カンナビス・メドさんの記述引用。
では、「利点」についてはどうでしょうか。
適量の飲酒は、心血管疾患を減らすことなどを通じ、健康に貢献するのは「酒の利点」です。
ところが個人的な大麻の使用については、何らかの形で健康に寄与できるという研究報告は1つもありません。
つまり、アルコールと異なり、大麻に「利点」は見つかっていません。
これは、英国の薬物濫用諮問委員会の言葉を使えば、『大麻は疑いなく有害だ』ということです。
総体的に見て、害しかないものは抑制政策をとる。
利益になる使い方ができるものは、そのような使い方を奨励する。
これが健全な保健政策といえるでしょう。
健康上のメリットがないという点においては、個人による大麻吸引は、日本脳炎ウイルス感染に似ています。
これがどういうことなのか、健康に害しか及ぼさないという点で共通な、この二者を比べてみましょう。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/east_106/view?.date=20060130
適量の飲酒には心血管疾患を減らすなどの利点があるが、「個人的な大麻の使用については、何らかの形で健康に寄与できるという研究報告は1つもありません」という。筆者は大麻がさまざまな疾病に効果があるという研究報告、臨床報告をご存知ないらしい。
既によく知られたところでは、多発性硬化症に効果がある。カナダでは2005年にGWファーマスティーカルズ社の大麻由来の製剤、Sativexが認可され、売られている。
・同社の広報
http://production.investis.com/gwp/pressreleases/currentpress/2005-04-19/
私自身が裁判で引用した「マリファナの科学」(レスリー・L・アイヴァーセン著、伊藤肇訳.築地書館)にも次のような記述がある。
「大麻の吸引によって進行癌患者が痛みに耐えることができるようになった、癌治療に使う化学療法薬によって起こる悪心が和らげられた、緑内障患者の眼圧を下げることができた、といった事例を報告する研究がますます多くなっている。」
「娯楽目的での大麻の吸引には有害なケースもあるが、コカインやアルコール、タバコほど危険なものではない。」
「大麻には悪い側面と良い側面があり、適量が用いられる限り、娯楽利用の価値もあるとともに、治療上から見ても有望である。」
「近年では、後天性免疫不全症候群(AIDS)や多発性硬化症など、さまざまな肢体障害をもたらす病気を患う数千人の患者が、症状を和らげてくれると確信して、非合法でのマリファナの吸引を始めている。」
「マリファナはその使用者をリラックスさせ、気持を落ち着かせるが、アルコールはときとして攻撃的で暴力的な行動を引き起こす。」
「何世紀にもわたって大麻が安全な医薬品として使われてきて、欧米諸国で何千人という患者がその薬効を信じて疑わないのに、どうしていまさら問題がありえよう。なぜ欧米諸国は、医師が患者に処方できるように大麻を合法化しようとしないのだろうか?」
「患者に安全で効果のある薬剤を認めない根拠が、果たしてあるのだろうか。」
そして、その英国では、既に個人使用の少量の大麻で逮捕しない施策が実施されている。大麻の危険度をダウングレードしてのことだ。多分、客観的に比較したのだと思うけど、メドさんはどう思う?
上に引用したような大麻の医療的効果は、個人にとって、特に大麻の効果が期待できる疾患を持つ個人にとって、命に関わる大きなメリットではないだろうか。
医療使用と嗜好目的では話が違うという意見があるかもしれない。
だが、日本の大麻取締法は医療目的ですら大麻を使うことも、医者が施用することも禁じているのだ。そして、そのような状況は生存権を侵害する憲法違反ではないかという主張を、司法は審理もせずに一切無視し、20年以上前の判例に拘泥しているのである。
「大麻には悪い側面と良い側面があり、適量が用いられる限り、娯楽利用の価値もあるとともに、治療上から見ても有望である。」
大麻問題で英国上院の委員会顧問を務めた科学者の論を否定する根拠を、カンナビス・メドさんはお持ちなのか。大麻に利点がないなどいう主張は机上の空論、もしくは「妄想」でしかないだろう。
カンナビス・メドさんは、アルコールより大麻のほうが害がないのはよく知られたことだけど、本質的に別物なので、客観的に比べる方法はないという。そう言っておきながら、利点については、酒は心血管疾患を減らすが、大麻には利点がないと言う。利点については本質的に別物でも比較できるのはどうしたことか。
医療的な大麻の効果についても、カナビス・スタディハウスさんにたくさん記事があるので、メドさんは偏見を捨てて読んでほしい。
酒の心血管疾患への効果を認めながら、カナダでは医薬品として認可までされている大麻の利点は無視し、「総体的に見て、害しかないものは抑制政策をとる」という主張は、大麻への偏見と無知を晒した「ダメ。ゼッタイ。」的な戯言でしかない。論の体をなしていないさ。
健康上のメリットがないという点においては、個人による大麻吸引は、日本脳炎ウイルス感染に似ています
本質的に別物であると客観的な比較はできないという持論のカンナビス・メドさんであるが、なんと、今度は大麻と日本脳炎ウイルスを比較するのである。
(つづける)
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