ゲートウェイ理論の誤りが”再び”暴かれた
マイク ミノ(Mike Meno) 2010年9月7日
何十年にもわたり大麻禁止論者は、大麻が必然的にヘロインやコカインなどのハードドラッグの使用につながる「ゲートウェイドラッグ」であると主張してきた。今までになされたゲートウェイ理論に関する全ての客観的研究において、全くのでたらめであると結論付けられてきたのにもかかわらずだ。
先週ニューハンプシャー大学の研究者が、ゲートウェイ理論の信憑性を失わせる研究結果をまた一つ発表した。フロリダ州の公立学校の生徒1200人以上から得られた調査データに基づく研究結果によると、個人がハードドラッグの使用に至る可能性は、大麻の使用経験の有無よりも、社会的および環境的要因と強い関連があった。
研究リーダーのニューハンプシャー大学社会学准教授カレン ヴァン ガンディ博士(Dr. Karen Van Gundy)は、「子供が大麻を吸わないようにすれば、後の薬物問題を防ぐことが出来るという考え方があるようだ。しかし、大麻喫煙者が他の非合法ドラッグの使用に至るかどうかは、ストレスに晒されたり失業したりといった社会的要因とより強い関連があり、8年生でジョイント(訳注:大麻タバコ)を吸ったかどうかはそれほど関連がない。」とCBSニュースに対して語った。
今回の調査結果は、同じテーマについて過去になされた他の全ての研究結果の事実上の繰り返しである。たとえば2008年には、ランド研究所(訳注:シンクタンク)が、「数多くの研究にもかかわらず、ゲートウェイ理論にはそれ自体を支持する証拠がほとんどない。」との結果を見出している。同様に連邦政府医学研究所も、ドラッグ政策を司る部署(訳注:ホワイトハウス全米麻薬撲滅対策室)から依頼された報告書の中で、「大麻が特有の生理学的作用に基づき (他のドラッグへの)踏み石としての役割を果たす証拠はない。」と断言している。
先週発表されたニュースによると、ニューハンプシャー大学の研究者たちは、彼らの研究結果を踏まえ、薬物政策立案当局に対し、現在の罰則の見直しを求めた。「青年期に職に就いているということは、大麻のゲートウェイを”閉じる”ことにより彼らを保護することになる。そのため、若者の大麻使用に対し過度の刑罰を課すことは、後の雇用機会を奪い、より深刻な問題引き起こすと考えられる。」とヴァン ガンディは述べている。(訳注:大麻使用自体よりも大麻使用に対する刑罰に起因する失業の方が、後の薬物問題につながる可能性が高いということ。)
言うまでもなく、今回の研究結果が大麻禁止論者の主張に大きな影響を与えるとは期待できない。それには大麻禁止論者が現実を認めなければならないわけだから。
しかし、今回の研究がロサンゼルスタイムズ、ビジネスウィーク、CBSニュースといった主要な報道機関によって報じられたことは勇気付けられることだ。これで次回、不正直な大麻禁止論者が、紙上で、あるいは放送中に、大麻がゲートウェイドラッグであると言おうとしたら、有能なレポーターやキャスターが、ゲートウェイ理論を支持する科学的証拠は無いと指摘することが出来るだろう。これは希望的観測かもしれないが・・・。
Source: MPP Blog
Researchers Debunk the Gateway Theory … Again
by Mike Meno
September 7, 2010
翻訳 by とら
★ ランキングとツイートにご協力ください ★
ツイート
- 癌治療に大麻が効果的であるという更なる証拠が示された (2011-05-11)
- 大麻吸引が慢性的な痛みを和らげることが研究で確認された (2010-10-04)
- ゲートウェイ理論の誤りが”再び”暴かれた (2010-09-22)
- ドイツで医療大麻承認の準備完了 (2010-09-21)
- Parody: Death by Marijuana Overdose (MPP-TV) (2010-08-11)
- 新たな調査結果:コロラドの有権者の49%がマリファナへの課税・規制を支持 (2010-05-21)
- オレゴン州知事候補:大麻に課税して規制するグッドアイディア「それはありえるかもしれない」 (2010-05-10)
- アスリート達が大麻法の不条理を浮き彫りに (2010-05-07)
- また別の世論調査でもカリフォルニアの住民は合法化に賛成との結果 (2010-05-06)
- 教員組合のトップが大麻の規制管理を支持 (2010-05-02)
- 大麻政策変革の躍進がUSA Todayの一面を飾った (2010-04-14)
- 保険会社が初めて全国の医療大麻を補償範囲に (2010-04-10)
- 「禁止政策」は十代の若者の大麻使用を減らすことが出来なかった (2010-04-06)
- ニューヨーク州が医療大麻法可決へ大きく前進 (2010-04-06)
- 黄金の州(カリフォルニア)での勝利 (2010-02-02)
- ニュージャージーが医療大麻法を通過させた14番目の州に (2010-02-02)
- ネバダ州では新たな発議によって2012年から大麻を課税管理するだろう (2010-01-29)
- コロラド州のスキーが盛んな町で大麻が犯罪ではなくなった (2010-01-18)
- 退役軍人は大麻がPTSDに最も効果的であると語る (2010-01-16)
- 大麻改革はカリフォルニアの有権者にゆだねられるだろう (2010-01-11)
- 連邦議会がワシントンD.C.の医療大麻法を解禁 (2010-01-07)
- ワシントンD.C.が医療大麻の新たな一歩 (2010-01-05)
- チェコ共和国が個人の大麻所持を非犯罪化 (2010-01-05)
- 新世論調査:大多数のアメリカ人が大麻解禁を支持 (2010-01-04)
- 研究:大麻はアルコールや処方薬の乱用を抑制する (2009-12-23)
- 大麻が多発性硬化症の助けになるというさらなるエビデンス (2009-12-22)
- 解雇された顧問アドバイザー再び公言 (2009-12-21)
- 大麻の成分がヘロイン依存の治療に役立つかもしれない (2009-12-21)
- さらに3人のドラッグ政策顧問が辞任 (2009-12-17)
- ロサンゼルス市議会は医療大麻の販売の禁止を却下 (2009-12-17)
- 麻薬取締局(DEA)は米国医師会(AMA)の新指針を無 (2009-12-17)
- イスラエルが医療大麻法の発展へ踏み出す (2009-12-11)
- イスラエルの病院で医療大麻患者を受け入れ (2009-12-10)
- THCと癌にさらなる吉報 (2009-12-10)
- カリフォルニア州のもう一つのマイルストーン (2009-11-30)
- マリファナに関しての言及後、イギリスのドラッグ・アドバイザー解任 (2009-11-25)
- 米国最大の医療団体がマリファナの法的位置づけを再検討 (2009-11-14)
- ニューハンプシャー、医療大麻法可決まであと2票 (2009-11-12)
- カリフォルニア新調査:医療用マリファナの販売に圧倒的な支持 (2009-11-11)
- マリファナ・ポリシー・プロジェクトのブルース・ミルケンがFoxニュースのライブ・デスクに登場! (2009-11-04)
- オークランドからのグッドニュース:マリファナ啓蒙の指針 (2009-11-04)
- マリファナ:THCだけがマリファナの成分なのではない (2009-10-27)
- バーニー・フランクは全国的な医療大麻法が数年以内に通ると考えている (2009-10-24)
コメント一覧
0件ヒットしました | 返信 | 閲覧 | 投票数 | 平均点 | トピック開始 | 最新投稿 |
---|