◆大麻取締法は憲法違反です
大麻取締法は、平穏に暮らす国民の生活を国家権力が破壊する人権蹂躙法であり、憲法違反である。大麻取締法変革センター(略称「THC」)は、そう考えています。
理由は、裁判レポートにおける数々の弁護側の論証をご参照下さい。最高裁が拘泥する判例、昭和60年決定以降の、夥しい数の研究結果も添えた、科学的・医学的で、論理的な検証が、多数の裁判で行われています。
一方、検察は桂川裁判で大麻有害論の根拠として、厚労省管轄の財団法人「麻薬・覚せい剤乱用防止センター」の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに書かれている大麻情報などを提出しましたが、弁護側がその記述の根拠を求めたのに対し、同センターに照会したものの根拠が得られなかったと回答しています。
法廷の場においてさえ、既にディベートとしては火を見るよりも明らかな結論が出ているのです。ただ単に、司法がそれを認めないに過ぎません。
海外では医薬品としての大麻の価値が科学的な研究によって次々と明らかにされ、商品化されてもいますが、日本では大麻の医薬品としての利用はおろか、研究すら厳しく制限されています。
大麻取締法は生存権をも侵害しているという違憲論の主張を、司法は、一審から最高裁に至るまで、全く一言も触れずに、審理すらせずに、棄却しています。機能しない司法。それが問題を根深いものにしています。
どこにも、誰にも、被害どころか迷惑すらかけていない行為によって長期の実刑という重罪が科され、逮捕された本人だけでなく、家族や近親者たちも、その人生を根底から破壊される現実があります。そして、機能しない司法がこの不幸を社会に拡散し続けているのです。
ジャーナリズムとしては墓穴を掘るようなものですが、無神経で、道徳の欠如した程度の低いマスコミが、さも重大な犯罪でもあるかのように実名報道することもあり、大麻に無理解な現在の社会にあって、家族が地域に住めなくなることすらあります。
大麻で逮捕され、それを苦に自ら命を絶った者までいます。
「逮捕された人の話」としてレポートしていますが、デンマークでは100グラム以下の大麻所持は、警告(口頭又は文書)若しくは、罰金300デンマーククローネ(約5,400円)の罰金刑で、それも形式的なものであり、実際は逮捕や裁判どころか罰金すら科されないことが多いそうです。自転車に乗りながら携帯電話を使うほうが、罰金500デンマーククローネと、罪が重いとのこと。
世界の多くの国々や地域では、大麻は逮捕の対象などではありません。この世界的な事実、現実を、担当の官僚たちはどう考えているのでしょう。
◆大麻取締法の目的
薬物五法のうち、目的も主旨も書かれていないのは大麻取締法だけです。
目的も書かれていない大麻取締法ですが、司法は「国民の保健衛生を守るため」に大麻を規制していると言います。しかし、数々の裁判で弁護側が論証している通り、「国民の保健衛生」といった抽象的な概念を法益としていること自体が問題です。
司法の言う、大麻取締法の目的が「国民の保健衛生」であるという断定は矛盾に満ちています。
そもそも、目的も書かれていない法律の目的を、なぜ司法が断定するのか。それこそ、それは立法府の仕事ではないでしょうか。
大麻取締法の罰則規定は他の先進国と比べても異常に厳しく、大麻より毒性の強いアルコールやタバコの規制と比べても著しく均衡を欠くと主張する被告弁護側に対し、司法は、量刑の裁量権は国会にあると判断を放棄する一方、法に書かれてもいない目的を、国会に確かめもせず、断定しているのです。やることをやらないで、やらなくていいことをやっている。
大麻取締法の目的が「国民の保健衛生」だというのは、司法の無定見です。
大麻取締法は、敗戦後の占領下、GHQの指令によって制定されたもので、大麻の栽培を規制することが目的でした。だから、大麻取締法に使用罪はなく、所持よりも栽培のほうが罪が重いのです。
薬物政策であるなら、まず所持と使用が禁じられて然るべきなのに、大麻に使用罪はなく、所持より栽培のほうが罪が重いのです。自分で栽培して自己完結するよりも、どこかで買ったほうが罪が軽いという矛盾も生じています。
