イギリス内務大臣

カナビス「スリーストライク法」を計画


Source: The Times
Pub date: October 14, 2008
UK: ’Three Strikes and Out" Penalty for Cannabis Users Falls Apart
Author: Richard Ford, Home Correspondent
http://www.encod.org/info/Three-strikes-and-out-penalty-for.html


昨日イギリス内務省から発表された最新の声明によると、カナビス所持に対する罰則の強化が計画されていることが分かった。

ジャッキー・スミス内務大臣は、来年の1月からカナビスの区分をB分類にアップグレードした後で、繰り返しカナビスで逮捕される成人に対しては段階的に大きな制裁を科すように法律を整える方針を示した。

いわゆる「スリーストライク法」で、カナビスの所持で見つかった場合、最初は警察の警告で始まり、2度目は80ポンドの罰金、3度目で逮捕されることになる。

しかしながら、この計画は早速暗証に乗り上げている。内務省でも認めているように、最初の警告は全国的な警察のコンピュータに登録されるようにはなっていないので、特に居住地域以外の警察がカナビスを持っている人を見つけたとしても、それが初めてなのか、2度目なのかを確認することは難しいという問題がある。

カナビスは、2004年に当時のデビッド・ブランケット内務大臣によってC分類にダウングレードされたが、現政権のゴードン・ブラウン首相は、政府自らのドラッグ乱用問題諮問委員会(ACMD)のC分類に据え置くべきだという勧告を無視してB分類に戻すことを明確にしている。

昨年、ブラウン政権発足とともに内務相になったジャッキー・スミス大臣も大学時代にカナビスを吸ったことを認めたが、「将来の世代を守る必要がある」 と弁明していた。

警察長協会(Association of Chief Police Officers)のドラッグ担当トップを務めるハンバーサイド州のティム・ホリス警察署長は、ドラッグ・ユーザーにはより厳しい対応でのぞむことを約束している。

一方、トランスフォーム・ドラッグ政策ファンデーションのダニー・クーシャリック氏は、今回の動きは「大衆受けを狙っただけのものです。カナビス所持の罰則をエスカレートさせることは、カナビス以外には法をよく遵守している何百万人もの人々を犯罪人として蔑むようになるだけです」 と語っている。

今回の内務省の声明: Next steps for tougher action on cannabis

この声明の脚注によると、「3度目で逮捕されると、その時点で次の処置が決定されるが、それには、罰則なしの釈放、警告書の発行、条件付き警告書の発行、起訴が含まれる」 となっており、結局、最終的には誰が何をどう決めるのかよく分からない。「スリーストライク法」といっても実質的にはほとんど意味を持っていないようにも感じられる。

イギリス、カナビスの効力はダウングレード以降25%下がっている  (2008.9.4)

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