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質問と対話 > 大麻有害論に問う > 検証:カンナビス・メド
政争の具にされた大麻の精神病問題(英国)
検証:カンナビス・メド : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2007-01-17

英国における大麻と精神病の問題について、カナビス・スタディハウスさんに詳しい年表付きの論稿があったので転載させて頂きます。これは昨年9月に書かれた記事のようですが、カナビス・メドさんが持ち出している反大麻情報がいかに一方的で恣意的かを論証する内容にもなっています。

* * *

イギリス、政争の具にされたカナビスの精神病問題
Pub date: Sep 8, 2006

イギリスのカナビス政策を理解するうえで押さえておかなければならないのは、違法ドラッグが、危険と処罰刑量を組み合わせたABCの3分類で管理されていることだ。各ドラッグは、その時代の状況や要請によって属する分類が変更できるようになっている。

この変更は、法律の改正によるものではなく、科学者や医学関係者からなる諮問委員会の答申を経て、最終的には内務大臣一人の意志決定によって行われる。

カナビスは、以前はアンフェタミンなどの同類のB分類に属していたが、害が少ないとして2004年にC分類にダウングレードされ非犯罪化が行われた。しかし、この決定に対する反発も根強く、カナビスと精神病問題を取り上げてB分類に戻すべきだという揺り戻しが起こった。

それ以後2年にわたってカナビスと精神病問題をめぐる政治劇が繰り広げられたが、実質的に変わったことは何もなかった。しかし、その中から、カナビスの合法・規制化による精神病の害削減という全く新しいコンセプトを持った取り組みも生まれてきた。

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●カナビスのダウングレードと揺り戻し

2004年1月にイギリスでは、カナビスのドラッグ分類がB分類(最高刑5年)からC分類(2年)にダウングレードされ、実質的には大半が罰金刑又は警告で済ませるという非犯罪化が行われた。しかし、この決定に対しては、カナビス反対派からさまざまな危険性が語られ、撤回を求める動きも大きくなった。

反対派の理由は、最近になってカナビスと精神病発症の関係が医学研究で明らかになって、特に若年層のカナビス喫煙は統合失調症を引き起こしやすいことが問題になり、マスコミは盛んにその危険性について取り上げた。

攻撃は、ダウングレードを推進したデビット・ブランケット内務大臣にも向けられ、愛人絡みのビザ不正発給疑惑が内閣を揺るがすほどのスキャンダラスに発展した。年末の12月、ブランケット大臣は疑惑を否定しながらも、内閣を混乱させたとして辞任に追い込まれた。


●総選挙を控えた政府、再びカナビスに非寛容に

2005年の年が明けると、総選挙を半年後に控えたブレア政権は、悪影響を恐れて再びカナビスに非寛容な姿勢を強めるようになった。後任のチャールス・クラーク内務大臣は、カナビスが精神病を引き起こすという新たな研究が提出されたとして、ドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)に対してダウングレードを見直すべきかどうかを諮問した。

5月の総選挙では、ブレア首相自らもカナビスに対する懸念を表明し、クラーク大臣と同様に、分類をもとに戻すことも考えていると述べた。

こうした背景に勢いを得た反対派は、あらゆる機会をとらえてカナビスによる精神病の恐ろしさを書き立てた。クラーク大臣に対しては、民衆に対する安上がりの教育情報としてマスコミを利用しているという指摘もあった。スキャンダル好きのマスコミも、子供が精神病になった親の悲惨な話などを盛んに取り上げて「教育」に協力した。


●全く新しいコンセプトの出現

だが、一方では、従来の賛成・反対という2極化された範疇に属さない主張も出てきた。カナビス・トラストという団体が、全く新しいコンセプトで、カナビスの合法化による精神病の害削減を訴えた。そこには、精神病患者と支援者の団体も加わっていた。全体とすれば少数とは言え、閉塞的な議論に風穴を明けるものだった。

主張は、精神病のさらなる研究とその成果を反映させた患者の環境改善、教育による若年層のカナビス使用の防止などで、害削減が大きな柱になっていた。さらに、その必然として、安全なカナビスの供給を保証しない非犯罪化ではなく、カナビスを合法・規制して標準的なカナビスが入手できるようにすることを求めていた。

