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海外情報 > NORML News
なぜもっと医療大麻の研究が行われないのか。なぜなら連邦政府が許可しないからだ。
NORML News : 投稿者 : THC編集部 投稿日時: 2010-02-10

なぜもっと医療大麻の研究が行われないのか。なぜなら連邦政府が許可しないからだ。
2010年1月27日 NORML副理事 ポール・アルメンターノ(Paul Armentano)

医療大麻の支持者と患者をこの数十年悩ませてきたものは、どうしょうもないジレンマだ。議員と衛生管理者は、医療大麻の安全性と効果に関する臨床研究を求めるのだが、そのような研究の担当である連邦政府機関は調査を行なうことを今まで拒んできた。

そして、今に至るまで連邦政府は研究に許可を与えない。

「医療分野における大麻の利用可能性に焦点を当てた研究に、政府の資金提供は行わない。」と先週、アメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA:National Institute On Drug Abuse)のスポークスマンはニューヨークタイムズの中で語った。

なぜ、NIDAによる承認がそこまで重要なのだろうか。ここに理由がある。

連邦法のもとでは、大麻に関する全ての臨床、前臨床研究は、NIDA (に加えてDEA<アメリカ連邦麻薬取締局>)に承認されなければならない。連邦政府は研究用大麻の供給源として、NIDAとの公式な契約を通じて、ミシシッピ大学で栽培、保管しているのだが、この唯一の供給源へのアクセスをNIDAが厳しくコントコールしているのである。

要するに、NIDAによる不認可 =大麻供給ゼロ=科学的研究ができない、ということだ。そして、このことがいつも問題となってきた。

しかし、NIDAにとってはなんら問題などないのである。

「研究者たちは大麻の医療用研究に落胆」という見出しが、2010年、1月19日のニューヨークタイムズにでた。NIDA のスポークスマンであるシェアリー・シムソン(Shirley Simson)は「アメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)としては、我々の研究は主として、大麻使用のによるネガティブな結果に焦点を当てたもので、大麻の医療的効果や使用可能性に焦点を当てた研究に資金を提供することは、通常行わない。」と語る。

現在、NIDAは規制薬物に関する世界の研究のうち、推定85%を監督しているのだが、行政機関による医療大麻研究の禁止はアメリカ合衆国に限られたものではなく、世界中で見られるものだ。
前回の、NIDAの官僚的な行き詰まりを打開するための合法的試みは、行政の鉄の支配を弱めることができなかった。

2007年、DEA行政法判事マリー・エレン・ビトナー(Mary Ellen Bittner)は、NIDAによる大麻研究の独占は「公共の利益」に適ったものではないとし、連邦政府に私的な製造業者が研究目的のために大麻を生産することを認めるよう命じた。しかし、去年の1月、 DEA副行政官ミシェル・レオンハート(Michele Leonhart)は、「NIDAは医療研究者のニーズを満たすのだけの十分な量の大麻を所有しているし、研究目的の大麻の流通を行政機関が独占することは米国の国際条約上の義務に基づいたものである。」と主張し、判事ビトナーの決定を無視した。(特筆すべきことに、2010年1月26日、バラク・オバマ大統領はレオンハートをDEAの正式な局長に選んだ。)

最近、2009年11月、米国医師会(AMA)の科学と公衆衛生評議会(CSAPH)は「短期間の臨床試験の結果は、特に骨格筋萎縮の患者おいて、大麻吸引が神経障害通を和らげ、食欲増進やカロリー摂取を改善することを示し、多発性硬化症の患者においては痙攣や痛みを取り除くことができるということを示している」と公表した。

しかしながら、評議会はこれらの前向きな予備結果にもかかわらず、「大麻喫煙に関わる臨床試験において30年以上にもわたって研究されてきた比較的少数の患者と、自己治療のため、かなりの大麻使用を必要とする慢性通、多発性硬化症、や筋萎縮性側索硬化症の患者からの調査データとの間に差異がある」と惜しんだ。

この「差異」の正確な理由とは、いったい何なのであろうか。AMAは詳細を述べることに失敗したのである。(この問題を見守ってきたものにとっては誰にでも)答えは非常に明らかである。

それにもかかわらず、AMAは引き続き「大麻の連邦政府による第1類規制薬物としての位置づけは臨床研究の実施やカンナビノイドを使った医薬品の開発を促進することを目標に見直すことを推進する」と決意したのだ。

しかし、いかなる臨床試験を行うにしても、依然として、NIDAの承認を必要とすることになる。行政機関の承認は、すぐにでも実現するというものではないだろう。どのように影響するかは不明である。もし影響があるとすれば、AMAの宣言は医療大麻の研究を促進するものになるだろう。過去を振り返って考えるなら、その背後にある数万人もの患者たちの嘆願にも似たAMAの要求は、NIDAになんの影響も与えそうもない。


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Source:NORML Blog
Why Isn’t There More Medical Marijuana Research? Because The Feds Won’t Allow It, That’s Why!
January 27th, 2010 By: Paul Armentano, NORML Deputy Director

翻訳 by ゴブリン
アメリカ薬物規正法のドラッグ分類は、乱用可能性の高さ・医療価値の有無・依存性の強さの三点を基準に分類されているようです。ですが、かなりの程度恣意的な感じも入っているようですね。薬物に関して語る際に興味深いのは、道徳的に非が語られる点です。科学的には安全な結果が出ても、その結果が、ドラッグがもたらす非道徳なイメージと乖離しておる場合、その溝を埋めるために無理やり、恣意的にでも、辻褄を合わせようとして、プロパガンダの声が大きくなっているような印象を受けます。所詮はプロパガンダなので、少しずつぼろがでてきてますけどね。

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