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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-05-25

MHさん控訴審判決文
MHさん裁判の控訴審判決文コピーを掲載しました。

これまで大麻の有害性を「公知の事実」であると断定してきた司法が、桂川さんの控訴審判決では「大麻の有害性は(中略)、多くの裁判例においては公知の事実として扱われるに至っているもの」という自信なさそうな表現をし、MHさん控訴審判決では、「有害性を肯定できるだけの決定的な証拠はないとする見解も存することが認められる」という、両論併記のかたちになっています。

これは、桂川さんの控訴審で検察が出した大麻有害論の証拠4点を弁護側が論破し、またMHさん裁判では検察が新たに出してきた山本論文を弁護側が論破したため、有害性を立証する資料が司法にも検察にも既にない現実を反映してのことだと思われます。

それにも関わらず、判決は、控訴には理由がないとして棄却されていますが、理由がないのは判決です。
大麻の有害性について公知の事実だと断定できず、「有害性を肯定できるだけの決定的な証拠はないとする見解も存することが認められる」のであれば、司法は現在の規制実態を再検証する必要があるということではないでしょうか。

自己使用目的の大麻栽培や所持が懲役刑を科すほどの犯罪と呼べることなのか。現在支援中の今後の裁判でもその点を指摘したいと考えています。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-05-25

××××
昭和53年1月13日生

上記の者に対する大麻取締法違反被告事件について,××地方裁判所が平成16年10月25日言い渡した判決に対し,被告人から控訴の申立てがあったので,当裁判所は,検察官佐野年英出席の上審理し,次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中120日を原判決に算入する。

理由
本件控訴の趣意は,弁護人藤澤和裕作成の控訴趣意書に,これに対する答弁は,上記検察官作成の答弁書に各記載のとおりであるから,これらを引用する。

1 控訴趣意中,法令適用の誤りの主張について
論旨は,要するに,原判決は,原判示第1の大麻栽培について大麻取締法24条1項を,同第2の大麻所持について同法24条の2第1項をそれぞれ適用しているが,(1)大麻には,耐性がほとんどないほか,身体的依存性や毒性もなく,また,有害性が指摘されているといっても,タバコと同程度かそれ以下のものでしかない上,大麻を使用することによって,暴力的ないし攻撃的になるということもなく,長年医療に利用されてきたことに照らすと,大麻の栽培,所持を規制すべき立法事実は存しないから,これらを規制する大麻取締法は幸福追求権を保障した憲法13条に違反しており,また,(2)大麻よりも危険性,有害性が高くあるいは同程度に有害と認められるアルコールやタバコの所持摂取が原則として個人の自由にゆだねられているのに,大麻についてはその所持や使用を規制するのは,法の下の平等を定めた憲法14条にも違反し,さらに,(3)大麻取締法が定める罰則規定は過度に重いから憲法31条にも反していて,大麻取締法は違憲,無効であるから,被告人の原判示各所為に同法を適用した原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある,というのである。

そこで,検討すると,記録によれば,大麻の有害性については,大麻の成分であるテトラヒドラカンナビノール(THC)が脂肪に溶ける性質を有することから,1週間程度体内に残ることや,近時大麻に含まれるTHCの量が増加していることに照らすと,大麻を継続使用した場合には,THCが体内に蓄積され,人間の脳に永続的な異常を生じさせる可能性があること,禁断症状,精神的な依存性,耐性のほか,不安,パニック,急性精神病状態等の急性症状を引き起こすなどの精神病理面での影響を与えること,反応時間,視覚認識を低下させるなど運動能力等への影響があること,男性ホルモンの生成を抑制するだけでなく,生殖能力を低下させる可能性もあることなどが指摘されている。このような指摘に対しては,その根拠となる動物実験による結果から,人体に対する影響を推測することの当否や,有害性の程度についての見解の相違などから,人体に対する有害性を否定し,又は有害性を肯定できるだけの決定的な証拠はないとする見解も存することが認められる。

このように,大麻の有害性については,多様な見解が存するところ,国民の福祉を向上,増進すべき責務を負っている国としては,国民に対する明らかな害悪を除去すべき責務を負うことはもちろんであるところ,その害悪の存否について,前記のとおり,異なる議論の存する大麻の場合であっても,その有毒性を肯定する研究が存在し,人体に対し害悪をもたらす可能性が否定できない以上,国民の福祉を向上,増進するという公共の福祉の見地から,大麻の栽培や所持を規制することには合理性を認めることができる。そして,大麻取締法は,大麻栽培に対しては,1月以上7年以下の懲役,大麻所持に対しては,1月以上5年以下の懲役をそれぞれ罰則として定めているところ,同法によれば,これらの行為に対して罰金刑を選択する余地はないけれども,懲役刑の下限はいずれも1月であって,更に酌量減軽も可能であるし,執行猶予制度もあることからすると,この法定刑が過度に重いとはいえない。したがって,大麻取締法24条1項,24条の2第1項の各規定は,憲法13条,31条に違反するものではない。

また,大麻や,タバコ,アルコールが心身に及ぼす影響はそれぞれ異なるため,これらの有害性を単純に比較することはできないから,大麻の有害性が,タバコやアルコールの有害性と同等かそれ以下であるにすぎないと断定することはできないし,大麻に対する規制が,タバコやアルコールに対する規制と異なっているとしても,このような異なる取扱いは,すべての人に等しく適用されるのであるから,これが憲法14条に違反するものともいえない。

その他,所論(弁護人の弁論を含む。)にかんがみ検討しても,原判決には所論のような法令適用の誤りはない。論旨は理由がない。

2 控訴趣意中,量刑不当の点について
論旨は,被告人を懲役1年6月に処した原判決の量刑は重過ぎて不当であり,被告人に対しては,刑の執行を猶予すべきである,というのである。
そこで,記録を調査し,当審における事実取調べの結果をも併せて検討するに,本件は,大麻草8本を栽培し,大麻23.98グラムを所持した事案であり,原判決がその「量刑理由」の項で説示するところは,当裁判所においても,相当としてこれを是認することができる。

すなわち,各犯行の動機に酌量の余地がないこと,栽培した大麻の本数や,所持した大麻の量が少なくないこと,被告人は,平成12年2月に大麻取締法違反(譲受け,譲渡,所持)の罪により懲役1年8月,3年間刑執行猶予に処せられていながら,その猶予期間満了後,約7か月で原判示第1に係る大麻の栽培を始め,その後,収穫した大麻の一部を所持して原判示第2の犯行に及ぶとともに,その間,頻繁に大麻を使用していたというのであって,この種犯行の常習性や規範意識の希薄さが認められること,以上の諸点に照らすと,被告人の刑事責任を到底軽視することはできない。

そうすると,他方で,被告人が各事実を認めていること,今後,法律で禁止されている限りは,大麻の使用や所持等を2度と行わない旨述べていること,原審公判で,父親が今後の指導監督を誓っていること,被告人が,××として,父親の営む××で重要な役割を果たしているとうかがえることなど,被告人のためにくむべき諸事情を十分考慮するとともに,大麻の有害性について,これを否定し,あるいは小さいものであるとする見解があるといった所論指摘の点を検討してみても,本件が刑の執行を猶予すべき事実とは認められず,刑期の点でも,被告人を懲役1年6月に処した原判決の量刑が重過ぎて不当であるとはいえない。論旨は理由がない。

よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却し,刑法21条を適用して当審における未決勾留日数中120日を原判決の刑に算入することとして,主文のとおり判決する。
平成17年4月19日
高松高等裁判所第1部

裁判長裁判官 古川 博
裁判官 河田 泰常
裁判官 幅田 勝行

これは謄本である
平成17年5月19日
高松高等裁判所
裁判所書記官 増田 耕一 〔印〕

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-03-20

<2005年3月15日 高松高裁 午前10時過ぎ>
書記官:起立願います。

裁判官:そこに座ってください。
それでは前回にひきつづいて審議を進めていきますが、今日はまず弁護人の方から追加の証拠として書証の請求、それから処理と鑑定の請求とがありますが、書証について検察官ご意見お願いします。

検察官:同意でお願いします。

裁判官:それでは7号書から9号書まで提出して下さい。用紙のコピーはよろしいですか?

弁護人:大丈夫です。

裁判官:はいそれでは提出してください。えっと写しになるんですよね?

弁護人:はい写しです。

裁判官:検察官、写しとして請求ということでよろしいですかね?

検察官:はい。

裁判官:では書証3点取り調べするということにします。書証は以上ということでよろしいですか?

弁護人:はい。以上です。

裁判官:あとは先ほど申しましたように証人等鑑定ということでよろしいですね?

弁護人:はい。

裁判官:では証人申請ならびに鑑定申請は却下するということにいたします。それでは書面提出して頂いていますけど、弁論ということにしましょうか?

弁護人:はいお願いします。

裁判官:この通りということでよろしいですかね?

弁護人:はい。

裁判官:検察官何かございますか?

検察官:ございません。

裁判官:それでは終結致します。判決言い渡し期日を決めさせて頂きます。4月19日火曜日ということでご都合よろしいですか?

弁護人:はい。4時ぐらいがいいです。

裁判官:検察官大丈夫ですか?

検察官:はい。

裁判官:では次回判決言い渡しで4月19日火曜日午後4時ということで、それでは今日はこれでおわります。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-03-15

弁護側が提出した山本氏の証人申請と大麻の鑑定請求、古川博裁判長の「却下します」の一言で片付けられてしまい、公判は僅か5分で終了。結審となりました。弁護士によると、「アッという間に終わられちゃった」そうです。

桂川裁判に続き、大麻有害論の証拠として新たな論文を提出した点、内容は措くとして、検察の姿勢は肯定的に受け止めて良いのではないでしょうか。

一方、桂川裁判でも示された通り、今や死後硬直した感のある「バカ(司法)の壁」をどう崩すか。それが裁判闘争における課題の焦点として浮き彫りになってきたように思われます。

司法を訴えるにはどうしたら良いのだろう。そんなことを考えてしまう昨今です。

既に判例が出ているのだから裁判闘争はやるだけ無駄だという意見も聞きます。

果たしてそうでしょうか。検察から「公知の事実」の「証拠」を引き出したのは、快挙ではないでしょうか。

志を同じくする者たちが、協同的に、このまま進んで行けば良いのではないかと思っています。

現実に、逮捕され、裁判で違憲を主張する者たちがいます。

そのような者たち、志を共有できる者たちと連帯し、壁を崩したい。

ようやく、裁判闘争を、本格的に、連携的に、公開しながら展開できるようになったのだと思います。

諦めるのは早すぎます。始まったばかりなのに。

桂川控訴審で得た成果は、着実につながっています。


前回とは別の方が傍聴に来て下さったとのこと。ありがとうございました。

近日中に速記録を掲載します。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-03-14

MHさん控訴審第2回公判のお知らせ

大麻取締法違憲論を主張して高松高裁で争っているMHさんの控訴審第2回公判が明日15日午前10時から開かれます。

明日の公判では、検察が提出した2点の大麻有害論について、弁護側が反証の予定です。そのうちのひとつ、警察学論集については既に桂川さん裁判で弁護側が論駁したものです。

もう1点は今回MHさん裁判で新たに出された「大麻の文化と科学-この乱用薬物を考える―山本郁夫氏著」についての反論で、実際に山本氏が記述するような毒性が大麻にあるのかどうか、鑑定請求と共に、山本氏を証人として申請します。

桂川裁判の控訴棄却で意気消沈している人も少なくないようですが、大麻の有害性について実質的な審理の道を開いた功績は大きいでしょう。過大な期待はできないとしても、まだ最高裁への上告の道も残されています。

MHさん裁判でも、MHさん自身の強い意思と、支援している友人の熱意と誠意もあり、弁護人提出の趣意書に対して、検察が新たな証拠(山本論文)を提示する展開につなげることができました。これは自然現象などではなく、黙して得た展開ではなく、対峙すべき相手としっかり対峙することで得たMHさん裁判での成果です。

たかが大麻24グラム弱の所持と8本の栽培で、誰にも、どこにも、迷惑も被害もないのに、1年6ヶ月もの実刑に処することが許されて良いのでしょうか。改めて強い憤りを感じます。


MHさんの明日の公判は、山本論文の内容を検証する上でも、大麻の有害性について法廷でさらに審理を促すためにも、とても大切な意味を持つと思います。

大麻で逮捕されない社会をめざす者は、そこを目標地点として展望と見通しを持ち、着実に歩みを進めることが大切ではないでしょうか。桂川裁判の控訴棄却は改めて司法の思考停止を証明しましたが、これは桂川さんの負けではなく、悪く言ってドロー、検察と法廷で議論できる展開を開いた点を評価すれば貴重な前進を果たしたとも言えるでしょう。そしてそれはMHさん裁判にも踏襲されたのです。

長期的な展望を持つことが大切ではないでしょうか。桂川裁判しか目に入らないと落胆しかない判決かもしれませんが、長期的に俯瞰すれば、桂川さんが勝ち取った成果は決して小さくないと思われます。

一人でも多くの方の傍聴を、心よりお願い申し上げます。公判の様子については、傍聴されるMHさんの友人に内容を確認のうえ、ご報告します。また、後日、速記録をお伝えできると思います。

MHさん裁判で、敢えて山本論文を追加して提出した検察には、引き続き、大麻の有害性を法廷の場で検証するためにも、弁護側請求の申請等について、逃げず、拒否せず、正々堂々と受けて立って頂きたいものです。それこそが検察が選択しうる正義ではないでしょうか。

お時間のある方、お近くの方、明日の公判傍聴、ぜひ、よろしくお願いします。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-02-12

MHさん裁判で検察が提出した大麻規制を正当化する資料のコピーが届きました。

1.「大麻の文化と科学―この乱用薬物を考える」(より第10章「大麻主成分の毒性及び薬理作用」)
 山本郁男 著 廣川書店(ISBN 4-567-44430-2 C3047)

