医療大麻の効果に関するカナダでの研究が、AFPBBに次のように掲載されている。
引用元:医療用大麻の効果を実証、神経障害痛を緩和 カナダ研究[AFPBB News]医療用大麻の効果を実証、神経障害痛を緩和 カナダ研究
【8月31日 AFP】大麻吸引は、慢性的な神経障害痛を和らげ、患者を睡眠に誘導してくれるとする研究結果が、30日のカナダの医学誌「カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル(Canadian Medical Association Journal、CMAJ)」に発表された。
カナダ・マギル大(McGill University)の研究チームは、有効な治療法がほとんどない外傷後または術後の神経障害痛に苦しむ21人の患者に、薬草の一種である大麻を1日3回、5日間吸引してもらった。大麻の主な有効成分であるテトラヒドロカンナビノールの含有率は9.4%、1回の吸引量は25ミリグラムとした。
その結果、痛みが弱まり、睡眠の質が高まり、気分が向上したことが明らかになった。
なお、テトラヒドロカンナビノールの含有率がこれよりも低い大麻では、痛みの軽減に関して顕著な効果は認められず、気分や生活の質の向上も見られなかった。
一方、程度こそ極めて低いものの、頭痛、ドライアイ、痛みのある部分のしゃく熱感、目まい、無感覚、せきといった副作用が一般的に認められた。(c)AFP
NORMLの翻訳記事として当サイトで先月紹介したように、カナダでは2008年にも医療大麻の安全性に関してメタ分析が行われ、医師会誌に次のように報告されている。
カナダ医師会誌(Canadian Medical Association Journal-CMAJ)で発表された2008年のメタ分析では、30年以上にわたる検査使用のなかで、大麻を原料とした薬品は事実上深刻な副作用とは結びつかなかったと報告している。
AFPBBの記事によると、THC含有率が9.4%以下のものは「痛みの軽減に関して顕著な効果は認められず、気分や生活の質の向上も見られなかった。」とのことだが、
これとは逆に、どの程度のTHC含有率で精神活性が生じるかという研究も1970年代にカナダの研究者によって行われている。その結果、0.3%以下では精神活性作用がないことが確認された。このTHC含有量「0.3%以下」という数字は、ドラッグとして意味のない産業用大麻の基準として用いられるようになった。だが、繊維を採取するための大麻はTHC含有量0.3%以下が適しているということでは全くなく、大麻を禁止しているが故に生じた基準に過ぎない。
・カナダ、産業用ヘンプを合法化 何故THCは0.3%以下に制限されたのか
カナダでは、医療大麻の使用を求める患者による訴訟より、裁判所の命令によって、2001年に世界に先駆けて医療大麻が合法化され、保健省が医療大麻プログラムを導入している。このプログラムによって販売される大麻は、政府の委託によって民間が生産しているが、政府の供給する医療大麻は患者たちに評判が悪く、代金が回収できないなどの問題になっている。
・カナダ政府の医療カナビス 高価・品質不評で不良債権の山
カナダにおける医療大麻の扱いに関する変遷は、カナビス・スタディハウスの以下のページに詳しい。
・カナダの医療カナビス年表
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