7月16日にNHKが報じたニュース『米 大麻合法化で税収増の試算』に誤りがあるので訂正するよう再度求めた件に、回答があった。7月30日に送信したメールへの回答だ。
送信者:NHK視聴者コールセンター送信専用
2009年8月5日 9:55
件名:Re: [お問い合わせ番号502556]Re: ニュースウォッチ9とネットの「国際」
白坂和彦 様
いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい大変申し訳ありません。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。
ご指摘いただきましたように、アメリカの連邦法は、大麻の所持や使用を禁じるものです。
ただ、カリフォルニア州など州によっては州法で医療用の使用を認めています。この結果、広くアメリカを論じる場合には、アメリカでは原則として医療用などの目的を除いて、所持することも使用することも禁じられている、とは言えても、連邦法がそのような原則であるとはいえず、原稿の表現は正確さを欠いており適切ではありませんでした。
お詫び申し上げるとともに、今後は適切かつ正確な表現に務めてまいります。
また、「医療用大麻を認めている州があることに触れてすらいない」というご指摘ですが、今回のニュースは、財政難の税務当局が、大麻の売買を州法で認めれば、およそ14億ドルの増収につながるという試算結果をまとめて公表し、議会に議論を促した、ということをお伝えするものです。
アメリカで大麻の所持・使用について賛否の議論とともに、この問題は現地の報道でも大きく取り上げられており、NHKとしても伝えるべきニュースと判断したもので、ご理解いただければと思います。
今回、ご指摘にありましたことを厳しくかつ重く受け止めて、今後は、より正確でわかりやすい放送に努めてまいります。引き続き、ご理解・ご支援を賜りますよう、どうぞお願い申し上げます。
お便りありがとうございました。
NHK報道局
NHK視聴者コールセンター
本メールアドレスは送信専用のため返信はできません。
お問い合わせは所定のメールフォームからお願いします。
http://www.nhk.or.jp/css/goiken/index.html
ニュースの元記事を見れば分かる通り、NHKは『大麻について、アメリカの連邦法は、医療用などの目的を除いて、所持することも使用することも原則として禁止しています。』と報じた。だがアメリカの連邦法は医療用大麻の所持や使用を認めておらず、州で合法化している場合にも連邦政府は介入・弾圧してきた。州で合法的に利用されている大麻について、連邦政府が介入しないとしたのは、オバマ政権になってからだ。NHKのニュースでは、それがあたかも連邦法が大麻の医療利用を認めているかのような表現になっている。事実はそうではなく、連邦法が大麻の医療利用すら認めていないから、問題が深刻化してきたのだ。
また、NHKの同記事には『その一方で、厳格な取り締まりは行われてこなかったのが実情で』とも書かれているが、米国は大麻弾圧の総本山のような国であり、毎年多数の国民が大麻所持や使用で逮捕投獄されており、人種差別的な執行のあり方が問題になっている。2007年にも大麻で逮捕された人は80万人を超えるそうで、いったいNHKは何を根拠に『厳格な取り締まりは行われてこなかった』などと報じているのか。
これまでNHKはまったく根拠のない大麻バッシング報道を行ってきたが、もしかすると、そのような報道に疑問を持つ報道スタッフが、アメリカの州レベルでは大麻合法化法案が提出されたり、取り締まりが厳格でないなどと、敢えてバランスを保つようなベクトルでニュースにしたのだろうか、と、訝しい思いに駆られる。しかし、ニュースにとって最も大切なのは、「事実」であることは言うまでもない(はずだ)。
カナビス・スタディハウスの記事参照
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