大麻取締法は、薬物政策ではなく、占領国による産業政策だったのです。占領国は、起きてもいない大麻の弊害を盾に、我が邦が古来から連綿と紡いできた大麻産業を潰したのです。産業として残すつもりがあれば、個人の所持と使用を禁じ、生産と流通を管理すれば済む話です。
使用罪のない大麻の使用につながるから、所持や栽培の規制は正当であると、司法はこれまで辻褄の合わぬ判決を繰り返しています。それは、大麻取締法の目的を「国民の保健衛生」であると断定したことに由来するボタンの掛け違いです。
大麻取締法の目的は「国民の保健衛生」ではあり得ません。大麻は規制されるまでインド大麻チンキなどとして日本でも薬として売られており、薬局方にも収載されていました。そのことによる薬害などなく、当時から現在まで、管轄省庁である厚生労働省(旧厚生省)は大麻の有害性に関する研究をしたこともなければ、データも持っていないのです。
厚生労働省管轄の財団法人「麻薬・覚せい剤乱用防止センター」の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに記載のある大麻情報の根拠は、14年以上前に米国で販売されていた薬物標本の説明書を翻訳しただけのもので、医学的な根拠も出典すらも示せず、古くて見直しの必要があると、同財団の糸井克己専務理事(元厚生労働省大臣官房)も、厚労省麻薬対策課の担当者も回答しています。
大麻取締法は、占領国が日本に仕掛けた大いなるトリックであり、トラップです。
目を覚ませ、ニッポン。
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個人的に使う大麻の、少量の栽培や所持で、逮捕などされることのない日本社会を実現する。それがTHCの取り組みの目標です。具体的には、裁判で司法から有意な言質を引き出すことができれば、行政は変わらざるを得ないだろうと思うので、そのような展開を作りたいと考えています。それが現在の日本で大麻を非犯罪化するための、最も実現可能性の高い方法ではないかと私は考えています。もちろん違う意見も異論もあるでしょう。談話室ででも、メールででも、ご意見を聞かせて下さい。
日本の公的大麻情報は、ダメゼッタイホームページに記述されている通りで、行政としては厚労省が管掌し、直接的には(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターが管理しています。
同サイトに掲載されている薬物情報は、14年以上前にアメリカから輸入した薬物標本の説明書を訳したものであり、その説明書自体に「本書に収録された主な分野及び掲載された薬物のいずれにつきましても、完璧な分析を行ったものではありません。記述はあくまで人々の注意を喚起し、問題の特定に寄与することを目的としています。従って、特定物質などに関する詳細情報をご希望の向きは直接お問い合わせ下さい」と書かれていて、科学的であるよりも政治的であることが明白です。
そしてこの説明書、昨年の問い合わせでは原本も残っていないとのこと。ダメゼッタイ大麻情報について、厚労省麻薬対策課情報係の藤原係長など、実にあっけらかんと、外国の話でもするかのように、「根拠は、まあ、ないんでしょうね」、と答えています。返す言葉がありません。「喝!」であります。
昨年末に行った情報開示請求の回答は文書ではまだ届いていませんが、情報開示のご担当によると、この記述の根拠に関する文書があったとのこと。
何が出てくるのか闇鍋のような気分で待っているのですが、いずれにせよ、情報が古くて見直しの必要があることを、厚労省麻薬対策課も、センター糸井専務理事も認めており、糸井専務理事は、新年度に予算化して見直しを図ると、こちらのしつこい確認に対しても明言しています。
この予算化と内容の見直しを、糸井専務理事の言葉通りに実施して頂くよう求めていくことが、当面の、3月までの課題だろうと思います。自分の言った言葉に責任を持たない彼らのお役人対応は、数年来繰り返し何度も見てきた通りなので、全く予断を許しません。
