秋葉原で起きた凄惨な事件。突然、命を奪われた人たち、家族の命を奪われた人たちの思いは想像を絶する。
マスコミがこの事件を大きく扱うのは当然だろうが、遺族にカメラを向け、マイクを突き付ける無神経ぶりには無性に腹が立つ。犯人が取り押さえられる映像が繰り返しテレビで流れているが、顔を含めた姿を映しながら、手錠を掛けられた手元の部分だけをぼかしていることにもマスコミの偽善を感じて吐き気がする。
日本は先進国のなかでも治安が良く、未成年者によるものを含め、殺人事件の発生件数は減り続け、昨年は戦後最低を記録したそうだ。
だが、「体感治安」は悪くなっているという印象がある。それは個々の事件を扱うマスコミが、警察発表を無分別に垂れ流し、社会不安を煽っていることも大きな要因ではないだろうか。警察の手先となって犯人を追うような番組すらある。
最近の事件報道をテレビで見ていて感じることだが、逮捕される前の犯人の様子が映し出されることが多い。多くの場合は街中を歩いているところだったり、自宅玄関を出入りする様子だったりする。まだ公表されていない事件なのに、なぜ逮捕前の様子をテレビが撮影できるのか。当局のリークによって、予め逮捕予定の情報がマスコミに流れているからではないのか。えげつない話だ。マスコミはすっかり警察の広報機関に成り下がっている。マスコミが警察国家の提灯持ちに堕している。
秋葉原の事件は、池田小の事件からちょうど7年後に起きた。今年に入ってからでも「誰でもよかった」という殺人が連続して起きている。殺人事件の発生件数は減っているそうだが、「誰でも良かった」などという殺人は、社会に対する無差別テロではないだろうか。
アメリカ様と資本の論理を最優先し、弱者を切り捨て、労働環境や共同体を破壊する政治、弱い立場の国民に苦痛を押し付ける「痛みを伴う改革」が、社会に対する無差別テロのような殺戮を惹起しているのではないか。
小泉純一郎がへらへらと笑っているのをテレビで見るたび、強烈な怒りを覚える。
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最近、大麻栽培や所持で逮捕された人の近親者から寄せられる相談に、種を買ったことがきっかけで家宅捜索に入られる例が目立つようです。昨年の関東学院大学ラグビー部の事件以降、取締当局は種の販売についても規制を強化しています。購入者が栽培することを知りながら種を売ったとして逮捕されたり、逆に栽培で逮捕された人からの芋づるで、種を売っていた者が逮捕されたりしています。
大麻とは無関係のニュースを見ても、この国の官僚たちが腐敗し、退廃していることは明らかでしょう。国民の利益を考えない政治は薬物政策にも現れているということです。裁判員制度についても、本来の司法改革を潰すために、敢えてうまく機能しそうもない制度設計を打ち出してきたのではないかとさえ思えます。何が「サイバンインコ」だ。アホか。「サイバンインチキ」だろう。
*最近、サーバーが不調で落ちまくっています。個人的な事情で更新頻度も落ちていますが、諦めません、勝つまでは。夜明け前の闇が最も暗いと言います。気長に応援をお願いします。いつの日か、共にあさやけを拝みましょう。
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マル激トーク・オン・ディマンド 第374回(2008年05月31日)5金スペシャル
なぜ日本人は死刑が好きなのか
タイトルは挑発的だが、死刑だけではなく、メディア、司法、国家、社会、といった内容について語られている。
事実や実相が置き去りにされ、マスメディアを巻き込んだ、国家による印象操作によって現実が進行しているという意味では、大麻と大麻取締法も同じ俎上にあると思った。
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宗教「信じない」7割、「魂は生まれ変わる」3割…読売調査
5月29日23時41分配信 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080529-OYT1T00923.htm
読売新聞社が17、18日に実施した年間連続調査「日本人」で、何かの宗教を信じている人は26%にとどまり、信じていない人が72%に上ることがわかった。
ただ、宗派などを特定しない幅広い意識としての宗教心について聞いたところ、「日本人は宗教心が薄い」と思う人が45%、薄いとは思わない人が49%と見方が大きく割れた。また、先祖を敬う気持ちを持っている人は94%に達し、「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」という人も56%と多数を占めた。
多くの日本人は、特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強いようだ。
調査は「宗教観」をテーマに面接方式で実施した。
死んだ人の魂については、「生まれ変わる」が30%で最も多く、「別の世界に行く」24%、「消滅する」18%--がこれに続いた。
宗教を信じるか信じないか。魂は生まれ変わるか。議論としては、まず「宗教」や「魂」という言葉をどう定義するのか、という話になるかと思うが、万人が納得するような定義がなかなか難しい「宗教」や「魂」について、日本人がどう思っているのかを知る手掛かりとして、面白い。
この調査の設問全体がどのようなものだったのか分からないが、記事のタイトルに『宗教「信じない」7割』と書いてあるところを見ると、「あなたは宗教を信じますか?」というような設問があったのではないかと思われる。
あなたは宗教を信じますか?
