Weekly News


全米科学アカデミー医学研究所

IOM報告発表10周年

Source: NORML Weekly News
Pub date: March 12, 2009
Institute Of Medicine Report On Medical Marijuana
Celebrates 10-Year Anniversary Next Week
http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7824


2009年3月12日 - アメリカ・ワシントンDC発

この次の火曜日である3月17日は、全米科学アカデミー医学研究所(IOM)が連邦議会に対して、カナビスの臨床研究と医療使用を認めるように求めた勧告を盛り込んだ 報告書 を発表してから記念すべき10周年を迎える。

党派色のない医学研究所の研究者たちが、膨大な論文を調査して 『医薬品としてのカナビス、科学ベースでの検証』 というタイトルの報告書を作成して発表したのが、1999年3月17日だった。この報告書は、カリフォルニア州の住民投票で医療カナビスを合法化する条例が成立した後、ホワイトハウスの麻薬取締政策局(ONDCP)が、カナビスには医療価値はないことを証明するために調査を依頼したものだった。

しかし、この267ページの報告書では政府の期待とは逆に、カナビスとその成分には、痛みや吐き気、不安などのコントロール、食欲増進効果などがあることを明確に示したものだった。

報告書では、「衰弱した患者のなかには、カナビスを吸うと安寧が得られる人もいる。煙を吸うという害を別にすれば、カナビス使用による副作用は他の医薬品で容認されている影響の範囲内にある」 と結論づけている。

10周年を前にしてNORMLのポール・アルメンターノ副事務局長は、「10年前に比較すれば、カナビス治療に対する関心ははるかに強くなっています。医学論文のデータベース(PubMed)を調べてみると、1999年に報告されたカナビス研究は427件でしたが、2008年には2100件を越えるまでになっています」 と語っている。

また彼は、「この十年間でカナビスの医学研究の焦点が劇的に変化してきています。10年前は、いろいろな病気の症状に対してカナビスが一時的にそれを緩和することができるという話が主なものでしたが、現在では、癌の拡大を抑制したり、多発性硬化症やアルツハイマーの進行を遅らせるといった 病気そのものの治療 にカナビスがどのような役割を果たしているのかを調べることが中心になってきています」 とも指摘している。

さらに、「現在では喫煙の代替として、安全で効果が高く、迅速にカナビスの治療成分を患者に搬送することのできる バポライザー装置 が開発されています。バポライザーを使うと燃焼温度以下でカナビスの治療成分だけを気化することができますから、煙は発生しません。」

「2007年には、サンフランシスコ総合病院の研究者たちが、バポライザーの性能を検証 して、”カナビスをバポライズしても燃焼ガスは発生せず、… 多くの被験者にはジョイントよりも評判がよく、… バポライザーは、効果的で明らかに安全なTHC搬送装置だと言える” と結論づけています」 と話している。

最後にアルメンターノ副事務局長は、「今日、医療カナビスの合法使用を妨害しているのは、唯一つ政治的なハードルだけです。オバマ政権はIOMの勧告に耳を傾けて、カナビスの医療使用に関する臨床試験を開始できるようにすべきです。連邦の法的制限を取り除き、他の通常医薬品と同様に、州がカナビスを規制管理できるようにすべきなのです」 と結んでいる。