コロラドSAFER

空港にカナビス・ラウンジの設置を提案


メイソン・ツーバットSAFER代表

Source: Rocky Mountain News
Pub date: 25 June 2008
Tvert pushes pot smoking at DIA
Author: James B. Meadow
http://www.saferchoice.org/content/view/702/38/


「アテンション・プリーズ、 座席ベルト着用のサインが消えましたので、これからはご自由にフロートしていただけます…」  今はダメかもしれないが、いずれこうアナウンスされる日が来るかもしれない。

2005年にデンバー市にカナビスの合法化住民条例をもたらしたことで知られるSAFERのメイソン・ツーバット代表は、国内の空港にカナビス喫煙ラウンジを設けるように呼びかけている。その理由は、カナビスを自由に使えるようにするという基本的なミッションに加えて、飛行機旅行をもっと安全なものにしたいからだと言う。

デンバーでは先週、飛行中に泥酔してタバコを吸ってフライトアテンダントに暴力を振るったとして訴えられた乗客の裁判が開かれたが、彼は火曜日に開かれたプレス・カンファレンスでそれに触れながら、「最近は、機内でのアルコール関連の暴力が増える傾向にある」 と話している。

騒ぎを起こした乗客はニューヨークに住む35才の女性で、先週デンバーへの飛行中に、タバコを吸って、止めるように注意したフライトアテンダントに人種差別的な暴言を吐き、駆けつけた男性アテンダントの顔を殴ったとして業務妨害罪で訴えられていた。裁判所に姿を見せた被告は、フライトアテンダントに多量のウォッカを勧められて過度に酔ってしまったので、タバコを吸ったことや殴ったことは覚えていないと釈明した。

ツーバット代表は、彼女がアルコールではなくカナビスを吸っていたならばそのような感情の爆発は起こらなかっただろうと言う。

「アルコールが暴力や攻撃的振る舞いを引き起こしやすいことは、多くの研究で科学的に示されています。現在は飛行中のタバコの喫煙が完全に禁止されたこともあって、そのストレスでフライト中はアルコールに向かう人も増えているばかりではなく、搭乗前から搭乗中も乗客にずっとアルコールを飲み続けることを許して暴力を誘発する結果になっています。」

「その点では、カナビスは、そのような暴力的な行動を誘発することはあまりありません。これは、安全な飛行のために、搭乗前にカナビスを使うという安全な選択を乗客に与えるべきだというごく単純な話しなのです。」

だが、連邦法ではカナビスは厳格に禁止されたままなので、たとえデンバー国際空港がカナビスの許されたデンバー市にあるとしても、乗客が搭乗前にハイになれる可能性はほとんどない。

デンバー空港のジェッフ・グリーン広報官は、「この空港にカナビス・ラウンジを設けるという計画は全くあり得ません。このことには、われわれは何の関心も抱いていません」 と話している。

ツーバット代表は、空港でのカナビス使用については多くの人たちが懐疑的なのは分かるとしながらも、「この提案は非常に重大なことなのです」 と言う。

「デンバー空港の人たちは今は笑っていますが、機内で喧嘩が起こって、それが重大な事故に発展したとしても笑って済ませるつもりなのでしょうか? ほとんどの公共空間では喫煙が禁じられているにもかかわらず、空港にはタバコの喫煙ラウンジがあるのです。カナビスのラウンジがあってもいいはずです。」

これに対してグリーン広報官は、「先ほどもチェックしたのですが、タバコは非合法ではありませんから、同等に扱えるかは懐疑的で考えるだけ無駄です」 と指摘し、カナビス・ラウンジを設けることにメリットがあるなどという話はこれまで聞いたことがないと言う。

「逆に問題があるかと聞かれれば、カナビスでは食欲が刺激されてマンチーになることが問題といえば問題なのでないでしょうか。多くの乗客が搭乗前にカナビスを吸うようになれば、飛行中にマンチーになってしまいます。これでは、荷物の変わりにスナックに料金をいただかまければならなくなってしまいます。」

飛行機会社は利益が増えて、乗客は荷物がタダになる…? カナビス・ラウンジを設けるというアイディアは、双方にとってジョイント・メリットになりそうにも聞こえるが……

SAFERは、コロラド州デンバーに本拠を置くカナビス合法化運動団体で、2005年には、21才以上の市民の1オンス以下のカナビス所持に対する民事および刑事罰を削除を求めた住民発議を提案して、賛成多数で成立させている。アメリカではカナビスを合法化した最初で唯一の都市になっている。

しかし、州法や連邦法ではカナビスは違法のままで実質的には合法化は機能していない。SAFERでは、2006年にコロラド州でカナビスを合法化する住民条例にも挑んだが、41%対59%で退けられた。

だが、2007年には、デンバー市で成人のカナビス・ユーザーの捜査・召喚・逮捕などの法執行活動の優先順位を最も低くするよう求めた非優先化条例を成立させている。

アルコールかカナビスか、大人の選択を認めるべき時  (2006.10.1)
カナビス合法化条例案、コロラド州有権者の40%以上を獲得   (2006.11.8)

デンバー市、住民投票でカナビス非優先化条例案が通過  (2007.11.8)