私は、答えに窮してしまう。特定の宗教、例えば、キリスト教とか、仏教とか、イスラム教とか、あるいは各宗教のさまざまな宗派とか、宗教団体とか、そのような意味では私はどこにも属していないし、特にそれらを「信じる」という感覚はない。だからといって、別に疑っているわけでもない。「信じない」というほど意思的に否定する感覚もない。
「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」という人も56%と多数を占めた。
これもよく分からない。自然の中に人間の力を超えた何かを感じないことなど、私にはあり得ない。
今、外は雨だ。ずいぶん小降りになって、鳥の囀りが聞こえる。
それだけのことだが、これは人間の力でどうにかする話ではなく、人間もその一部である大いなる自然、あるいはこの存在そのものの神秘のなかで起きている。それは「人間の力」など超えているし、「人間の力」などちっぽけなものだと思う。
自然が猛威として人間に襲いかかることは、これまでにもあり、今この現在にも起きていて、これからもあるだろう。人間もその一部である大いなる自然を畏れ、祈り、感謝する感覚なら、私にもある。それは原始神道かもしれないと思ったりする。教祖もなく、教義もない。ちっぽけな自分や人間を超えた大いなる自然を、畏れ、祈り、感謝する感性。それもまた宗教であり、宗教性ではないだろうか。そうだとするなら、宗教は、私にとって、信じるものではなく、感じるものとしてある。
多くの日本人は、特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強いようだ。
それって、原始神道ではないのだろうか。
『宗教「信じない」7割』などと書かれると、なんだか日本人には宗教がないかのような印象を読者に与えかねないが、これは設問自体が、宗教を「信じるもの」として客体化・対象化する認識が前提になっている。
死んだ人の魂については、「生まれ変わる」が30%で最も多く、「別の世界に行く」24%、「消滅する」18%――がこれに続いた。
「生まれ変わる」と「別の世界に行く」というのは、どちらにしても魂が不滅であるということだから、足すと54%。
あるときは荒れ狂って人間に襲いかかる自然が、同時に豊穣の実りを与えてくれる。そのような万物の流転のなかに種としてのヒトも在る。
7割の人が宗教を信じていないというのは、日本人に宗教性がないということを意味しないと思う。「特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強い」のは、「信じる」のではなく「感じる」ものとしての、日本人の宗教観を表しているのではないだろうか。
全く神道的ではなかった一神教的な軍国主義としての国家神道のトラウマが、日本人の魂に流れる神道的感性を見えにくくしている側面もあるように思う。
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数日前、植草一秀氏のブログ「知られざる真実」が人気ブログランキングの政治カテゴリーに登録されていることに気付いた。植草氏は、かねてより小泉・竹中の経済政策を痛烈に批判していた。詳細を伝える関連サイトが多数あるが、ロッキード事件どころではない国家的経済事犯の可能性すらあるようだ。
植草氏が逮捕された事件でマスゴミは当局の発表を垂れ流し、報道機関の振りをしている権力の提灯持ち産経などは、「ミラーマン」などと侮蔑する記事を出している。
ミラーマン、改めて無罪を主張 控訴審初公判:03/17 11:47更新(裁判ニュース:イザ!)
ミラーマンが「女性セブン」と和解:04/04 21:11更新(裁判ニュース:イザ!)
