アメリカ政府の調査統計からわかる

カナビス使用者の実像 Part3

Source:NORML's Daily Audio Stash
Pub date: April 15th, 2009
Who Are You III: Workin’ like a Dog
Employment Statistics on Marijuana Users
Author: Radical Russ
http://stash.norml.org/
who-are-you-iii-workin-like-a-dog-employment-statistics-on-marijuana-users/


前回、Part2 を書いてから、また同じ読者から少し観点が違うというコメントをいただいた。

Part2の図には問題があると思います。というのは、たった一回だけしかカナビスを吸ったことのない人までスモカーとして区分しているからです。私の意見とすれば、そうして導きだされた数字はちょっと大げさ過ぎます。もっと正確で信頼できる数字にするためには、年間にある一定の基準以上を使った人について統計を取る必要があると思います。

時間をかけて質問に答えていただいたことには感謝しますが、使われている数字は不適当で大きな誤りを含んでいます。これらの統計では、反カナビス派の人たちを納得させることはできません。

統計で使っているデータ自体は、誰でもが利用できる SAMHDA のものですが、今回はそれをさらに掘り下げて別の角度から見てみます。

確かに、使用頻度をベースにして就労チャートを描くことはできます。ですが、カナビスの使用頻度が大きくなるのに従って失業率も増えていくことを表すだけのチャートであれば、実態が見えなてこないのであまり意味はありません。何故ならば、失業には、就労者の意志とは関係なく、職場でのドラッグテストで解雇された人が含まれているからです。

つまり、カナビスをたくさん吸う人ほど尿テストに引っかかることも多くなりますし、また、求職の際にドラッグテストを通過しようとすれば最低でも数週間は吸わないようにしなければなりませんから、失業の期間も長くなっくなります。

しかしながら、どれだけのスモーカーがフルタイムまたはパートタイムで就労しているかという面に焦点を当てて見れば、カナビス・スモーカーの実態がよりフェアーに浮かび上がります。下のチャートは、カナビスの使用頻度別に見たアメリカ成人の就業率です。


カナビスの喫煙経験なし
67%の非経験者がフルタイムまたはパートで就労している

年間経験1〜5回
滅多に吸わない人では78%が就労している

年間経験6〜10回
機会喫煙者の81%が就労している

年間経験11〜25回
常用者の80%が就労している

年間経験26〜100回
頻繁に使う人の71%が就労している

年間経験100回以上
長期使用者の76%が就労している

このチャートからもわかるように、どのカテゴリーにおいてもカナビサウ・スモーカーの就業率は非喫煙者を上回っています。それだけではなく、パートタイマーを含まないフルタイムの就業率においてもすべてで高くなっています。一方では、常用者や長期使用者では失業率も高くなっています。


カナビスの使用度合いと就労業況 (クリックで拡大)

カナビスの使用度合い別の就労状況を一覧にした上のチャートの作成に当たっては、「その他/就労を強要されていない」人のカテゴリーをどうするかついて考えてみたのですが、前回の表にもある通り、身体に障害を持つ人やお年寄りの場合はカナビスを吸っていない率が高く、非経験者全体の就業率を下げてしまいますので、チャートからは比較対象から外すことにしました。

チャートでは、確かにカナビスをたくさん吸う人ほど失業する率は高くなっています。しかし、だからと言ってそれほど高くなっているわけでもありません。また、非使用者の就業率は96%ですが、カナビス・スモーカーでも88%〜94%の人が就労していることがわかります。つまり、20人に18〜19人は仕事を持っています。