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質問と対話 > 大麻有害論に問う > 国立精神・神経センター和田清氏への質問
国立精神・神経センター薬物依存研究部長 和田先生への質問メール

6月5日(金)に放送されたNHKの「大麻の怖さ知っていますか?」では、薬物依存症からの回復に取り組む民間団体ダルクの入所者2名と、ラットの実験、国立精神・神経センターの薬物依存研究部長へのインタビューで構成されていた。

そのうち、ダルクには既に電話で取材し、施設長と番組に出ていたスタッフ兼入所者の方に話を聞いた。ラットの実験についてはカナビス・スタディハウスの記事を転載した通りであり、THCスタッフのDr.フロッガーの原稿を掲載した通り。残るは国立精神・神経センターの薬物依存研究部長である和田先生のコメントについてだが、疑問点を3点に絞り、昨日メールで質問をお送りした。電話での取材を試みたが、和田先生は大変にご多忙な方なので、秘書の方によるとメールでの問い合わせにしてほしいとこと。お送りしたメールは秘書の方から和田先生に転送して頂いた。ご回答頂けることを期待したい。




国立精神・神経センター
薬物依存研究部長 和田清様

前略失礼いたします。
秘書の方に電話で問い合わせをした、大麻取締法変革センターの白坂と申します。

私たちは、少量の大麻所持を刑事罰で取り締まり、逮捕された者の学籍や仕事を奪ってしまうような制裁のあり方を再考するよう求めて活動しています。決して薬物の乱用を肯定するものではありません。むしろ、マスコミや行政などが、医学的な根拠のない誤った薬物情報、あるいは有害性を誇張した情報を国民に流布することで、却って若者たちの信頼や信用を失い、薬物問題に混乱をもたらすのではないかと危惧しています。

6月5日にNHKで放送された「大麻の怖さ知っていますか?」という番組で、和田先生がコメントされているのを拝見し、疑問に感じた点があり、ご教示頂きたく、お願い申し上げる次第です。

番組中の和田先生のコメントと、それに対する質問を述べさせて頂きますので、お教え頂けないでしょうか。

質問1
『ネズミに出る作用を人間で言いますと、非常に感情が不安定で、普段のその人には考えられないような行動を起こしうるということだと思います。時には得体の知れない恐怖心に襲われてですね、パニック状態になってしまう。そういうこともあり得るわけです。』

先生が指摘されている「パニック状態」とは、先生のご著書「依存性薬物と乱用・依存・中毒」に記されている、いわゆるバッドトリップと呼ばれるものでしょうか?大麻の効果が消えた後も、ご指摘のような状態が持続するのでしょうか?

質問2
『大麻はタバコよりは害が少ないんだという方がいたり、あるいはそういう報道がされることがあるんですが、何をもってそういうことを言うのか、その根拠というものは、実は私たちから見ますといっさい分かりません。どこにもその根拠がありません。』

大麻はタバコより害が少ないという報告は、2006年にイギリス下院科学技術特別委員会でも示されておりますし、1999年の全米科学アカデミー医学研究所の報告でも、使用人口比における大麻の依存性(9%)は、タバコ(32%)やアルコール(15%)と比べても低いとあります。
このイギリスや米国の科学者たちによる報告は誤りでしょうか?

House of Commons Science and Technology Committee Fifth Report of Session
2005.06


MARIJUANA AND MEDICINE Assessing the Science Base INSTITUTE OF MEDICINE

質問3
『大麻というものは、確実に、使っているうちに、薬物依存という独特の状態をつくります。そういう状態になりますと、どんどんどんどん大麻を使う回数が増えまして、最終的にはある種の精神病とか、そういう病気まで引きおこします。ですから大麻というのは比較的安全だというのは、まったく、私たちから見ますと、なんの根拠もない話ということになります。』

大麻の使用が確実に薬物依存や精神病になるというエビデンスを示した論文がありましたら、教えて頂けないでしょうか。

以上3点につきまして、ご教示頂きたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
この質問のメールと、ご回答のメールは、参考資料として一般に供すべく、私たちのサイトで公開させて頂きたいと考えておりますので、併せてよろしくお願い致します。

2009年7月6日

-----------------------------!
大麻取締法変革センター
http://asayake.jp/
代表 白坂和彦
mail:thc@asayake.jp
住所・電話番号



和田先生からご回答を頂けたら、これまで検証した番組内容についての疑問を、NHKの番組制作者に問い合わせたい。

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