|
Source: ENCOD オランダのデン・ハーグで「カナビス民衆法廷２００８」 が開催された。 この法廷を取りまとめたのは、アムステルダムのカナビス・カレッジ、ドラッグ政策ファンデーション、ＥＮＣＯＤで、１２月１日と２日の２日間にわたって開かれた。出席したのは、科学者や元政治家、元警察所長、コーヒーショップのオーナー、カナナビス・アクティビストほか、政府側からはキリスト教民主党（ＣＤＡ）の広報官、元市長、国会議員が加わった。 結局、カナビス禁止法を維持しようとしているＣＤＡ代表は、独立裁判官の納得を獲得できずに反対に糾弾されて終わった。最終日には、カナビスに対する禁止政策が利益よりも不利益を多く生み出しているとする 最終勧告 を発表して幕を閉じた。
オーメン代表によると、禁止法に好意的な人を探すのが大変だったという。「オランダでは、いまだ、カナビスが主要な公衆衛生問題になっていると言い続けて、禁止法にはポジティブな効果があるなどといっている学者など全然いませんから。」 すべての政党に招待状をだしたが、この挑戦を受けたのはＣＤＡだけだった。また、ロッテルダムのレオナード・ゲラック元市長と国会のシスカ・ヨルダースマ議員もコーヒーショップ数を制限すべきだとする立場から加わった。 裁判の独立裁判長には、論理学と法哲学の専門家として知られるライデン大学のヘンドリック・カプタイン教授が務めた。彼は、科学者や元政治家、元警察所長、コーヒーショップのオーナー、カナナビス・アクティビストなどが見守る中で、ＣＤＡの弁護は 「詭弁」 であり 「全く価値がないと」 と切り捨てた。 また、オランダ警察協会の前所長で現在はＬＥＡＰのメンバーでもあるハンス・ファン・デューイン氏の、カナビス市場を合法化すべきだという主張に対しては何の議論も行われなかった。 ファン・デューイン氏によれば、ＣＤＡがカナビス禁止法を続けているために、それが原因でオランダの犯罪の５０％が発生し、毎年５億ユーロもの税金が不必要なドラッグ戦争に浪費されているという。しかし、この議論に対しては、ヨルダースマ議員は何の反論もしようとしなかった。 |
Cannabis Tribunaal Den Haag 2008 (YouTube)
裁判の最終勧告（オランダ語）：http://www.encod.org/info/IMG/pdf/Conclusies_Tribunaal.pdf
カナビス民衆法廷プログラム
スピーカーには、センシ・シードのベン・ドンカーやオランダのポット・ファーザー、ワーナード・ブリューニングなども加わっている。
カナビス・カレッジ
ドラッグ政策ファンデーション
ＥＮＣＯＤ
オランダ警察協会会長 カナビス栽培を合法化すべき (2008.4.23)観念論ではなく実務的なドラッグ政策を、オランダの３市長と２議員が共同声明 (2008.3.4)
オランダ、もっと柔軟なドラッグ政策が必要、元首相、現市長らがバルケネンデ首相に書簡 (2007.12.12)
民衆法廷は、市民が自主的に有識者を集めて構成する一種の模擬法廷で、公的機関ではないので「判決」に法的拘束力はない。民衆法廷として有名な ものには、ベトナムにおけるアメリカの戦争犯罪を裁くために開かれたラッセル法廷（裁判長サルトル）や、原爆法廷などがある。