連邦麻薬取締局(DEA)

研究用カナビスの民間での栽培を拒否

Source: Boston Globe
Pub date: 12 Jan 2009
DEA Rejects UMass Request To Grow Med Marijuana
Author: Bina Venkataraman, Globe Correspondent
http://www.boston.com/news/health/blog/2009/01/dea_rejects_uma.html


アメリカ連邦麻薬取締局(DEA)は、医療研究のためにカナビスを栽培する権限を民間にも認めるように求めていたマサチュセッツ大学アマースト校の研究者たちの要請の受け入れを拒否した。

この訴えは、医療植物の専門家で園芸学のライル・クラカー教授が医療研究に使うカナビスの栽培の認可を求めて起こしていたもので、およそ2年前には 連邦の行政法判事もその妥当性を認める判決 を下していた。

今回のDEAの決定は、公聴会の対象にはなっていないこともあって、単に、現在の政府による研究用カナビスの供給が 「適切で、途切れることもないために」、民間による第2の栽培場を認めることは公共の利益にそぐわないとだけ述べている。

政府の研究用カナビスの独占的な供給は1968年に始まったもので、ミシシッピー大学薬学部にのみ栽培を認めている。これまでに栽培されてきたカナビスの品種はおよそ100種類になる。

この栽培場から供給されたカナビスは全国各地で、緑内障や痛み、吐き気などの疾患の臨床研究で使われているが、カナビスを入手できる研究者は限定されており、政府の研究許可が必要になっている。

しかしながら、供給を受けるためには、国立ドラッグ乱用研究所(NIDA)と契約した研究施設であることや、さらに手続に数ヶ月もかけて食品医薬品局(FDA)やDEAから研究の許可証を取得する必要があるために、一部の研究者からは、研究をやらせないようにする意図があると強い不満も出ている。

カナビスと同様にヘロインやエクスタシーのようなドラッグもDEAの規制薬物第1類に分類されているが、研究にあたってはカナビスのような追加的な認可の取得は求められてはいない。

サンフランシスコ近郊のベルモントに本拠を置くサイケデリックス多分野研究連盟(MAPS)のリック・ドブリン代表は、クラカー教授のカナビス栽培に基金を提供したいとして、裁判のスポンサーにもなり、2007年には、DEAの行政法判事から、ミシシッピーの栽培場が「独占」にあたるとする判決を得ていた。

今回のDEAの決定はそれを無視した結果になったが、ドブリン代表は、現在、新たな訴訟を起こすか、オバマ新政権が決定を覆すように要請するかを検討していると言う。「われわれは決して諦めません。」

2001年からDEAに許可するように働きかけてきたクラカー教授は、「病気の治療にカナビスを利用しようという機運が急速に高まっている」 のに、当局が医療カナビスの研究を制限したいと考えていることに落胆していると語っている。

DEAのガリソン・コートニー報道官は、決定書に書かれている以上のコメントはないと述べている。