まずは、ちゃんと予算化し、見直し作業に着手して頂くこと。これが大事だと考えています。
情報の無根拠を認め、古さを認め、見直しの必要を認めておきながら、またしても予算化も見直しも行わないのであれば、監督責任のある厚労省と、センターの責任者に対し、対抗措置を講じたいと考えています。
あと半月も待てば情報開示請求の回答文書が届くでしょう。
それを見て対応したいと思います。
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◆大麻取締法被害者センターはシェアウェアです。
大麻取締法被害者センター(THC)は、大麻で逮捕されない日本社会を実現するためのプログラムです。
THCの活動を継続して支持する場合、支持料のお支払いをお願いします。
何も登録して頂く必要はありませんが、THC指定口座に支持料をお振込み下さい。
*ホームページの閲覧は無料です。
*相談は寄付制です。
*これまで相談は無料としてきましたが、運営コストを補うため、状況が落ち着かれたらで結構ですので、可能な範囲での寄付をお願い致します。(07/05/27修正)
*お支払い頂いた支持料は通信費・事務費等、THCの運用経費に充当します。
*支持料をお支払い頂いても会員専用ページ等があるわけではありません。
*個人情報は一切ご提示頂く必要はありません。
*更新時期はご自身で管理し、継続して支持する場合は下記の支持料をお振込み下さい。
*陰ながらの応援はできるだけご遠慮下さい。
【THC支持料金】
◆THC支持料
月額支持料 500円
半年支持料 3、000円
年間支持料 6,000円
◆支持料お振込み口座
・八十二銀行 あづみ松川支店 128270
・郵便貯金総合 記号11100 番号35044221
・ジャパンネット銀行 001-1596670
*名義はいずれも「白坂和彦(シラサカ カズヒコ)」です。
◆カンパはいつでも大歓迎です。
◆書き起こし、翻訳、情報収集、原稿寄稿など、あなたの力を貸して下さい。
よろしくお願いいたします。
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THCも立ち上げて1年を過ぎました。時間の流れの速さに目眩がしそうです。
昨年3月にTHCのサイトを立ち上げてから、今年2月までに何らかの対応をした相談は33件でした。
こんなに多数の相談が来るとは思ってもいませんでした。
数だけでなく、内容も深刻なものが多く、単に逮捕拘留や裁判の手続きといった実務的なことよりも、逮捕によって受けている深刻なダメージをどのように回復していけるかを一緒になって模索したり、始めたことの重さを感じる毎日です。
大麻取締法の違憲性を主張して裁判に臨む人たちも続いています。
違憲論で裁判に臨む方への協力は惜しみません。
争う裁判にはせず、さっさと終わらせて元の生活を取り戻すことを最優先にするのも当然の選択肢だと思います。
敢えて争うことを勧めるつもりはありません。
THC第1期の会計報告は大体下記の通りです。
摘要 | 収入 | 支出 | バランス |
---|---|---|---|
寄付 | 60,000円 | ‐ | ‐ |
交通費 | ‐ | 44,150円 | ‐ |
サーバー代 | ‐ | 13,200円 | ‐ |
消耗品費(紙・トナー・封筒) | ‐ | 1,300円 | ‐ |
送料(獄中者宛ニュースレター等) | ‐ | 20,030円 | ‐ |
税金(道路使用許可印紙代) | ‐ | 2,300円 | ‐ |
電報代 | ‐ | 5,650円 | ‐ |
電話・ファックス代概算 | ‐ | 50,000円 | ‐ |
寄付 | ‐ | 1,000円 | ‐ |
合計 | 60,000円 | 137,630円 | -77,630円 |
活動の継続に賛同して下さる方、ご寄付、支援グッズご購入など、財政面での支援をよろしくお願いいたします。
以上、簡略ながら1年目の報告として。
2005年3月17日
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