にとって、サティベックスが第一級の新しい治療オプションになると信じています。」 とプレス・リリースで述べている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500 or visit: http://www.gwpharm.com

Source:  http://norml.org/index.cfm?Group_ID=6781


●ロードアイランド州、医療マリファナ合法化の11番目の州になる
2006年1月5日 - アメリカ・ロードアイランド州プロビデンス発

ロードアイランド州は、アメリカで医療目的のマリファナ使用を正式に合法化した11番目の州になった。ロードアイランド州下院は、1月3日、エドワード・ホーキンスとトーマス・スレイター議員が提案した医療マリファナ法を59対13で可決した。これは、先にロナルド・カーシェリ知事の拒否権で実現しなかった法案を再度多数で覆したもの。上院でも既に可決されているので、これで正式にロードアイランドの州法になった。

同医療法案は、ロードアイランド州看護協会や患者支援同盟の強い支持を受けていた。

ロードアイランドは、住民投票ではなく、州議会を通して合法化した3番目の州になる。これで、アラスカ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、メイン、モンタナ、ネバダ、オレゴン、バーモント、ワシントンの各州とともに、医療マリファナによる救済を求める病人や末期患者が州の法律で守られることになった。