2.警察学論集 第50巻 第5-8号
 欧米諸国における薬物解禁論の非論理性と危険性」 鎌原 俊二

以上の二論です。『「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ』の印刷は入っていませんでした。あれではなんの根拠にもならないことに検察も気が付いたのでしょうか。ザッと見ただけですが、山本氏の論文中に、大麻の致死量について記述がありました。

「自殺目的で多量の大麻を喫煙し、4日間昏睡状態にあった20歳のフランス人のケースより推定されたヒトの致死量は、Δ9-THCに換算して体重1kg当たり70mg、すなわち体重70kgのヒトで約5グラムである。」

Δ9-THCに換算して5グラムって、バッズに換算するとどのくらいの量なのでしょうか。それにしても、自殺目的で多量の大麻を喫煙したフランス人の話、ホントでしょうか?大麻を吸うと蛍光灯や靴を食うようになるという学説?と似た、失礼ながら眉に唾の印象です。

警察学論集は桂川さん裁判と同じものです。
大麻規制を正当化する根拠として、桂川さん裁判とMHさん裁判で、検察は複数の文献を提出していますが、厚生労働省の外郭団体である「財団法人・麻薬覚せい剤乱用防止センター」の『「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ』は今回の「証拠」にありません。

大麻取締法を所管する省庁である厚生労働省自身の持つデータはこれまで一切提出されていません。

検察には、御用学者や身内が著した文献ではなく、厚労省自身が持つ大麻有害論のデータを出してもらいたいものです。


【注:】 「Δ9-THC」とは、「Δ9型‐テトラ・ヒドロ・カンナビノール」のことで、即ち大麻の精神作用活性成分です。他にも「8型」などがあるようですが、通常単に「THC」と呼ぶ場合、一般的にこれらの型まで区別はされないようです。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-02-09

<2005年2月8日 高松高裁>

ついに裁判の日がきました。

車を飛ばし五分前にぎりぎり到着。法廷に入ると弁護士とまず目が合い会釈を交わしました。弁護士の反対側に検事がいました。高裁専用の検事と聞いていたのでお年を召した頑固そうな方を想像していましたが若くてお笑いのアリとキリギリスの小さい人に似た人でした。後は書記の人と思われるPCを前に座っている人が二人、裁判官の座るところの一列前の両脇にいました。さすが高裁となると傍聴席も100人は座れそうな広さでおもおもしい空気がただよっていました。

傍聴席には予想はしていましたが誰もいなかったので一番前の真ん中の席に座ると記録係の人にそこは記者席ですからずれてくださいといわれたので仕方なく右の列の一番前に座りました。


しばらくするとM君が刑務官二人に連れられて入ってきました。なにか自分のことのようにどきどきしてきました。 少し緊張している顔をしていましたが、顔色もよく一時期よりは元気そうでした。

M君は裁判官の正面の席に刑務官二人を両脇にすわりました。こちらに気づいたのかちらりと後ろを振り返ったので目が合いましたが、刑務官に気を使ったのかすぐ前に向きました。

ついにこの日が来たねM君。一審が終わってから色々あったけど何とか形になることが出来てよかった。今日はねじまがった日本の仕組みにおもいっきりうっぷんをぶつけてやりましょう。

とか思っていると僕たちだけと思っていた傍聴席に二人の男性が座りました。よかった。M君もずいぶん励みになることでしょう。ありがとうです。

しばらくして最上段の扉が開き裁判官が入ってきました。さすが高裁、裁判官が3人もいました。すぐに一同起立して一礼、いよいよ裁判が始まりました。


まずは本人確認をし、検事、弁護士ともに主意の確認をし、証拠資料の提出をしました。

検事の有害性の立証に対する回答のとき、弁護士がまだ資料がそろってなく次回にと言ったところ、裁判官は今回で終わらすつもりだったらしく、いやそうにしていましたが、弁護士が何とかクリアしてくれました。もし今回だけで終わるようなことになれば、今まで応援してくれた方やM君が戦おうとしている気持ちや努力を全然出せないまま結審となるとこでした。それでは悔しすぎます。よかった、よく耐えてくれました。次回につながった、ありがとう藤沢さん。と心で何回も唱えました。

そしてすぐ弁護人のM君への被告人質問が始まりました。がんばれM君ここからが勝負だ。言いたいことゆってやれ。

まずは、一審で検察が言っていた致死量があるとか、最高裁判例から始まりました。

この時のために独居房に入ってまで集中して考えていたはずですが、M君、緊張しているのかうまいこと言葉が出て来ない様子でしたが、次の有害性の根拠のなさや、覚せい剤と同様に規制され、刑が厳しすぎるといった事を述べているうちにだんだん調子が上がってきました。

そして最後に、禁止されているのでもうしないが、生活を立て直し、大麻についての運動はやっていくということで閉めました。

途中裁判官を見ると一人はずっとなぜかにやけていましたが、後の二人は無関心というか、なんと言うか。

「ちゃんと聞いてる、あんたたち」

と怒鳴ってやろうかと何回も思うような印象でした。心のこもった裁判官はいないのかしら。

次に検察の質問が始まりました。

音楽が好きか?大麻がなければ音楽できないか?吸って車に乗るか?とか、だらだらくだらんこと聞くなって感じでした。

もちろん大麻と音楽は相性バッチリだけど、無くても出来るのかとは失礼な事を聞く人だ。本当に。自分に言われているように腹立ってきました。

それから有害性の話になりマニュアルのような質問が始まりました。

M君は何度もどもりながらも有害性の意見には根拠が無く、大麻推進の意見は化学的根拠等の裏付けや有用性がいくらでも存在する事をがんばって答えていました。

しかし検察は質問をしておいてM君が答えるとそれには何も言わずまた次の質問という風にこなしているだけでした。

結局検察も裁判官も国の人というのは公務員でしかないという事をつくづく感じました。争っているのだからもっと熱くなりましょうよ。けど実際はこんなもんなのですかね。くそー、って落ちていても仕方が無い。とりあえず次に繋がったしこれからだ。がんばろうM君。


次回裁判は3月15日。時間の許す方はぜひ傍聴に集まってください。

今度は多くの方々にも協力していただける予定で、最強のサポート体制で臨むことが出来そうです。必ず面白くなるでしょう。M君も自分のことも含め、これからの未来に続く様にがんばっていきます。

マニュアルどおりの裁判をさせないため、検事、裁判官を緊張させるため、出来るだけ多くの人が集まることがこれからの明るい未来に繋がっていくことと思います。

M君の応援、よろしくお願いします。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-02-08

公判速記録<2005年2月8日 高松高裁>

午前11時.

裁判官
では審議を始めます。被告人のお名前、生年月日を確認します。名前からいってください。
 
M
MHです。昭和53年1月13日です。
 
裁判官
本籍を言ってください。
 
MH
徳島県■■■■■■■です
 
裁判官
住居を言ってください。
 
MH
徳島県■■■■■■■です。
 
裁判官
仕事は何をしておられますか?
 
MH
家業の■■■■■を手伝っております。
 
裁判官
で後ろの椅子に座ってよく聞いていてください。
それでは弁護士から控訴趣意書を提出して頂いております。この通りという事でよろしゅうございますね?
 
