腐って壊れた

FDAの医薬品認証システム


Source: MPP Blog
Pub date: 19 Sep 2008
Marijuana, the FDA, and the Broken System of Pharmaceutical Research
Author: Bruce Mirken
http://blog.mpp.org/?p=136


医療カナビス支持者たちは、カナビスが食品医薬品局(FDA)から医薬品としての認証を受けていないので、本当の医薬品では有り得ないとさんざん言われて続けてきた。

誰でもが指摘するその理由の一つは、麻薬取締局(DEA)が認証研究用に必要なカナビスの生産を妨害して研究を行わせないように画策いるからだ。実際、1年半以上も前に、DEA自身の行政法判事が 民間での研究用カナビスの栽培を認める判決 を下したのにもかかわらず、最終決定を放置し続けている。

だが、これはほんの一例に過ぎない。最近、アメリカ医師会ジャーナルに 『製薬会社スポンサーの臨床研究』 と題する論文が掲載されたが、製薬会社が取り仕切っている研究が、普通思う以上にFDAの認証システムを歪めて腐らせていると激しく非難している。

この論文は、世界でも最も名声の高い医学専門誌であるニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)の元編集長で、現在はハーバード大学医学部の教授でもあるマリシア・アンゲル氏で、「現在の製薬会社は、処方医薬品の臨床研究の大半に資金を提供し、スポンサーになった研究をより効果的で安全であると歪曲するようなエビデンスで積み上げている」 と書いている。

アンゲル氏は、読者たちを訪ねて、客観的な研究を装いながら自分の利益を切々と訴える話しを聞いてまわり、臨床試験を行っている研究者たちや大学関係者、さらにFDAの検討委員会のメンバーたちでさえ、試験と評価の対象となる製品の製薬会社にいかに金銭的に丸め込まれているかを描いている。

今では、製薬会社が開発製品研究を完全にコントロールしており、「しばしば会社自身が研究デザインを作成して、分析を行い、論文を書き、結果をどのような媒体でいつどのように出版するかまで決めている。」

会社は、自分の製品の研究をコントロールしながら、ポジティブな結果がでるように研究を歪めるばかりではなく、販売にマイナスになるようなネガティブな結果を隠すことすらしている、とアンゲル氏は説明する。こうした隠蔽工作は、しばしば裁判や議会の公聴会で明るみに出てくる。

著名な医学雑誌の編集長を務め、医師としても多大な尊敬を集めるアンゲル氏は、結論として、製薬会社が「認証システムの隅々にまで浸透して、会社に都合のよいバイアスがかかるようになって、医師たちはもはや正確で信頼できる情報を医学雑誌に頼って得ることもできなくなっている」 と指摘している。

当然のことながら、天然のカナビスにはスポンサーになる製薬会社などない。カナビスが本当の医薬品になることはないとさんざん言われてきたが、アンゲル氏の論文でその理由がはっきりした。壊れてバイアスがかかり機能不全に陥ったこのような認証システムを通すことなどどのみち無理だからだ。