メキシコ議会で
カナビス合法化フォーラム
Source: AP
Pub date: April 15, 2009
Mexican Congress debates legalizing marijuana
Aythor: Eduardo Castillo
http://stash.norml.org/mexican-congress-debates-legalizing-marijuana/
メキシコ議会では、個人使用目的のカナビスの合法化について話し合うフォーラム(討論会)が月曜日から3日間にわたって開催された。この討論会は、ラテンアメリカの3人の元大統領が、これまでのドラッグ政策ではカルテル掃討の成果が上がらないとして、カナビスの合法化を提唱したことを受けて行われた。
現在のフィリペ・カルデロン大統領は合法化には反対しているが、こうした前代未聞の討論会が開かれることは、ドラッグ取引をめぐる残忍な暴力が吹き荒れる真っ只中で、カナビスの合法化への支持が強まっていることを示している。
このフォーラムは、ドラッグ戦争について話し合うために最終日の翌日にアメリカのオバマ大統領がメキシコを訪れることになっている微妙なタイミングで行われた。討論には、国会議員だけではなく学術関係者や専門家、行政関係者などもオープンに加わった。
この2月にはブラジルでドラッグと民主主義に関するラテン・アメリカ委員会の会合が開かれ、メキシコのセディージョ、コロンビアのガビリア、ブラジルのカルドーゾの3人の元大統領が、カルテルの主要な収入源になっているドラッグ取引を合法化して弱体化させるようにラテンアメリカ諸国に呼びかけ、賛成派を勢いづかせた。
反対派のハビアー・ゴンザレス議員も、メキシコではこのようなテーマの討論会はこれまでタブーだったが、自分の所属する民主革命党は個人のカナビス使用の合法化を支持していると語り、「何よりも、カナビスを所持したり吸ったりしたことで若者を犯罪者にしたくないのです」 と説明している。
一方、カルデロン大統領(任期は2012年まで)は、所持の合法化や非犯罪化は時期早尚だとして、まずユーザーを投獄するのではなく治療を提供する政策を提案している。
また、カルデロン大統領が就任する直前の2006年には、少量のカナビス所持に対する懲役刑を廃止する法案が議会を通過したが、当時のフォックス大統領はアメリカの反対で拒否権を行使して取り下げている。
内務省当局のブランカ・エレディア氏は、「全面的な禁止政策ではすべては解決できないことは明らかですが、だからと言って、カナビスを完全に合法化することが万能薬になると思うのも幻想に過ぎません。メキシコではドラッグ使用が増加していることにも政治家たちは留意する必要があります」 と言う。
エレディア氏によれば、ドラッグの使用者は2002年には350万人だったものが2008年には450万人に増えて、中毒者の数も30万7000人から46万5000人になっていると推計されている。
メキシコのドラッグをめぐる暴力は、2006年にカルデロン大統領が武装した密売カルテルに対抗して軍隊を投入したことで未曾有のレベルまで急上昇した。それ以来、主に敵対するギャング同士の抗争で1万560人以上が殺害されている。
今回のフォーラムでは特定の提案が議論されたわけでもなく、また具体的な行動を起こすことを目指したものでのなかったが、政治家たちは、カナビス合法化の議案を検討する前にさまざまな意見を聞いておきたいとして開催された。
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メキシコ大統領、カナビスの個人使用限度量の法制化に拒否権を行使 (2006.5.4)
ドラッグの合法化が暴力を終わらせる メキシコ国境の際限のない暴力と腐敗 (2006.7.28)
アメリカ駐在のアートゥロ・サルカーン・メキシコ大使も、日曜日(12日)のCBSの番組で、カナビスを合法化すればドラッグ関連の暴力が緩和されると思うとして、「国境を隔てた2国間にかかわるこの問題については真剣に議論する必要があります。われわれは本音で語り合わねばならないのです」 と 真剣そのものの表情で語っている。