オークステルダム・ユニバーシティ開校

カナビス起業家養成のための専門学校


Source: Associated Press
Pub date: 25 Feb 2008
Subj: Oakland school turns out pot club pros
Author: LISA LEFF
http://ap.google.com/article/
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教育用のカナビスが5本。学生には充血した目をしている人もいない。これまでとは全く違った職業専門学校が開校した。

カリフォルニア州オークランドにあるオークステルダム・ユニバーシティでは、カリフォルニアで盛んになりつつある医療カナビス産業で仕事をしようとしている人たちに高度な教育を提供している。

200ドルの授業料を払い2冊の教科書を別途購入した学生たちは、カナビスの栽培法や調理法、さらに、どの品種がどの病気に適しているかといったことや、連邦政府の目からは法に違反しているとみられているこのビジネスの法的な問題についても講義を受ける。

この学校を設立したのは、医療カナビス・ディスペンサリーのオーナーで活動家としても知られるリチャード・リー氏(45)で、「このアイディアの基本は、カナビス産業をプロの産業に育てて、ビールやウイスキーを扱っているようなきちんとした産業にすることなのです」 と言う。学校は、昨年の秋にオークランドのダウンタウンの商業地区に開校した。

2日間の週末基本コースを終了した学生は今までに60人で、予約は5月まで満杯になっている。クラスが終了すると学生には自宅で行うテストが渡され、最も成績の良い人には 「トップ・スコア」 で卒業したことを示す卒業証書が授与される。

学校の目玉になっている園芸実習101の前には、法律や政治についての講義が行われる。授業では、栽培や起業を計画している人たちや政治アクティビストたち20人が、2つの法律の講義と特別招聘された教授による歴史の講義を受けていた。

実習室では、リー講師が、容器に入れる肥料の分量の決め方や専用の照明器具・送風機・エアフィルターなどの設置方法の常識について説明していた。学生たちはここで教わった知識をもとに、楽しみや健康や公共サービス、あるいは利益を求めて自宅でカナビスを栽培することができるようになる。

学生たちは植物の収穫方法やバッズをきれいに整えるクリッピングについて説明を受けていた。どうしたらダメージを与えないで余分の葉をクリッピングできるか迷っていた女性は直接手ほどきを受けていた。また、リー講師は、土を使わない水耕栽培の利点をあげて、栄養成分調合済みの肥料を利用するのがベストだと思うと話していた。

外で栽培する場合の近所の人たちとの付き合い方については、リー講師は、子供を寄せ付けないための柵などは作らないほうが よいと警告していた。

参加した学生たちの理由はさまざまだ。単におもしろそうだからという人たちもいるが、自分でカナビスを栽培する方法を知りたくて来ている人が多いようで、質問の様子から判断すると、さらに上級レベルのクラスの卒業を目指している人は数人しかいないように見えた。上級クラスでは、ディスペンサリーの立ち上げ方や運営の方法、高度な栽培法、法的な対処法などより専門的な内容になっている。

ジェフ・サンダースさん(52)は、2003年以来ずっと医療カナビスを買っていたが、そのためにわざわざサンフランシスコまで行くのも大変で費用もかさむために、地元のサン・ジョーキン・バレーにディスペンサリーをオープンしたいのだと言う。「そうすればコミュニティに恩返しすることにもなるし、とてもよいことだと思っています。」

パトリック・オションネッシーさん(37)は、以前はカナビスをたまに使う程度だったが、1年ほど前から慢性の偏頭痛と鬱や不安を治療するために毎日使うようになった。しかし、ディスペンサリーではしばしば自分の症状に合う品種が品切れで手に入らないこともあり、今回授業を受けてみて自分で栽培したほうがよいとますます確信するようになったと言う。

「オークステルダム」 という名前は一種の愛称で、カリフォルニアでは最も早くから医療カナビス・ディスペンサリーが根付いたオークランドと、カナビスの使用が容認されているオランダのアムステルダムが合わさってそう呼ばれるようになった。

オークステルダムには、一時、15軒以上のクラブやコーヒーショップでカナビスを販売していたが、数年前に市がライセンスを発行して税金を徴収するようになってからは4軒だけが残っている。

カリフォルニアは、医師の推薦を受けた患者が医療カナビスを使うことが1996年に最初に合法化された州で、それ以来、10以上の州でも同じような州法が成立している。

特に、カリフォルニアでは患者数やディスペンサリー数が多いこともあって、連邦当局の強制捜査も繰り替えし行われてきた。だが、常に訴追の恐れが付きまとっているにもかかわらず、好みのカナビスを選んで購入できるディスペンサリーやクラブや協同組合は増え続けており、支持グループは、現在では300〜400軒に達しているとしている。

リー校長によれば、ディスペンサリーの新入り従業員の給料は最低賃金並みだが、バッズの説明ができて患者の相談にのれる 「バッズ・テンダー」 の場合は年収は5万ドルを越え、店長クラスでは10万ドルを下らないと言う。

しかし、この仕事にはある程度のリスクもついてまわる。当然、商売として財政的なリスクもあるが、法的なリスクは避けることができない。

連邦麻薬局(DEA)サンフランシスコ事務所の代理エージェントのマイケル・チャップマン氏は、当局側でもオークステルダム・ユニバーシティのことは承知しているが閉鎖する理由がないと話している。カナビスについて教えること自体は違法ではないし、たとえ少量のカナビスがあったとしても、DEAの仕事はもっと大きな違反行為を対象にしているので相手にならないと言う。

しかし、チャップマン氏は、カナビスの栽培方法を教えるような学校は好ましくないとも言う。「コミュニティに悪いメーッセージを送ることになって、犯罪行為を助長させるだけだからです。」

オークステルダム・ユニバーシティのホームページとカリキュラム:
Oaksterdam University     curriculum

授業では、クリス・コンラッド や ポール・アルメンターノ のテキスト、ジョルジュ・セルバンデスの栽培本 などが使われている。また、授業の様子はテレビでも紹介されている。
report from KTVU TV in Oakland on Oaksterdam University  (YouTube)

オークステルダムの地図 (この地図にはオークステルダム・ユニバーシティは載っていないが、オークステルダム・ギフトショップの向かい側にある)

2002年に行われたオランダのコーヒーショップ・カレッジについては、
コーヒーショップ・カレッジ
ダッチ・エクスペリエンス 第12章 新 high スクール コーヒーショップ・カレッジ