イギリスの若者たち
カナビスはタバコみたいでヤ〜メた
Source: The Guardian
Pub date: November 7 2008
Why more young people say cannabis is a drag
Author: Alan Travis in Brussels
http://www.guardian.co.uk/society/2008/nov/07/ cannabis-drugs-teenagers-smoking
ヨーロッパのドラッグ専門家の話によると、イギリスでは、カナビスを使うティーンエイジャーが数が着実に減り続けているが、その理由は、タバコを吸うことへのイメージが悪くなったからだと言う。
EUのドラッグ調査では、ヨーロッパの15才から34才の若者で最近1年以内にカナビスを経験した人は、全体の13%の1750万人と見積もっている。だが、その人数が減り始めていることは間違いなく、特にイギリスの学生の間では、2000年の20%から2007年には15.6%に減って目立っている。
こうした変化の背景には、タバコを吸うことの危険性を訴える公衆衛生キャンペーンが盛んに行われている影響がある。
ヨーロッパのドラッグ使用状況の変化を研究しているヨーロッパ・ドラッグ監視センターのポール・グリフィス博士は、「非常に多くの若者が、タバコの喫煙に強い嫌悪感を持つようになって、タバコに対する見方が変わってきたわけですが、それがカナビスに対する見方への変化にも影響を与えているのです」 と話している。
こうした変化は、禁煙法が広く実施されるようになったヨーロッパではどこにでも見られると言う。カナビスの使用率はタバコ・スモーカーのほうがノンスモーカーよりも高いので、社会がタバコの喫煙を受け入れなくなればなるほど、カナビスを吸う場所を見つけるもの難しくなるからだ。
以前のヨーロッパはモロッコから輸入したハシシが伝統でタバコに混ぜなければジョイントが巻けなかったが、自宅栽培のバッズが主流になってきた現在でもその習慣が残り、バッズにもタバコを混ぜて巻くのが普通になっている。そのことが、タバコだけではなくカナビスも吸わないという気持ちを持つティーンエイジャーの増加につながっている。
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Cannabis: 'Stronger signals' of declining popularity
2008 Annual report: the state of the drugs problem in Europe EMCDDA, Lisbon, November 2008
オランダのコーヒーショップでは、禁煙法の開始によって店内では隔離した場所以外では、タバコ入りのジョイントを吸うことができなくなった。タバコの入っていないジョイントの喫煙は可能だが、社交性が減って馴染めない人も多くテイクアウトする人が増えていると言う。店では、飲み物やタバコの売上が減って打撃を受けている。
しかしながら、ジョイントにタバコを混ぜるのは主にヨーロッパで、アメリカでは一般的ではなくピュア・ジョイントが当たり前になっている。アメリカでも禁煙法はヨーローパに負けないくらいに厳しいが、だからといって必ずしもカナビスの使用率が低いわけでもない。しばらく時間はかかるかもしれないが、ヨーロッパでもこれまでとは違ったカナビス文化が育ってくるのではないか。
しかしこの記事で最も教訓的なことは、未成年をカナビス使用をやめさせようとするのならば、例えタバコのように合法化しても、適切な教育によって使用率を下げることができることが示された点にある。
イギリスでは、2004年にカナビスの区分がBからC分類へダウングレードされて非犯罪化が行われたが、それ以降、16〜24才の若者のカナビス使用は およそ20%減っている。イギリス内務省が昨年発表した統計によると、現在でもカナビスを使っていると認めているイギリス人は僅か8%で、調査開始以来最低を記録している。
しかし、2007年6月に就任したゴードン・ブラウン首相(労働党)は、カナビスの罰則の強化を主張してきた。2008年5月には、政府のドラッグ乱用問題諮問委員会のC分類に据え置くべきだとする勧告を無視してB分類に戻すことを 決定している。
以前は、「リーファー・マッドネス」 はカナビスを使っている者がなるとされていたが、最近では、カナビスを使ったこともなく、本当の姿を見ようとしない人間ほどマスコミに煽られて共同幻想に陥って、文字通りリーファー・マッドネスになりやすい。妄想を信じている者は、現実を前にしても、自分のほうが正しく現実のほうが間違って見えてしまう。