カナビスを擁護する側の人たちも、少数とはいえカナビスで精神病が悪化する人もいることを知っているので、より正確な知識があればあるほど的確な害削減や教育ができるという見方から、さらなる研究を継続して行うことを支持した。

しかし、スキャンダル好きのマスコミには十分に理解されず、議論は従来の2極の泥合戦の様相が続いた。


●分類の変更なし

年が明けて2006年になると、ドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)は、害は認めつつも、「疫学的なリスクは小さく、CからBに引き戻す根拠にはならない」とした答申をまとめた。しかしこれを見たクラーク大臣は、答申を無視してB分類に戻すことを検討しているとリークされ、これに対して委員会の科学者や医療関係者たちは、政治目的で戻すなら辞職すると表明して対抗した。

結局、クラーク大臣は、カナビス分類を変更しないと最終決定。しかし、答申には、精神病問題の深刻さを考慮してさらなる研究と調査を求めるとの勧告も盛りこまれていた。これに対して大臣は、この春から数百万ポンドをかけてカナビスに関連する精神病の危険性を訴えるキャンペーンと研究、公共教育を実施すると表明した。


●政争の具として利用されただけの精神病問題

しかし3月になると、保健省の政務次官が、統合失調症全患者約4万人に対してカナビスに関連した統合失調症患者はごく少数だと述べ、実際には政府がカナビスの精神病問題に熱意を持っていないことが露呈し始めた。

さらに、5月に入って、クラーク大臣が外国人犯罪者の移民データ管理不備などで解任されると、後任のジョン・リード大臣は、カナビスと精神病問題にはあまり関心を示さず、費用をかけてキャンペーンなどを行うという約束はスクラップされ、政治問題としては立ち消えてしまった。

現在、これに対しては、カナビスをB分類へ戻すことには反対しながらも、見直し議論によって社会の精神病に対する関心を高めて偏見をなくすことを期待して活動に取り組んでいたリシンクなどから、政府が約束を守っていないと強い非難の声があがっている。

このように、イギリスにおけるカナビスと精神病問題は、政争の具として利用されただけで何ももたらすことはなく、C分類という非犯罪化だけが既成事実として残った。

一方では、カナビス反対派やマスコミも、精神病患者に対する思いやりからではなく、精神病をカナビス攻撃の材料に使うだけだった。結果的には、カナビスをなくせば精神病もなくなるといった誤った図式を社会に植え付け、むしろ精神病に対する偏見を助長してしまった。


イギリスのカナビス政策の変遷


1894

イギリス・ヘンプ調査委員会 「インドにおけるヘンプ調査委員会報告書」  "当委員会は、実際上、ヘンプの適度な使用においては悪い影響は全くないとの結論に達した。"


1968

イギリス政府の諮問していた委員会がウットン・レポートを発表し、カナビスの所持は罰すべきではないという勧告を提出した。「利用できるすべての資料を検討したが、インド・ヘンプ委員会報告(1893-94)やニューヨーク市長委員会(1944 - LaGuardia)が出した、カナビスを長期使用しても適度なら害はない、という結論に全員一致で賛成した。」

1969

イギリス労働党のジェームス・キャラハン首相はウットン・レポートを拒否し認めなかった

1971

国連の向精神薬物条約の締結の合わせて、イギリスではABC分類を基にしたドラッグ乱用防止法が制定される。カナビスは刑罰の重いB分類として分類され、医学使用も禁じられた。この法律の枠組が現在も続いている。


1987

カナビスと統合失調症、スエーデン新兵での長期的研究:  スエーデン新兵4万5570人を対象に、入隊時のカナビス使用状況を自己申告させ、15年後に統合失調症の発症具合を調べた。その結果、カナビスを使ったことのない人に比較して、50回以上のヘビー・ユーザーの統合失調症の発症率は6倍と発表。その後、数々の方法論的な不備が指摘される。


