ジム・ウエッブ上院議員
カナビス合法化は
刑事システム見直しの一部
Source: NORML's Daily Audio Stash
Pub date: 24, Apr 2009
Jim Webb: Pot Legalization Could Be Part Of Criminal Justice Overhaul
Author: Ryan Grim
http://stash.norml.org/ sen-jim-webb-d-va-pot-legalization-could-be-part-of-criminal-justice-overhaul/
あらゆることについて検討する
歴史的とも言われている退役軍人援護法の改正法案を通過させたばかりのジム・ウエッブ上院議員(バージニア、民主)が、今度は刑法システムの見直しに取り組んでいる。彼は、この問題を最優先化することで同僚議員たちの注目を集めている。
3月24日には、司法委員会の共和党のトップであるアーリーン・スペクター上院議員(ペンシルバニア、共和)とともに、刑法システムについて研究するための委員会を発足させる 法案 を提出した。この委員会は18か月の期間をかけて現状のシステムを見直し、新たな法律の制定を勧告することになっている。
ウエッブ議員は、ハッフィングポストのインタビューに応えて、あらゆることについて検討すると述べている。「すべてをテーブルの上に出して、特にわが国のドラッグ政策について勧告することを考えています。そのために、信頼の厚い人や専門家たちの意見に耳を傾けることにしています。」
カナビスも検討課題
カナビスを合法化して課税・規制管理することについてはどうですか?
と尋ねると、ウエッブ議員は一呼吸置いてから、「この問題については、ドラッグ政策のあらゆる面から注意深く検証する必要があると思っています。これまでにも突っ込んだ公聴会を何度か行っていますが、さらに多くの意見を聞くつもりです」 と答えている。
ということは、テーブルにのせるということでしょうか?
ウエッブ議員は悪戯っぽくにが笑いしながら、「政府は、40年近く前の1972年のシャーファー委員会を最後にカナビスの政策については研究していないのです。この時の委員会はカナビスの非犯罪化を勧告していますが、ニクソン大統領は実行しなかったのです」 と指摘している。
多くの支持
ウエッブ議員によると、この委員会では広い範囲の課題を扱うことになっており、「刑務所の問題だけではなく刑事裁判システム全体を視野に入れて広範な政策の優先順位を示したい」 としている。
この法案については、司法委員会のパット・レーヒー委員長(バーモント、民主)の他にもディック・ダービン民主党院内幹事(イリノイ)、犯罪とドラッグ小委員会の議長で共和党幹部のリンゼイ・グラハム上院議員(サウスカロライナ)なども支持を表明している。共同提案者にも民主党の院内総務を務めるハリー・リード(ネバダ)、ダービン、チャールス・シュメール(ニューヨーク)、テッド・ケネディ(マサチューセッツ)の4人の上院議員が名を連ねている。
また、ベトナム戦争での功績を讃えられて叙勲し、レーガン政権では海軍長官も務めたことのあるウエッブ議員は、民主党議員では誰よりも軍関係者からの信任が厚い。
知られていない現実
ウエッブ議員は、劇的に刑務所人口が増えている今こそ 「この問題を考えるよいチャンスなのです」 と言う。法案の趣旨説明にあたっては、「多くのアメリカ人が気付いているとは思えない現実」 をパネルを使って分析することから始めている。
「アメリカの人口は世界の5%ですが、刑務所の人口は世界の25%を占めているのです… 1980年以降、投獄者数は指数関数的に増加しています… その大半は暴力をともわないドラッグ事犯が増えたことに起因しています」 とウエッブ議員は説明する。
刑務所人口増加の原因
もうすぐに出版される予定になっている拙著 『This Is Your Country On Drugs: The Secret History of Getting High in America』 の中でも取り上げているが、刑務所人口が増加したのは、共和、民主の両党のそれぞれが推し進めた政策に起因している。
例えば80年代を通して、ドラッグ事犯に対する刑務所判決が増加し、とりわけクラック・コカインが厳しく扱われるようになったが、それに積極的に取り組んだのは民主党の連邦や全国の州議会議員たちだった。
強制下限刑とスリー・ストライク法
1986年になると連邦議会によって、普通の粉コカインとクラック・コカインに強制下限刑が設けられた。この刑が適用されるのは、粉コカインの場合は500グラム以上だったが、クラック・コカインの場合は5グラムだった。これは、黒人が使っている大半がクラック・コカインだったことも背景になっている。
さらに2年後には法律が拡張され、ディーラーだけではなく、彼らに関係するガールフレンドやルームメイトなども対象にされるようになった。
1991年には、およそ20キロのコカイン所持で捕まったミシガン州のアレン・ハーメリン被告が終身刑は残忍で普通ではないと訴えたが、最高裁は、残忍でも異常でもないとしてそのどちらの言い分も退けている。
また、1994年には、カリフォルニアでスリー・ストライク法が制定され、重罪を3回犯せば最低25年の懲役刑が科せられるようにもなった。連邦はさらにそれを強化して、重罪3回で仮出所なしの終身刑の量刑を引き上げている。1995年までにスリー・ストライク法を持つようになった州は23州を越えている。
刑務所人口と刑期の急増
ドラッグ事犯による刑務所人口は1984年には3万人余り、1991年までには15万人以上へと急激に増加している。
また、司法省の刑務所人口の調査によると、1986年から1997年の間に連邦刑務所の平均収監期間が劇的に伸びていることも示されている。
1986年の平均収監期間21カ月だったが、1997年には47カ月になっている。最も増えたのは武器の違法所持犯の23カ月から75カ月で、ドラッグ事犯は30カ月から66カ月に増加している。
もっとも、すべての犯罪について同じように刑期が増えたわけでもなく、銀行強盗は1986年には74カ月だったが、10年後には83カ月にしかなっていない。
矛盾する犯罪率の減少と投獄率の増加
アメリカでは、犯罪率が減少しているにもかかわらず投獄率が増加しているという矛盾が見られるが、それは、スリーストライク法と刑期な引き伸ばされたことに理由がある。
つまり、犯罪を犯す人は少なくなって逮捕される人も少なくなっているが、刑期が長くなったことで毎年刑務所人口が増える結果になっている。
現在では、アメリカ人の100人に一人以上が刑務所に入れられている。20才から34才までの黒人の場合はさらに多く、9人に一人になっている。
これらの人たちをすべて収監し続けたとすれば、2007年に全国の州は合計で440億ドルを費やしたことになる。
「われわれができることは2つしかない」
「私は、ギャングとその国際化の問題に強い関心を抱いています。もちろん全部とは言いませんが、大半はドラッグに関連しています。したがって、全体では途方もなく巨大な問題なのです」 とウエッブ議員は言う。
パネルの説明によると、アメリカには外国とつながりを持つギャングが100万人もおり、一部の地域では犯罪の80%は彼らが引き起こしている。また、違法ドラッグ取引では主要な役割を演じており、国境をまたいだ犯罪活動を行っている。
「…こうした現実を踏まえてわれわれができることは2つしかないのです。アメリカは、地上で最も邪悪なギャングたちの温床になり続けていくのか、あるいは、現在の刑事裁判システムの問題点を見直して何かを劇的に変えかのどちらかです。」
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