弁護士
はい。
 
裁判官
次に検察官のほうから答弁書を提出して頂いております。この通りという事でよろしいですね?
 
検察官
はい
 
裁判官
それから双方の方から訴訟あるいは被告人質問等の請求がありまして弁護人請求の書証については検察官同意という事でよろしいですね?
 
検察官
はい
 
裁判官
それから検察官請求の訴訟については弁護人いかがですか
 
弁護士
はい。主に書籍ですけれども、どうしても予弁ではございますが、内容も多いものですから内容を検討して次回に。
 
裁判官
今日はできないんですか?
 
弁護士
今日はできません。内容をまだ検討できていません。次回に弁論さして頂きます。内容の問題ではなくて論文であればですね、証拠能力の関係から言うと証拠事実という形にはなりませんね?
 
裁判官
多分ねー、そうだと思います。
 
弁護士
だから 内容を検討するお時間とお考え頂きたい。
 
裁判官
それはむしろ何といいますか、弁論とかご意見の方に反映させようとされるご趣旨じゃないかとおもうんですけどもね。訴訟同意というかあれよりは。じゃあ訴訟については同意という形でよろしいですか?
 
弁護士
今言いましたように意見を検討するお時間をいただきたいという事に変更します。
 
裁判官
じゃそれぞれ1から5号書、同意書面として採用いたしますので。まず弁護人の方から1号書から5号書まで内容などをどうぞ。
 
弁護人(一部速記欠落)
請求番号1番は、メルクマニュアル第17番でございまして大麻の使用は人体的な依存を引き起こさないこと等でございます。 請求番号2番は書籍になりますが、マリファナの科学でありまして起訴趣旨は大麻の成分が極めて安全な薬剤であると。第3は法学セミナーでございますが、マリファナの身体的効果については、結論として、通常の摂取量ではマリファナの毒性はほとんど無視してよいこと等でございます。
  
裁判官
はい、それじゃ提出していただけますか。当該文面コピーしていただいているという形になるんですかね。検察官、そういう形でよろしいですかね?
  
検察官
はい
 
裁判官
全体ではないんですね
 
弁護士
全体ではありません。
 
裁判官
それではそういうことで証文の趣旨だけ取調べするということで。
 

(被告人質問)
 
弁護人
大麻が有害かどうか、これは先ほども裁判官がおっしゃられた通り、きちんと科学的に立証すべき問題なのだけれども、あなたが大麻に対してどのような認識を持っていたか、または持つようになったか、まずこれを質問しますね。
まずあなたは、逮捕されて、警察の人や、検察官から大麻の有害性、なぜいけないのかということについてどのような説明をうけましたか?
 
MH
はい、今回僕は捕まったのは2回目なのですが、大麻については有害だとか、あまり害がないだとか色んな情報が流れているので、僕はまだ知らないことがあるかもしれないと思っていました。そこで今回、検察官から大麻に致死量があると聞きました。
 
弁護人
致死量があると、そういう説明をされたわけですね。
 
MH
はい。
 
弁護人
あなたは第一審で保釈になって、大麻が本当にそういう有害性があるのかどうか、色々文献などを見て検証しましたね。一般的に有害であるというのはどういう根拠から言われていましたか?
 
MH
厚生労働省が委託で運営している「ダメ、絶対」というホームページでは、大麻を使用すると幻覚や幻聴があるとか、無動悸症候群になるとか、神様が見えるとか、自分の体験と照らし合わせてみても、そんなことあるのか?というようなことが書かれてありました。
 
弁護人
それから最高裁判例などですね。
 
MH
はい。
 
弁護人
この最高裁判例には、特に有害性に関してこのような表現はしていませんけども、有害であることは公知の事実であるということが書かれていましたね。これに対してもあなたは色々検証してみたのですね。 その結果どうでしたか。
 
MH
僕も自分を正当化するために、無害性を主張する意見ばかりを都合よく考えているのではないかと思って反対の意見も色々調べてみたのですが、「ダメ絶対」などの情報もどこから来たものなのか公開されていないし、無害性を主張するものの方がきちんとした研究機関で調べてあるものがありました。
 
弁護人
今回裁判所に提出した文献もあなたが見た文献の中の一部ですが、この中でも大麻は害があるというものよりも、無害性を主張するものの方が科学的根拠があり説得力があるということですね。
 
MH
はい。
 
弁護人
では、あなたは今大麻を使用したり栽培することについてはどう思っていますか?
 
MH
法律で禁止されているかぎりは二度と手を出すことはありません。ただ大麻を使用することが、懲役刑に値するようなものかといえば、それはどうなのかと思います。大麻取締法が制定された経緯を調べても、害があるからということではなさそうですし…
 
弁護人
あなたが今まで調べてきた結果、大麻は法律で禁止されている、だからあなたはもう大麻は使用しない、けれども法律で規制されているということには多いに疑問が残るということですね。
 
MH
はい。覚せい剤などと同等にされているというのは、厳しすぎると思います。
 
弁護人
あなたは家業を手伝っていて、お父さんの手助けをするためにも社会復帰をしなければいけませんが、こういう大麻に関する運動は、刑とは別に、あなたは信念として持っているわけですね。
 
MH
はい。
 
弁護人
そういう意味での活動はしていきたいと。
 
MH
はい。もちろん生活の立て直しが先だと思いますが。
 
弁護人
終わります。
 
裁判官
検察官どうぞ
 
検察官
あなたは大麻を音楽との関係で吸っていたわけね。
 
MH
はい。
 
検察官
で回りの人も音楽が好きなの?
 
MH
はい。僕の場合逮捕されるのは2回目なのですが、一回目もまあそういった音楽仲間と一緒でした。
 
検察官
あなたの場合大麻を吸ってどれくらいききめがあるの?陶酔感などあるみたいだけど、時間とか。
 
MH
2、3時間ですね。
 
検察官
大麻を吸わないと音楽はできないの?
 
MH
そういうことではないです。
 
検察官
なくてもできるの?
 
MH
なくてもできます。
 
検察官
あなたはこれからも音楽を続けていくわけでしょ?
 
MH
先のことはわかりませんが続けていきたいと思っています。
 
検察官
大麻を吸わなくてもそういうことはできるの?
 
MH
はい。
 
検察官
あなたは大麻吸って車に乗ったりするの?
 
MH
しません。
 
検察官
今回大麻の有害性とか資料を弁護士さんが出しているけど、あなたもこれはインターネットなどで調べたんしょう?
 
MH
はい、色々調べました。
 
検察官
じゃあ、この5号書には、運動能力が減退するとか、精神病を発病するとか書いてあるけど、あなたはこういうのは読んでないの?
 
MH
例えば、「ダメ絶対」などもそうですし、調べたらこういったものにはすべて、逆の意見の、きちんとした科学的根拠があるものが存在しました。幻覚幻聴なども、まったくないものが見えることはないですし、大麻を吸って人に迷惑をかけるものでもないし、やはりなぜいけないのかと思います。
 
検察官
それはあなたの経験から言って? それとも本やインターネットを見て?
 