1991

ピックル判事がドラッグの合法化を提唱。

1991

トニー・バンクス議員(労働党)がカナビスの合法化を提唱。

1992

イギリス政府が、カナビスの産業および科学研究用途の栽培を認めるライセンスの発行計画を発表。

1992

エコノミスト誌、「医薬品にはしばしば身体に不快な副作用がある。カナビスにも不快な副作用があるが、それは身体的なものではなく政治的なものからきている。」

1993

国会議員55人が、多発性硬化症の治療にカナビスを利用することを認めるように主張した。


1995

下院議員44人がカナビスに関する王立委員会の設置を主張。

1995

クラレ・ショート議員(労働党)が、カナビスに関する王立委員会の設置を主張したことで党首から叱責された。

1996

自由民主党がカナビスに関する王立委員会の設置を主張。マクラスキー上院議員がカナビスの非犯罪化を検討するように提案。

1996

薬物依存研究所がカナビスについての見解を発表。「 明確に断言できることは、1) カナビスの使用は一般に他のドラッグの使用に先行して行われる、2) カナビスの使用は必ずしも(あるいは通常)他の違法ドラッグの使用を招かない。」

1996

イギリス・ユース・エイジェンシーのジャネット・パラスケーノ代表が、カナビスの 「非犯罪化ではなく合法化」 を主張。


1996

ジョージ・ハワース議員(労働党)が、自分の党ではカナビスに関する王立委員会の設置は望んでいないと表明し、その理由として、労働党政権ではカナビスを合法化するつもりはないが、委員会が合法化すべきという結論を出す可能性があることを上げた。

1997

総選挙で労働党政権が誕生。トニー・ブレア首相はカナビスを合法化するつもりはないと表明。


1997-09

インデペンデント日曜版が、著名人や医者や学者など100人以上の支援を受けて精力的なカナビスの非犯罪化キャンペーンを開始した。

1997-10

ジャック・ストロー内務大臣がカナビス合法化の考えはないと発表した同じ日に、イングランドとウエールズを統括する高等法院王座部首席裁判官(Lord Bingham of Cornhill)が、カナビスの合法化に関する公開討論を呼びかけた。

1998-03

インデペンデント日曜版やCLCIAなどが中心になって組織したカナビス非犯罪化マーチが開催され、2万人がハイドパークからトラファルガー広場まで行進した。広場で演説した人の中には、ハワード・マークス、ロジー・ボイコット、ポール・フライン議員、キャロライン・クーンなどの姿も見られた。


1998-06

カナビス栽培で裁判にかけられていたコリン・デビスが、陪審に、脊髄損傷の痛みを緩和する医療的必要性を訴えて無罪を獲得した。裁判官は陪審たちに法の規定と証拠だけ判断するように求めていたが、陪審は従わなかった。(ダッチ・エクスペリエンス、コリン・デビス 対 イギリス政府

1998-06

イギリス政府は、GW製薬のゲオフェリー・ガイ博士に対して、医学臨床研究目的でカナビスを栽培・所持するライセンスを与えた。イギリス南東部にある秘密栽培場は、電気フェンスと監視カメラ、見張りの犬で守られる。

1998-11

上院は、現在利用できる証拠をもとに、余暇用途の合法化は認めないものの、猶予のない患者にカナビスを利用できるようにする内容の報告書を作成して政府に提出した。ジャック・ストロー内務相は直ちにこれを拒否し、適切な基準を満たした医薬品のテストが終了しない限りカナビスを利用できるようにはしない、と述べた。


2000-03

イギリスで大きな影響力のある独立系警察財団が設立した委員会が、ハードドラッグやカナビスの量刑全般を大幅に下げるように提言した。ブレア首相は拒否したが、自由党は政府にいつもの条件反射はやめてきちんと考えるようにた申し入れ、内務相は報告書の検討を約束した。

2000-09

多発性硬化症患者レズリー・ギブソンが、カナビスを所持していたのは痛みの緩和のために必要だったと訴えて無罪になった。(奇跡の薬草、患者たちの証言、レズリー・ギブソン


2001-06

新内務大臣デビット・ブランケットは、ロンドン警察がヘロインなどのハードドラッグの取締まりに重点を移しカナビスに対するのソフトアプローチを取ろうとしていることを歓迎した。この発言は、従来からカナビスに対して厳しい禁止措置を維持してきた政府の方針からの際だった転換といえる。

2001-09

アメリカ911同時多発テロ事件。これ以降、イギリスでは、盛り上がっていた合法・非犯罪化論議は主要な話題ではなくなった。


2002-03

イギリス政府のドラッグ乱用諮問委員会は、カナビスの扱いについて諮問をうけていたが、C分類ドラッグにダウングレードすることを勧告した。委員長のサー・マイケル・ローリンは、カナビスは無害ではないとしながらも、現在では同じB分類になっているアンフェタミンなどに比較するとリスクはほとんどない、と述べた。

