From Hempire Cafe
医療カナビスの意識ギャップが解消
ニューヨーク州民と連邦議員の溝
Source: Niagara Gazette
Pub date: 2 June 2006
Subj: Vanishing medical marijuana gap
Web: http://www.thehempire.com/index.php/ cannabis/news/vanishing_medical_marijuana_gap
Author: Ronald Fraser
世の中の問題に関して、普通の人たちの意識と議会選挙で選ばれた代表の得票数の間に大きなギャップがあれば、何かがうまく機能していないことになる。医療目的でのカナビス使用の問題をめぐる全国の議論もそのひとつで、一般大衆と議会の代表は別の世界に生きているように見える。しかしながら、ニューヨークではそうしたギャップもなくなってきている。
繰り返し行われている世論調査では、大多数の人が、カナビスを医療目的で使用するかどうかは政治家ではなく医者が判断すべきだと答えている。現状では、たとえ州の法律では合法になっていても、連邦法は医者が痛みの緩和などでカナビスを処方することを禁じている。しかし、過去のいつの時代もそうだったわけでもない。
最近発表されたアメリカ議会調査部の報告書によれば、「アメリカの歴史の大半では、連邦法でもそれぞれの地域の法律でもカナビスの栽培や使用は合法だった」 と書いている。「1850年から1940年代初頭までは、カナビスは医薬品と認められて薬局方にも掲載されていた。しかし、痛みの治療薬としてアスピリンやモルヒネなどのアヘン系の薬品が開発されるにともなって、カナビスの出番はなくなってきた」
世論調査
1999年に実施されたギャラップの世論調査では、「もし、今年の選挙で候補者投票だけではなく、焦点になっている問題にも投票できることになっているとしたら、医師が痛みなどの軽減にカナビスを合法的に処方することに関して、あなたは賛成しますかそれとも反対しますか?」 と質問を投げかけた。これに対しては73%のアメリカ人が、そうした状況下でカナビスを使うことを合法と考えるほうに投票すると答えている。
2003年と2005年のギャラップ調査では、「医師が痛みなどの軽減にカナビスを合法的に使えるようにすることに、賛成しますか、それとも反対しますか?」 と問いかけ、2003年で75%、2005年で78%の人が、カナビスを病状緩和に処方するかどうかを決める権利を医師に与えることに賛成している。
連邦議会とのギャップ
明らかに、連邦議会の議員たちはこうした世論調査の結果を見ていないか、そもそも州法に関心を持っていない。現在ではすでに、アラスカ、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、メイン、モンタナ、ネバダ、オレゴン、ロードアイランド、バーモント、ワシントンの各州で、痛みの治療にカナビスを使うかどうか決定する権利を医師に委ねている。
2005年5月4日に開かれた連邦下院で、マサチューセッツ選出のバーニー・フランク民主党議員は、「さまざまな州の法律を考慮して、カナビスの医療使用を規定し」、「医療目的のために、医師の処方や忠告に従ってカナビスを入手し使っている個人」 に対して連邦政府が介入して止めさせることを禁止する、とした2087号下院法案を提案している。法案は、5月13日にエネルギー・通商委員会に持ち込まれたが、現在も立往生したままになっている。
カナビスの医療使用を管理することを求めるような法案では下院を通過する見込みがないので、議会にかけることのできる歳入法案に医療カナビス修正事項を追加するという戦略も採られている。2005年6月15日には、ニューヨーク選出のマウライス・ヒンチィー民主党議員が2862号法案に対する修正条項案272号を提出している。修正案では、医療カナビスの使用を認めた州法の執行を連邦当局が阻止するための歳費の支出を禁じると規定しているが、264対161で否決された。
こうした状況を言い替えれば、アメリカ人の78%は、医者(または州)が決定を行うことに賛成しているが、議会ではこの政策のもとになる法に賛成している議員は38%しかいない。つまり、国全体で見れば、アメリカ国民が望んでいることと聞く耳を持たない議員たちが行っていることの間には40%という途方もない医療カナビス・ギャップが存在していることになる。
ニューヨーク州でのギャップ解消
先の修正272号法案の採決では、ニューヨーク選出の議員の29人中20人(68%)が賛成しており、一般人と政策決定者との間にあったギャップが解消していることを示している。
しかし全国的にはギャップは大きく開いたままで、サウスカロライナ、カンサス、テネシー、ケンタッキー、ミシシッピー、ネブラスカ、オクラホマの議員は全員が反対票を投じている。
アメリカ民主主義では、政策決定者が通常の市民の常識的な分別にすばやく反応することを求めている。だが、ニューヨークでも他の州でも一部の議員たちは、州法が存在しているという事実と、大多数のアメリカ人が患者の病にカナビスを使うかどうかは政治家ではなく医者に決めてもらいたいと望んでいるという状況を前にして途方に暮れている。
もし議員たちが自分から耳を傾けようと思わなければ,今度の11月の選挙で有権者たちはもっと話の通じる別の人に投票するようになるだろう。
ロナルド・フレイザーPh.D.: ワシントンをベースにする市民の自由を守る組織、DKTリバティ・プロジェクトで社会政策問題についての論評を担当している。連絡先メールは www.fraser@erols.com まで。
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アメリカでは、医療カナビスに関する世論調査は全国および州ベースで頻繁に実施されているが、その結果の一覧は Medical Marijuana ProCon.org のサイトで見ることができる。最近の調査では、どれも有権者のおよそ70%が医療カナビスの使用に賛成している。
80 Polls & State Initiatives on Medical Marijuana
昨年の夏、米連邦最高裁で 医療カナビス患者の権利を訴えた裁判が却下 された直後に、ロードアイランド州議会は医療カナビス法を可決した。この時は州知事が拒否権を行使して成立をはばまれたが、今年のはじめに再び議会の3分の2以上の賛成を得て拒否権を覆し、ロードアイランドはアメリカで医療カナビス法を持つ11番目の州になった。医療カナビスの新たなうねりを象徴するような出来事だった。
保守州でも医療カナビス支持、カソリック保守地盤のロードアイランド州
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