MH
例えばそういう、薬理作用みたいなものは、独自性のあるものじゃないですか。それぞれの精神状態があって人と比べようがないので、自分の主観的な体験と、あとインターネットなどを調べて他の体験した人はどう思っているか、体験したことない人は大麻のことをどう思っているかなども色々調べた結果です。
 
検察官
やっぱりインターネットとかそういうのでは、大麻を認めたらいいじゃないか、という情報が溢れているわけ?
 
MH
はい。例えば大麻で検索するとダメ絶対のホームページやニュースなども出てきますが、石油のかわりになるエネルギーになるとか、大麻には有用性があるといった情報などの方がどちらかというと多いです。
 
検察官
じゃあ大麻についてっていうのは色々議論が分かれているのはあなたも知っているわけでしょう?あなたは前に一度裁判も受けているわけだしもうそういうのをやってはいかん、という気持ちはなかったの?
 
MH
前回捕まったときも、具体的に何が悪いのか、刑事さんも知らなかったのです。大麻自身のことも知らなかったし。で裁判が終わって、自分で何が悪いのかなど、大麻のことを調べるようになったのですけど、まだまだ知らないことがたくさんありました。
 
検察官
じゃあまたやり始めた理由というのは、自分で調べたからなの?それとも誘われたから?
 
MH
僕の場合は音楽で、海外のアーティストでは大麻を賞賛する人もたくさんいますし、ジャマイカなどでは文化的にそういうのが根付いているのでそういうのを見たり… 
 
検察官
じゃあ、あなたは今でも大麻をやることが悪いとは思っていないの?
 
MH
全部が全部悪くないとは思ってないです、法律で禁止されているのでもうやるつもりはないですし、悪いところもあると思います。しかし、身体的害薬など、タバコと比べても低いと色々な研究機関で証明されていますし。
 
検察官
あなたはあまり大麻を悪いと思ってないようだけど、それでは大麻をやめるつもりはないと。
 
MH
いえ、そうではなく、全部が全部悪くないということではなくて、それについてきちんと検証する必要があると思います。今まで大麻取締法というのが検討されずにきていると思うんですよ。ヨーロッパなどでの非犯罪化の動きも最近活発ですしきちんと検討すべきだと思います。
 
裁判官
今、あなたは法律で禁止されている限りは大麻を使わないと言ったけれども、どうして一番最初の裁判の前、あるいは裁判の後はそういう気持ちになっていなかったのでしょう。
 
MH
やはり最初の認識が薄かったと思います。 最初は音楽から興味をもったのですが、一回目の裁判の後、インターネットなどを見て、やはりそれほど悪くないのではないかと思いました。大麻で取り締まられること事体が理不尽であるというようなことも見たりして…
 
裁判官
君も大麻の使用や栽培を禁止するという法律はおかしいから、その法律には従わなくていいという気持ちになったんですか?
 
MH
いや、そこまでではないですが、理不尽だという意見があって、僕もそれに共感はしましたし、科学的根拠などもありましたし、大麻についてそんなに検討もされてないままきているのではないかと思うところもありました。 
 
裁判官
はい、お疲れ様でした。では椅子に座って下さい。
それでは証拠調べ以上ということで、証拠調べ後の弁論ということで期日を決めたいんですがどれくらい先がよろしいですか?
 
弁護人
証拠調べ後の弁論と申しましてもまだ終わったというわけではなくて、新たな文書を証拠として申請して、また意見を述べたいのですがよろしいですか?
 
裁判官
はい、結構ですよ。
 
弁護人
では次回期日は一月空けてお願いします。
 
裁判官
3月15日10時半から11時でどうでしょう。 
 
弁護人
結構です。
 
裁判官
では、証拠申請等ありましたら早めに出して頂くということでお願いします。
裁判所としましては、証拠調べ等ありましたら、それでよろしいんですけれども、一応次回終結予定ということにしておりますので、その点よろしくお願いします。
では次回は3月15日火曜日の10時半ということですので、それでは今日は以上です。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-02-08

高松高裁で開かれたMHさん控訴審第1回公判は、弁護側提出の大麻取締法違憲論を主張した控訴趣意書に対し、検察側が大麻規制の根拠を正当化する書面を提出したため、これを検証する時間が必要だとして弁護側は次回の公判での審議を求めました。
裁判官は結審したい様子でしたが、弁護側の主張が容れられ、次回は3月15日(火)に公判となりました。
MHさんの友人による傍聴記を近日中に掲載します。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-02-03

平成16年(う)第400号
被告人 ******

控訴趣意書

平成17年1月6日
高松高等裁判所 刑事第1部 御中

弁護人 藤澤 和裕


第1 結論
原審の判決には憲法の違反があり、その違反は判決に影響を及ぼすこと明らかであることから、到底破棄は免れないものと思料する
即ち、大麻取締法は憲法13条、14条、31条に違反する無効な法律であり、従って被告人の大麻取締法違反の公訴事案については無罪判決が相当である。
仮に大麻取締法が憲法に違反しないとしても、被告人に宣告された懲役1年6月という判決は重きに失するものである。以下その理由を述べる。

第2 大麻取締法の違憲性について
1 憲法13条違反について
(1) 大麻取締法は、憲法13条に規定する国民の幸福追求権を侵害するものとして違憲無効である。
最高裁は昭和45年9月16日大法廷で「喫煙の自由は第13条の保障する基本的人権の一つに含まれる」と宣言している(裁判集 刑事1412頁)。従って、公共の福祉に反しない限り幸福追求権を制限することは、憲法に定めるこの条項に抵触する。

(2) 公共の福祉に反するかどうかは大麻を規制する立法事実が現に存在するかどうか、言い換えれば大麻が人体に及ぼす悪影響があるかどうかが検証されなければならない。

(3) 大麻の依存性について
「文字通り世界の医師のバイブルとして無数の人々の治療に役立ってきた」医学書の権威である「メルクマニュアル」(第17版日本語版)によれば、「大麻の慢性的ないし定期的使用は精神的依存を引き起こすが、身体的依存は引き起こさない。」「多幸感を惹起して不安を低下させるあらゆる薬物は(精神的)依存を惹起することがあり、大麻もその例外ではない。しかし、大量使用されたり、やめられないという訴えが起きることはまれである。」「大麻は社会的、精神的機能不全の形跡なしで、時に使用できることがある。多くの使用者に依存という言葉はおそらく当てはまらないであろう。」「多量使用者は薬をやめたときに睡眠が中断されたり神経質になると報告されている。」が「この薬をやめても離脱症候群はまったく発生しない」(「メルクマニュアル」第17版日本語版第15節 精神疾患 195章 薬物使用と依存 「大麻(マリファナ)類への依存」)
したがって、大麻には耐性もほとんどなく、大麻に対する身体的依存は皆無である。