2002-04

カナビスと精神病に関するオランダの調査研究(ファン・オズ)発表。 4000人余りのオランダ人を対象に3年間追跡調査をしている。カナビス・ユーザーが精神病的な症状を発症するリスクはノンユーザーの2.76倍。

2002-07

デビッド・ブランケット内務大臣が、カナビスの分類をB分類からC区分へダウングレードすることを発表した。これによってカナビスの少量所持では逮捕されないことになる。「現在のカナビスの分類は害の程度に見合ったものではなく過大視されている。若者へ信頼できるメッセージを用意し、ダウングレードによってできた時間をもっと害のあるドラッグに集中しなければならない。」


2002-11

イギリス医学ジャーナルに、カナビスが精神病を引き起こすという論文が3本同時に発表された。この発表のタイミングについては、政治的な思惑が働いていた疑いもある。

1987年のスエーデンの研究の不備を修正した研究発表。交錯因子を配慮してスエーデン男子新兵5万87人のデータを再検証。50回以上のヘビー・ユーザーの統合失調症リスクは3.1倍。また、カナビスがなくなれば統合失調症が13%減ると指摘している。

オーストラリア・ビクトリア州44学校の調査研究発表。14?15才の1601人を7年間追跡調査している。「カナビスの頻繁な使用は、ティーンの少女がのちに鬱や不安になりやすく、毎日使っていた場合にはリスクが最も高い」。

ニュージーランド・デニーデンの研究発表。デニーデン生まれの759人を対象に、カナビス経験経験なし、15才から使用、18才から使用の3グループに分け、その後に精神病または鬱病になったかどうかを調べている。「思春期のカナビスの使用が大人になってから精神病の症状を誘発しやすく、15才までにカナビスを使い始めた人は、26才の時点で統合失調症様障害と診断される率が、使っていない人よりも4倍も高くなっている」


2003

メディアは盛んにカナビスと精神病のような心の病との関連を取り上げた記事を頻繁に掲載するようになった。因果関係を示していると主張する多くの研究を引用し、一時的なカナビス使用でも精神病のような心の病を誘発するという結論を書きたてた。


2004-01

14日の議会議事録には、王立精神医学カレッジの研究を引用して 「精神の病気にかかりにくいとわかっている人では、カナビスの使用が精神病などの心の病気を引き起こすことを示す証拠は全くといってよいほどない。」 と記載されている。

2004-01

1月29日、カナビスが正式にB分類からC分類へダウングレード。これ以降マスコミでは、カナビスと精神病の関係について深刻な関連があるという記事が繰り返される。

2004-08

タブロイド(The News of the World)が、デービット・ブランケット内務大臣の既婚女性との浮気を暴露。10月にはテレビなどで、愛人スキャンダルを題材にした風刺ドラマが上演される。

2004-11

ギリシャのカナビス使用と精神病の陽性および陰性症状の調査研究発表。1983年4月生まれの人の19才時点でのアンケート調査で収集した3500人のデータを分析したもの。カナビス・ユーザーが何らかの精神病的な症状を発症するリスクは、ノンユーザーの4.3倍。

2004-12

オランダ・チームによるドイツ・ミュンヘンでの調査研究発表。14才から24才までのおよそ2500人の若者のカナビス使用と精神病の関係を4年間追跡調査。その結果、カナビスのヘビー・ユーザーが精神病的な症状を発症するリスクは、ノンユーザーの1.7倍。(カナビスと若年層の精神病リスク、強い証拠はないが、特定リスクグループで顕著

2004-12

17日、 元愛人の雇った乳母へのビザ不正発給疑惑スキャンダルでデービット・ブランケット内務大臣が辞任。後任は、前教育大臣チャールズ・クラーク。来年の総選挙を5月に控えたブレア政権はスキャンダルの影響を考えて、再びカナビスに非寛容な姿勢を強める。(2004: Blunkett resigns over visa accusations


2005-03

ニュージーランド・クライストチャーチの調査研究発表。クライストチャーチ生まれの1265人を25年間追跡調査。カナビスを毎日常用しているユーザーの場合、ノンユーザーと比較して、幻覚などの精神病的な症状を1.6?1.8倍も経験しやすくなる。(カナビスへの恐怖は如何にして作られるのか、精神病問題と科学の歪曲

