11月26日から28日にかけて、共産党機関紙「しんぶん赤旗」で連載された「大麻と若者」という記事について、筆者の菅野氏に電話取材し、質問と要望を伝えた。
記事には、茨城県つくばみらい市の共産党市議川上文子氏の言葉として次のように書かれている。
覚せい剤やコカイン、ヘロインなどいわゆる「ハードドラッグ」と比べると「ソフトドラッグ」といわれる大麻は、危険性が低いと見られがちです。それは大きな誤解です。急性中毒での死亡例は少なくとも、脳障害、意識障害、幻覚妄想などを引き起こします。
これを読む限りでは、大麻の急性中毒で脳障害などを引き起こし、死亡する例があると読める。ところが、これはそういう意味ではなく、他の薬物のことだそうだ。川上市議も、大麻での死亡例はないと話していたとのこと。だが、この記事ではあたかも大麻の急性中毒で脳障害を起こして死亡すると読める。これを読んだ赤旗読者は、大麻の急性中毒で死亡する例があると受け止めただろう。
記事のタイトルは「大麻と若者」だが、内容は大麻とはほとんど関係ない。シンナーと覚せい剤の中毒についてしか触れられていない。菅野記者によると、記事の趣旨としては、薬物中毒になってしまった場合に相談できるダルクという組織があることを伝えることが主眼だったそうだ。
しかし、薬物中毒になった者が相談できる機関として、民間のダルクのようなところしかないこと、行政的な対応として公的な医療機関が整備されていないことが問題ではないだろうか。記事中、シンナーが「踏み石」になって覚せい剤中毒になってしまった女性が、『「助けてほしい」と言うことができればやめられたのでしょうが、「子どもがいるの。逮捕されたらどうしよう」と、こわくって言えませんでした』と語っているが、逮捕が怖くて医療機関に相談することもできない薬物乱用防止政策こそが問題なのである。
戦前から一貫して戦争反対の立場を貫いてきた共産党には、現在の大本営発表のごとき「大麻汚染」報道をこそ検証し、また、薬物乱用防止政策はこのままで良いのかといった政策の検証をお願いしたい。
ご多忙のところ対応して頂いた菅野記者に感謝申し上げます。
取材音源:赤旗記者菅野氏/akahata081205.wma/4.04MB 17分19秒
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