(4) 大麻の毒性について
大麻草の成分である「テトラヒドロカンナビノール(以下「THC」という)は極めて安全な薬剤である。」(「マリファナの科学」197頁)。「大麻の不正使用は広く行われているが、大麻の過量摂取で死亡した例はほんのわずかしかない。英国では、政府統計で1993年から95年までの間に大麻による死亡例が5件挙げられているが、くわしく事情を調べると、いずれも嘔吐物が喉に詰まったことが原因で、大麻に直接起因するものではない(英上院報告1998)。ほかの一般的な娯楽用薬物と比較すると、この統計は際立ってくる。英国では毎年、アルコールによる死亡者が10万人以上、タバコに起因した死亡者が少なくともこれと同数だけ発生している」(同書197頁)。「どんな基準に照らし合わせても、THCは急性効果、長期的効果で、極めて安全な薬剤だと考えなくてはならない」(同書200頁)。
マリファナの身体的効果については、マリファナ研究について最も権威のある報告書とされている「マリファナ及び薬物乱用に関する全米委員会」の1972年報告(以下「全米委員会1972年報告」という)では、「身体機能の障害についての決定的証拠はなく、極めて多量のマリファナであっても、それだけで人体に対する致死量があるとは立証されていない。また、マリファナが人体に遺伝的欠陥を生み出すことを示す信頼できる証拠は存在しない。」「結論として、通常の摂取量ではマリファナの毒性はほとんど無視してよいといっている」(「法学セミナー」1980年7月号31頁)。
「大麻の使用は薬物問題ではあるが、その毒物学的意味は不明である。」(「メルクマニュアル」)。
したがって、大麻には毒性もない。

(5) 大麻の有害性について
「マリファナを批判する人々は有害作用に関する数多くの科学的データを引き合いに出すが、重篤な生物学的影響があるとする主張の大部分は、比較的大量の使用者、免疫学的、生殖機能についての積極的な研究においても、ほとんど立証されていない」(「メルクマニュアル」)。
マリファナの吸引について、「習慣的使用者のかなりの割合で慢性の気管支炎を引き起こし、長期的に見た場合に気道の癌とのつながりが指摘される恐れがあるため、安全上長期的使用を勧めることができない。」とされるが、これはあくまでもタバコ吸引と同様、自らの健康の問題であり、他者に対する有害性はない。しかも、米国医学研究所は、その報告「マリファナと医薬」(1999)のなかで、安全性の問題について「マリファナはまったく害のない物質というわけではない。さまざまな効果を伴った強力な薬物である。だが、吸引にともなう弊害を除き、そのほかの用途ではマリファナによる副作用は許容範囲にあるといえる。」(「マリファナの科学」231頁ないし232頁)とされている。
したがって、マリファナにはその煙の吸引に関してタバコと同程度かそれ以下の有害性しかない。

(6) 大麻使用による他者に対する危険性について
前記の全米委員会1972年報告によれば「マリファナが暴力的ないし攻撃的行動の原因になることを示す証拠もない」。さらに1973年報告によればマリファナ使用と犯罪との関係について、「マリファナの使用は、暴力的であれ、非暴力的であれ、犯罪の源ともならないし、犯罪と関係することもない。」と結論している(「法学セミナー」1980年7月号31頁)。
したがって、マリファナは他者の法益を侵害する危険性もない。

(7) 大麻の医療利用について
他方、「大麻は何千年にもわたって医薬として使われてきた。」「中国で紀元前2800年頃、初めて出版された漢方薬の概説書「神農本草経」は大麻を便秘、通風、リウマチ、生理不順の治療薬として推奨している。大麻製剤はその後何世紀にもわたって中国の本草書で推奨され続けたが、特にその鎮痛効果は外科手術の際、痛みを抑えるために利用されてきた。」
「インド医学も中国と同じくらい長い大麻利用の歴史をもっている。」「古代アーユルヴェーダ体系では大麻はヒンドゥー人のための医薬品として重要な役割を果たし、今日でもアーユルヴェーダ実践者たちによって利用されている。」
「アラブ医学やイスラム系インド人の医学ではハシーシュ(大麻樹脂)や「ベンジ」(マリファナ)について多くの記述が見られる。大麻は淋病や下痢、喘息の治療薬として、また食欲増進剤、鎮痛剤として利用された。」
「大麻は中世ヨーロッパの民間療法でも広く知られ、ウィリアム・ターナー、マッティオーリ、ディオスコバス・タベラエモンタヌスの本草書でも治療効果のある植物として記述されている」(「マリファナの科学」136頁ないし137頁)。
「日本でも繊維用ばかりでなく、医薬品として用いられてきた。日本薬局方でも1886年に交付されて以降、1951年の第5改正薬局方までマリファナが「インド大麻草」、「インド大麻草エキス」、「インド大麻チンキ」という製品名で収載され、鎮痛剤、鎮静剤、催眠剤などとして用いられてきた」(「法学セミナー」1980年7月号31頁)。
「20世紀のほとんどの期間、西洋医学は大麻利用にわずかな関心しか示さず、大麻の使用が米国で1937年、法的に禁じられたのを皮切りに、1970年代には英国をはじめほとんどのヨーロッパ諸国がこれに追随する動きを見せた」が、「英国医師会(BMA)は1997年、治療現場での大麻利用についてまとめた影響力のある報告のなかで<多くの通常法を順守する市民、おそらく先進国の何千という人たちが、治療のために大麻を非合法的に使っている。」と記している。
「こうした非合法の自己治療に最も深い関わりを持つのが、他の鎮痛薬では治すことのできない慢性の痛みに苦しむ人たちである。具体的には、痛みを伴う筋痙攣を頻繁に起こす脊髄損傷や、そのほかの痙攣症状を持つ患者や、エイズ患者、多発性硬化症(MS)を患う患者などである」(「マリファナの科学」146頁)。
「大麻を使って自己治療している患者が指摘するような医療効果の一部を、そのような領域の人たちが享受できる現実的な可能性がある。自己治療の患者は通常、既存の薬が効かなかった人たちであり、症状を治すためのオルターナティヴ・メディスン(代替医療)に切り替えようとしている。大麻は多くの人たちにとって、何世紀もの間、民話や民間医療に根付いてきた自然療法・薬草療法として、付加的な魅力を備えている」(同書153頁)。

(8) 以上のとおり、大麻には有害性がなく、これを規制する立法事実も存在しない、と言わなければならない。
ところで、近時の裁判例は最高裁の60年判決を基準に大麻に有害性があることは公知の事実であるとするものが多い。しかしながら現在継続中である大阪高等裁判所平成16年(う)第835号事件においては、有害性に関し、検察官に対し主張、立証を求めている。このように現在では単に公知という事実のみではなく、具体的な立証が求められている。

2 憲法第14条、第31条違反について
(1) アルコールや喫煙は公知の事実として強い精神的、身体的依存を引き起こすと共に、肝臓や心臓血管に悪影響を及ぼすこと、更には飲酒酩酊により暴力事犯を誘引することは経験則上知られている正に公知の事実である。
その点より見れば、マリファナにはそのような悪性はどの文献報告書にも見出せない。しかるに、酒、喫煙については未成年者の使用を禁じている他、何らの法的規制はない。このように、大麻より危険性有害性が高くあるいは同程度に有害と認められる薬物や嗜好品の所持摂取が原則として各個人の自由にゆだねられていることに照らせば大麻取締法にのみ厳罰で禁圧しているのは法の下の平等を規定した憲法第14条に違反する。

