カリフォルニア大学の臨床研究

喫煙カナビスの鎮痛効果を再度確認

Source: Salem-News.Com
Pub date: 17 April 2008
Title: Study Confirms Medical Marijuana Pain Relief
http://www.drugpolicycentral.com/bot/article/salem-news6314.htm


ジャーナル・オブ・ペインの電子版に掲載されたカリフォルニア大学デービス校で行われた臨床試験の結果によると、カナビスの喫煙で、さまざまな原因による神経障害性の痛みが著しく緩和されることが示された。

カナビスの喫煙によって、オピオイドなど従来の治療で効果がみられないエイズ/HIV関連の神経性疼痛が緩和するすることは一年前のサンフランシスコ校の研究でも示されていたが、今回はその他の疾患でも同様に効果があることが確認された。

今回の研究は、バース・ウイルゼイ教授のテームが実施したもので、糖尿病、脊髄損傷、多発性硬化症などによって引き起こされた神経障害性の痛みに苦しむ38人の患者を対象におこなわれた。

カナビス・ジョイントは、0%(プラセボ)、3.5%、7%の3種類の濃度のTHCのものが用意された。各セッションでは、それぞれのジョイントの吸引量が同じになるように、標準化された吸い方で同じパフ数を吸い込むようにして、効果を比較している。

その結果、3.5%と7%のどちらの場合も著しく痛みが軽減され、痛みの強度をあらわすスコアの低下は5時間以上にわたって持続している。副作用については、「深刻度はほとんどなく、精神活性作用もわずかなもので、耐性特性も良好だった」 と報告している。

ただ、高濃度のジョイントでは、記憶力や問題解決能力などの神経認知機能のスコアが低くなるとして注意するようにも促している。また、今回の研究では、同じように認知機能に影響を与えるオピオイドなどの鎮痛剤の投与量をカナビスの喫煙で削減できるかどうかを調べることまでは意図されていないが、患者からは全般にポジティブな報告が上がっている。

今回の研究について、マリファナ・ポリシー・プロジェクト(MMP)のロブ・カンピア代表は、「この2月にはアメリカ内科医師会も医療カナビスに対する支持を表明しましたが、今回の研究でさらに、アメリカ政府の医療カナビス政策が科学的な現実から全くかけ離れていることが証明されたわけです」 と語っている。

「すでに12の州で医療カナビス患者を逮捕から保護する州法が制定されていますし、制定にむけて検討が進められている州もいくつかあります。こうした状況の中で、アメリカ議会は、連邦の医療カナビスに対する戦争を終結させる必要があります。」

現在、州議会ベースでは、イリノイ、ニューヨーク、ミネソタの各州で医療カナビス法の審議が行われているほか、ミシガン州では11月の選挙で医療カナビス発議の住民投票が予定されている。

今回の論文:
A Randomized, Placebo-Controlled, Crossover Trial of Cannabis Cigarettes in Neuropathic Pain  Barth Wilsey, et al. ,doi:10.1016/j.jpain.2007.12.010, published online 11 April 2008.

カナビスの喫煙でHIVの神経障害疼痛が顕著に軽減  (2007.2.15)
喫煙カナビス、神経疼痛に治療効果  (2007.10.24)