2005-03

チャールス・クラーク内務大臣は、カナビスが精神病を引き起こすという新たな研究が提出されたとして、ドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)に対してダウングレードを見直すべきかどうかを諮問。(カナビスをB分類に戻すべきか、英総選挙の焦点に

2005-05

総選挙運動の最終日に、ブレア首相が、カナビスの危険性が増えていることに言及して懸念を示した。(Blair Issues Warning About Cannabis Use

2005-05

5日の総選挙でブレア首相が率いる労働党が、議席を大きく減らしながらも勝利。


2005-05

カナビス・トラストがカナビス・エディケーション・マーチ&ラリーを開催。カナビスの合法化による精神病の害削減を訴える。(カナビスの規制・合法化に賛成、統合失調症患者の母親の訴えMessage from Zerrin Atkin, National Psychosis Unit)

2005-09

カナビスと精神病についての報道が加熱。害データ出典の根拠とされた治療団体が、引用には誇張があると声明を発表。(Sunday Times report on mental health and cannabis was a “distortion and factually wrong"

2005-11

デーリーメール紙がオーストラリアの研究を取り上げて、10代のヘビーなカナビス・ユーザの80%がのちに何らかの精神障害になっているとセンセーショナルに報道。各マスコミも追随。(Cannabis 'Worst Drug For Psychosis'


2006-01

ドラッグ乱用諮問委員会(ACMD)は、害は認めつつも、「疫学的なリスクは小さく、CからBに引き戻す根拠にはならない」 とした答申をまとめる。しかし、チャールズ・クラーク大臣は、答申を無視して戻すことを検討していると伝えられた。これに対して委員会の科学者や医療関係者たちは、政治目的で戻すなら辞職すると対抗。(14日、Expert advisers threaten revolt against Clarke

2006-01

19日、チャールズ・クラーク大臣は、カナビス分類を変更しないと最終決定。しかし、答申には、精神病問題の深刻さを考慮してさらなる研究と調査を求めるとの勧告も盛りこまれていた。これに対して大臣は、この春から数百万ポンドをかけてカナビスに関連する精神病の危険性を訴えるキャンペーンと研究、公共教育を実施すると表明した。諮問委員会の報告書が公表される。(害はあるが、心の健康には打撃にならない、英、ドラッグ乱用諮問委員会


2006-03

保健省の政務次官が、カナビスによる統合失調症患者数についての質問に答えて、正確な数字は掴んでいないが、集計されている統合失調症全患者約4万人に対してカナビスに関連した患者はごく少数だと述べ、実際には政府が精神病問題に熱意を持っていないことが露呈し始める。(Mental Illness resulting from Cannabis Abuse

2006-05

オックスフォードのベックリー・ファンデーションが、カナビスがアルコールと同様に 「すでにその兆候のある人や家族に同種の病気の人がいる場合には統合失調症に陥る可能性がある」 としながらも、「社会全体でみると、過去30年間のカナビス使用の増加に連動して精神症率も増加したという事実はない」 とする報告書を発表。(カナビスは統合失調症になりやすい人でも軽微なリスクにしかならない

2006-05

6日、チャールズ クラーク内務大臣が外国人犯罪者の移民データ管理不備などで解任される。後任のジョン・リード国防長官は、カナビスと精神病問題にはあまり関心を示さず、政治問題としては立ち消えた格好。

2006-06

カナビスと精神病議論のきっかけになったのは、ジャマイカやアフリカからの移民が多い地域で 「カナビスが統合失笑症の引き金になる体質の人がいる」 という報告からと言われているが、あらためてこれを偏見だと強く否定する見解が出された。(No Evidence Cannabis Leads To Schizophrenia In Black Men


2006-07

カナビスの精神病問題に費用をかけてキャンペーンなどを行うという政府の約束がスクラップされ、リシンクなど関連団体が非難。(Ministers 'failed To Warn Public Of Cannabis Risks'、 Rethink What Charles Clarke promised

2006-07

英科学技術委員会、ドラッグ新分類を提言。 カナビスはアルコールやタバコよりも害が少ない。


引用元ページ:カナビス・スタディハウス

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