(2) 更に大麻取締法の罰則規定は必要最小限のものではなく、さらにその法定刑は過度に重いから憲法第31条に反し違憲である。

第3 量刑不当について
被告人は大麻を吸引、栽培した事実により、懲役1年6月という刑に処せられたものであるが、前記述べたとおり大麻には有害性は全くなく、これを取り締まる大麻取締法には憲法違反の疑いが強いことからすれば、刑罰を科す場合であっても、悪質であることが明確に立証されない限り、実刑に処すことは妥当ではない。被告人が大麻を栽培した目的は、自ら吸引するためであり、他にこれを譲渡したりするような目的ではなかった。仮に大麻に有害性があったとしても、自らが使用するだけであり、他に影響を及ぼすことは全くなかった。
加えて被告人は父の仕事を真面目に手伝い、被告人の手助けがなければ事業が成り立っていかない状況にある。
以上のように大麻の吸引を除き、被告人は真面目な社会人として生活していたことから、被告人には執行猶予付きの判決がなされるべきであり、1年6月という実刑の判決は量刑不当である。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-02-03

MHさん裁判の控訴趣意書を掲載しました。公開はMHさん本人の希望によるものです。受任されている藤澤弁護士とも相談のうえ、引き続き公開できる情報についてはお伝えします。
藤澤弁護士ご自身は、お名前の公開も差し支えないとのご了解を頂いています。

過日、MHさんから手紙が届きました。
「控訴審の日時、決定しました。平成17年2月8日午前11時 高松高等裁判所刑事第1号法廷(6階)です」
とのこと。近隣の方、傍聴してみませんか?

藤澤弁護士の話によると、違憲論を主張した控訴趣意書に対し、検察から大麻有害論?の書類が出されたそうです。実物は拝見していませんが、「ダメ。ゼッタイ。」とか「警察学論集」とか、どうも聞き覚えがあるような・・・
公判の行方が注目されます。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-01-28

裁判レポート、一審の論告から判決までを掲載しました。
所持23.98グラム、栽培8本で、1年6月の実刑。デンマークだったら5,400円の罰金でしょうか。
何か、虚しくなります。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-01-25

平成16年10月25日宣告  裁判所書記官 松岡 孝典
平成16年(わ)第219号,第268号

判決

本籍 ××××
住居 ××××
職業 ××××
◆◆◆◆
昭和53年1月13日生


上記の者に対する大麻取締法違反被告事件について,当裁判所は,検察官 吉田 稔出席のうえ審理し,次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役1年6月に処する。
未決勾留日数中20日をその刑に算入する。
押収してある乾燥大麻様のもの2瓶(平成16年押第22号の符号1,2),大麻草入り紙タバコ1袋(同符号3)及び大麻草8株(同符号4)を没収する。

理由

(罪となるべき事実)
当裁判所の認定した罪となるべき事実は,起訴状2通に記載された各公訴事実と同一であるからこれらを引用する(ただし,平成16年7月9日付起訴状記載の公訴事実2行目に「被告人方」とある前に「当時の」を加え,同じ行の「グラム」とある次に「(押収してある乾燥大麻様のもの2瓶(平成16年押第22号の符号1,2)及び大麻草入り紙タバコ1袋(同符号3)はいずれもその鑑定残)」を,同年8月20日付起訴状記載の公訴事実6行目に「本」とある次に「(押収してある大麻草8株(同符号4)はその鑑定残)」を,それぞれ加える。以下,認定事実を起訴状の日付順に「判示第2事実」,「判示第1事実」という。)。

(証拠の標目)
( )内の数字は,検察官請求の証拠番号を示す。
判示全事実について
被告人の当公判廷における供述
判示第1事実について
被告人の検察官(28)及び警察官(27)に対する各供述調書
実況見分調書(15)
鑑定嘱託書謄本(16)
鑑定結果回答書(17)
押収してある大麻草8株(18,平成16年押第22号の符号4)

判示第2事実について
被告人の検察官(25)及び警察官(2通,21,23)に対する各供述調書
現行犯人逮捕手続書(甲)(1)
捜索差押調書(乙)(2)
鑑定嘱託書謄本2通(3,6)
鑑定書2通(4,7)
押収してある乾燥大麻様のもの2瓶(5,8,平成16年押第22号の符号1,2)及び大麻草入り紙タバコ1袋(9,同符号3)

(法令の適用)
被告人の判示第1の所為は,大麻取締法24条1項に,判示第2の所為は,同法24条の2第1項に,それぞれ該当するところ,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により重い判示第1の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役1年6月に処し,刑法21条を適用して,未決勾留日数中20日をその刑に算入し,押収してある乾燥大麻様のもの2瓶(平成16年押第22号の符号1,2)及び大麻草入り紙タバコ1袋(同符号3)は,判示第2の,押収してある大麻草8株(同符号4)は判示第1の各罪にかかる大麻で犯人が所有するものであるから大麻取締法違反24条の5第1項本文によりこれらを没収する。

(量刑理由)
本件は,自宅で大麻草を栽培し(判示第1),自宅に大麻約20グラムを所持していた(判示第2)事案である。
被告人は,平成10年6月ころに当時DJをしていたクラブの客に勧められて初めて大麻を吸引し,そのとき五感が鋭くなり普段聞き取れない音楽の音が聞き取れたことから,その後は密売人から購入して使用していたが,平成11年11月に大麻取締法違反で逮捕され,平成12年2月23日同罪で懲役1年8月執行猶予3年に処せられ(同年3月9日確定),以後は大麻と縁を切っていた。しかし,執行猶予期間が満了した後の平成15年9月ころ,DJのイベントで知り合った××から勧められ,少しぐらいならいいだろうという気持ちと大麻が規制されている理由について得心が得られていなかったことから,再び大麻に手を出し,これが発端となって,昔覚えた感覚がよみがえり,その後は××から譲り受けては大麻を使用し,やがては自分で栽培することを考えるようになり,同年10月から判示第1の犯行に及び,また,判示第2のとおり,収穫した大麻の一部を所持し,この間頻繁に大麻を使用していたものである。以上の経緯,特に,既に一度懲役刑に処せられていながら,今回自身で栽培するまでになっている点からすると,被告人の大麻取締法違反の罪についての常習性は,かなり高いというほかない。そしてまた,本件刑責に対しては,実刑を科するのが相当といえる。

ただし,被告人は栽培した大麻を自己が使用するか捨てるか以外に用いたことはないこと,被告人が今回こそは大麻と縁を切る旨誓うなど反省していること,父親が今後の監督を証言してくれていること,被告人は父親の営む××に従事し今ではその存続に不可欠ともいえるまでの存在になっていることなどの事情を考慮すると,その刑期は,主文のそれに止めるのが相当である。

