カナダの世論調査

成人の過半数がカナビス合法化に賛成

Source: Angus Reid Global Monitor: Polls & Research
Pub date: 13 May 2008
Canadian Majority Would Legalize Marijuana
http://www.angus-reid.com/polls/view/30688/
canadian_majority_would_legalize_marijuana/


アンガス・リード・ストラテジーズが実施した世論調査によると、カナダ成人の多くがカナビスの使用を法律で認めるべきだと考えていることが分かった。今回の調査では、カナビスの合法化に賛成している回答者は過半数を越えて53%だった。

これに対して、エクスタシー、コカイン、ヘロイン、クラック・コカイン、アンフェタミン(クリスタル・メス)の違法ドラッグについて合法化に賛成した人はいずれも10%以下だった。

2002年7月、カナダは医療目的でカナビスを使うことを合法・規制管理した世界で最初の国になった。また、2004年の連邦議会選挙では、完全合法化を掲げたカナダ・マリファナ党が投票総数の0.3%を獲得している。

2004年11月には、当時のポール・マーチン首相が率いる自由党政府が、少量のカナビス所持に対して 「今までと違う罰則のフレームワーク」 を求める法案を再提出している。過去にも論争を巻き起こしたこの法案では。15グラム以下のカナビス所持で捕まった人に対しては刑事罰をやめて罰金刑にする内容だったが、結局、下院議会では一度も投票までには至らなかった。

現在、政府はドラッグ乱用問題に対処するために、カナビス栽培者やディーラーに対して6か月最低下限刑と多額の罰金を科すことを計画しているが、今回の調査では71%が賛成している。

しかし、多発性硬化症患者で医療カナビス活動家のデビー・ストルツ・ジフィンさんは、この計画の裏には、「栽培の認められている認定医療カナビス患者から栽培許可を取り上げて、政府のカナビスを買うように強制する意図が隠されています。そのようなことになれば、多くの患者が危険な状態に置かれることになります」 として、計画を取り下げるべきだと訴えている。


世論調査結果

  • 以下のドラッグについて合法化することに賛成ですか反対ですか? (数字は賛成%)       
      2008年5月 2007年10月 2007年6月
    カナビス 53% 51% 55%
    エクスタシー 9% 9% 8%
    コカイン 9% 8% 8%
    ヘロイン 8% 9% 9%
    クラック 8% 7% 7%
    アンフェタミン 7% 7% 7%

    (この世論調査は、カナダの成人1004人を対象に電話インタビューで行われた。調査期間は2008年5月8日〜9日。エラー・マージンは3.1%。)

    今回の世論調査全結果 (PDF)

    アメリカ、民主党支持者よりも高い共和党支持者のカナビス経験率  (2007.11.26)
    カナダの世論調査、55%がカナビス合法化を支持  (2007.6.28)
    EU世論調査、26%がカナビス個人使用合法化に賛成  (2006.12.23)

    バンクーバーの新聞記事  によると、カナダ政府が提案しているドラッグ事犯に対する最低下限刑は次のようになっている。
    • カナビスを販売目的で1本以上栽培した者には懲役6か月の最低下限刑。
    • 組織犯罪(3人以上)、または武器の所持や暴力をともなう悪質なドラッグ・ディーラーには懲役1年の最低下限刑。
    • コカイン、ヘロイン、アンフェタミンを若者に販売、または学校周辺で販売したドラッグ・ディーラーには懲役2年の最低下限刑。
    • 最低500本以上の多量のカナビスを栽培した者には懲役2年の最低下限刑。
    なお、特定の条件にあてはまる違反者に対しては、裁判官が強制懲役刑を免除して完全なドラッグ治療プログラムへの強制を適応することができるようにもなっている。