Weekly News

2006年6月1日


カナビノイドが乳ガン細胞の増殖を劇的に抑える
カナビス使用ではアルコールのように怪我のリスクは増加しない
スペイン、医療カナビスの使用が広がる



●カナビノイドが乳ガン細胞の増殖を劇的に抑える
2006年6月1日 - イタリア・ナプルス発

薬理・実験治療学ジャーナル5月号に掲載された臨床前研究のデータによると、人間の乳癌や前立腺ガンや結腸ガンなどを培養したさまざまな種類の腫瘤細胞株に対して、カナビスの化合物を使うとガン細胞の成長を抑制することが動物及び試験管実験で明らかになった。

イタリア化学・生化学分子研究所の研究者たちは、生体内・試験管内の実験で、非精神活性のカナビジオール(CBD)、カナビゲロール(CBG)、カナビクロマイン(CBC)などをはじめ、THCも含むさまざまなカナビノイドの抗ガン作用について調べたが、その中でもカナビジオールが最もカン細胞の成長抑制効果を持っており、特に乳ガン細胞においてはアポトーシス(自然死)の引き金になっての顕著な増殖抑制結果が得られたと報告している。

また、カナビゲロールやカナビクロマインについても抗ガン作用が確認されたが、カナビジオールほどの効果はないことも見出している。これらの結果から 「ガンの治療にはカナビジオールが有力であることを示唆している」 と結論を書いている。

以前に行われた研究でも、カナビノイドが動物および人体内の脳細胞の 
神経膠腫 の大きさや増殖を投与量に比例して抑えることが示されている。また、他の臨床前研究でも、皮膚ガン白血病、肺ガン、前立腺ガン などの多くの悪性細胞株に対して、増殖を抑え、選択的にアポトーシスをおこすことが見出されている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Antitumor activity of plant cannabinoids with emphasis on the effect of cannabidiol on human breast carcinoma," is available online at: http://jpet.aspetjournals.org/cgi/reprint/jpet.106.105247v1.

Additional information on cannabinoids' anti-cancer properties is available in NORML's report, "Cannabinoids as Cancer Hope," online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6814  (

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6917


●カナビス使用ではアルコールのように怪我のリスクは増加しない
2006年6月1日 - アメリカ・ミズリー州コロンビア発

ミズリー・メディシン・ジャーナルの3月4月合併号に掲載された対照研究によると、カナビスを使用した後で入院を要するような怪我をするリスクは増え無いことが明らかにされた。

ミズリー州立大学薬学部の研究者たちは、18才から60才までの成人対象に、怪我をして緊急病棟で治療をうけた2161人と、性別・年齢がマッチした1856人に対照群にインタビューしてカナビス使用と怪我の関連を調査した。

「この研究では、過去7日以内にカナビスを使ったと自己申告した人の場合は、怪我をするリスクが目立って減少している」 が、それに比較して、他の違法ドラッグ使用や6時間以内のアルコールの飲酒の場合は 「怪我のリスクは大幅に増加している」 と指摘している。

昨年、トラウマ傷害・感染症と救急診療ジャーナルに掲載された別の研究でも、カナビスの単独使用と入院を要するような怪我の間には関連がないことが報告されている。

また、ニューヨーク州立大学バッファロー校ファミリー・メディシン学部で実施された
研究 では、「アルコールとコカインの単独使用は暴力関係の怪我と結びついている。一方、ヘロインなどアヘン系ドラッグの単独使用の場合は暴力を伴わない怪我や火傷に関連している・・・しかし、カナビスに対する悪影響への関与については・・・怪我の種類・起きる経過・度合の傾向を示す統計的なデータは特になかった」 と述べている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Full text of the study, "Marijuana and other illicit drug use and the risk of injury: A case-control study," appears in the March/April issue of Missouri Medicine.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6918


●スペイン、医療カナビスの使用が広がる
2006年6月1日 - スペイン・マラガ発

今週のはじめの新聞(El Sur)の記事によると、スペインでは、末期あるいは慢性疾患の治療にカナビスを利用する件数が増加し、医療目的でのカナビス使用は、スペイン全体で年に20%上昇している。

スペインではカナビスの医療使用が合法化されているわけではないが、連邦法では 
カナビス所持は刑罰の対象とはなっていない

また、スペインの保健当局は昨年、多発性硬化症(MS)や神経性の痛みなどに苦しむ患者に限って、天然のカナビス抽出液を使った経口スプレー・サティベックスを輸入して使うことを許可している。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6919