よって,主文のとおり判決する。

(求刑 懲役3年,没収)
平成16年10月25日
××地方裁判所刑事部
裁判官 杉田 友宏

これは謄本である
平成16年12月8日
××地方裁判所
裁判所書記官 松岡 孝典 〔印〕

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-01-22

論告要旨

大麻取締法違反  被告人 ××××


第1 事実関係
本件各公訴事実は,当公判廷で取り調べられた関係各証拠により,その証明は十分である。

第2 情状関係
本件は,被告人が,自宅内において,大麻草約23.98グラムを所持し,大麻草8本を栽培した大麻取締法違反の各事案である。

1 犯行に至る経緯及び動機に酌量の余地はない。
被告人は,平成10年ころから,大麻の吸引を始め,大麻取締法違反による前刑の執行猶予期間中,大麻の吸引を中断した後,平成15年9月ころから,友人に勧められたことをきっかけとして,大麻の吸引を再開し,同年10月ころからは,自宅内において,大麻草の栽培を始め,大麻の吸引を継続していた。
被告人は大麻吸引による快感を求めて,再び大麻の吸引にのめり込み,本件各犯行に及んだのであって,その犯行に至る経緯及び安易かつ短絡的な動機に酌量の余地は全くない。

2 本件犯情は悪質であり,被告人の大麻等の薬物使用に対する親和性及び常習性は根深い。
被告人は,前記のとおり,平成10年ころから,大麻の吸引を始め,密売人等から大麻樹脂等を購入して,大麻の吸引を続けていたが,平成12年2月23日,大麻の譲り受け,譲り渡し及び所持の各事実により,懲役1年8月3年間執行猶予の判決を受けた後,その執行猶予期間中は,大麻の吸引等を中断していたものの,平成15年9月ころ,友人の××に大麻の吸引を勧められたことをきっかけとして,大麻の吸引を再開し,それ以降,同人を含む数人の仲間と集まっては,××が持ち込んだ大麻の共同使用を繰り返し,そのかたわら,同人から譲り受ける大麻では満足できなくなり,自ら大麻草を栽培することを決意し,自宅内において,大麻草を水耕栽培し,収穫した大麻を自分1人で吸引するようになった。

被告人は,インターネット通信販売により,オランダで行われている大麻草品種品評会の上位入賞品種の種子を購入し,雑誌やインターネット等から得た大麻草栽培の知識を用いて,市販されているロックウール等の園芸用品等を利用して,大麻草を水耕栽培し,収穫した大量の大麻草のうち,効用の高い花弁の部分のみを乾燥させ,いつでも吸引できるように,ガラス瓶等に小分けした状態で保管し,ほとんど毎日のように大麻を吸引していた。

このように,被告人の大麻吸引の期間は長く,頻度も高い。また,被告人が所持及び栽培していた大麻は多量に及び,その所持態様も頻回使用に適した状態であった。さらに,被告人は,高品質の大麻を大量に収穫することをもくろみ,高品質の大麻草の種子を選別して購入し,少ないスペースで効率的に大麻草を栽培するため,ロックウール等を利用した水耕栽培の方法を用い,収穫した大麻草のうち,効用が高く吸引に適した部分のみを乾燥させて保存していた。被告人が,高品質の大麻を大量に収穫するために用いていた大麻草栽培及び収穫の態様は,被告人がいかに大麻吸引による快感に耽溺していたかを自ずと示している。

そして,被告人は,前記のとおり,同種事犯により,執行猶予付きの寛大な判決を受けながら,その執行猶予期間満了の約半年後には,大麻の吸引を再開し,ほどなく,大麻草の栽培も開始したのであって,これらの点に照らせば,被告人の大麻吸引に対する親和性及び常習性は極めて根深いものであることは火を見るより明らかである。

3 同種事犯の再発防止等の一般防止の見地からも,被告人に対しては,厳重な処罰が必要である。
被告人による本件各犯行は,そのほとんどが密室内で敢行されていて,密行性が高く,また,容易に入手可能な器具等を用いている点で模倣性が高い。
かかる密行性及び模倣性が高い本件同種事案の根絶を図る必要性は高く,一般予防の見地からも,被告人に対しては,厳重な処罰が必要である。

4 被告人の再犯可能性は高い。
被告人の大麻吸入に対する親和性及び常習性が根深いこと,被告人が,前刑公判において,二度と同種犯行は繰り返さない旨を誓いながら,性懲りもなく,本件各犯行に及んだことに照らせば,被告人の遵法意識は完全に鈍磨しているものと認められること,被告人による本件各犯行の密行性の高さ等からいって,被告人が本件各犯行と同種犯行を再開することは極めて容易であるといわざるを得ないことなどの点に鑑みれば,被告人の再犯可能性は,極めて高い。

5 結語
以上述べてきた諸事情を総合すれば,被告人の刑事責任は極めて重く,被告人に対しては,相当期間の施設内処遇によって,猛省を促すとともに,徹底した矯正教育を行う必要がある。

第3 求刑
以上の事情を考慮し,相当法条を適用の上 被告人を懲役3年に処し 平成16年領第507号符第1号 同符第2号 同符第5の1号 同符第19の1号 を没収するのが相当である。

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MHさん裁判 : 投稿者 : 白坂@THC主宰 投稿日時: 2005-01-20

冒頭陳述要旨

大麻取締法違反  被告人 ××××

第1 被告人の身上経歴等

1 被告人は,××市内で出生し,高校卒業後,飲食店店員等を経て,犯行時は,××として働いていた。

2 被告人は,婚姻歴はなく,犯行時は,住居地において,単身居住していた。

3 平成12年2月23日,××地方裁判所において,大麻取締法違反により懲役1年8月3年間執行猶予の判決を受けた前科1犯がある。

第2 犯行に至る経緯及び犯行状況等

1 被告人は,東京都内に在住していた平成10年ころ,友人から勧められて大麻草の吸入を始め,それ以降,密売人から大麻樹脂等を購入して吸入するようになった。

 被告人は,前記の前科による執行猶予期間中は,大麻の使用を中断していたが,平成15年9月ころ,同年夏ころに知り合った××から大麻草の吸入を勧められたことをきっかけとして,大麻の使用を再開し,同人から譲り受けるなどした大麻草を吸入するようになった。

2 被告人は,前記××から譲り受ける大麻草だけでは,満足することができなくなったため,自ら使用する大麻草を自宅内において栽培しようと決意し,平成15年10月ころ,インターネットによる通信販売で大麻草の種子及び栽培用の照明機材等を購入し,そのころ,自宅の押入内において,ロックウール,プタンター及び照明機材等を使用して,大麻草の栽培を開始し,発芽した大麻草の枝を別のロックウール上に移植する方法で大麻草の栽培を続けた。

3 被告人は,栽培した大麻草を収穫し,葉の部分は投棄し,効用の高い花弁の部分のみを乾燥させ,自ら使用するために,がらす瓶等に入れて自宅内に保管していた。

4 平成16年6月19日,被告人宅等に対する捜索が行われた際,被告人宅内において,被告人が所持していた大麻草及び栽培していた大麻草が発見されたため,被告人による本件各犯行が明らかとなった。

第3 その他情状等

(※省略)

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