“ミラーマン”植草一秀被告、痴漢行為で2審も実刑:2008.4.16 11:10(MSN産経ニュース)
植草氏を応援するサイトもあり、関連サイトへのリンクや事件についての経過などが書かれている。
AAA植草一秀氏を応援するブログAAA
植草氏の小泉批判は、民主党の小沢代表がまだ自由党党首だった頃から一貫している。
小沢一郎ウェブサイト「小沢一郎&植草一秀」ビック対談/夕刊フジ 2001年12月26日
ビデオニュース・ドットコムにも植草氏をゲストに招いた回があり、一部を無料で視聴できる。全編は315円で購入できるので関心のある方には安い買い物だと思う。
マル激トーク・オン・ディマンド 第283回(2006年09月01日)
シリーズ『小泉政治の総決算』その5
小泉内閣は改革政権にあらず:ゲスト:植草一秀氏(名古屋商大大学院教授)
植草氏が2004年に東京都迷惑防止条例違反で逮捕された件についても、ビデオニュース・ドットコムにご本人を招いて論じている。
マル激トーク・オン・ディマンド 第210回(2005年04月09日)
命をかけて無実を訴えていきます:ゲスト:植草一秀氏(エコノミスト)
この事件の時、植草氏は一審の有罪判決を受けて控訴しなかったが、不公正な司法に何の期待もできないことなどが理由だったと述べている。
過日、福島中央テレビのアナウンサーが「債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」というサイトから文章を盗用したことが発覚した。このぐっちーなる人物はその盗用について、「おい、人間としてのプライドはないのか?」と題する記事を書いている。が、その言葉がそのままぐっちーなる人物に跳ね返る事態になっている。
植草一秀の『知られざる真実』: 「債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」について
植草さん、頑張れ!
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ビデオニュース・ドットコムで公開された「マル激トーク・オン・ディマンド 第372回(2008年05月17日) 日本が再生可能エネルギーを推進すべきこれだけの理由」がとても面白かった。
タイトルは「推進すべきこれだけの理由」だが、内容は「推進できないこれだけが理由」でもあった。
欧米、中国、インドでは、再生可能エネルギーとしての風力発電の利用が急激に進み、『ドイツは、再生可能エネルギー関連産業を「21世紀の自動車産業」とまで位置づけ支援し、17万人の雇用創出をし、2兆5000億円の経済効果を発生させている』という。
ところが、日本はこの分野で大きく遅れ、未だに原発ムラでは無謀な画策が続いている。諸悪の根源は、官僚と電力会社と政治家の癒着構造だそうだ。
自然エネルギーを利用する政策について、欧米などでは国境を越えた議論があり、中国やインドもそのような世界的な知を共有する環のなかにいて、ドイツの成功例を採用し、風力発電を大きく伸ばしている。ところが、日本の官僚機構は鎖国状態で、海外で流通している知を共有できていない、知ろうともしていない現実があるのだという。
ダメだこりゃ。大麻も同じ。経済産業省も厚生労働省も同じ。防衛省も、外務省も、国土交通省も、もうみんな霞ヶ関は同じ穴の疫病神。
日本社会は、明治維新以来の変革期を迎えているのでしょうね。戦争に負けて統治システムに「民主主義」の概念が導入されたけど、統治しているのはずっと同じ官僚機構。道州制も、いつになったら本格的な議論と実現性が見えてくるのやら。
ビデオニュース・ドットコム、大手メディアでは絶対にできないような、真相に迫る番組がとても多く、これで月500円は安い、超オススメです。下はプレビューで、登録すると全編が見れます。
関連情報
無謀なプルサーマル計画再始動か?
民事訴訟法に明確に違反したもんじゅ最高裁判決 海渡雄一(もんじゅ訴訟弁護団)
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アメリカ大統領選挙の予備選で、民主党のオバマ氏が勝利宣言をしたとニュースが報じていた。自身が大麻ユーザーだったというオバマ氏は、現在の連邦政府による医療大麻弾圧を止めると公約しており、このまま弾圧を続けるつもりの共和党候補マケイン氏よりも、大麻の法的な扱いについて期待が持てる。
対米追従の日本はどうなるだろう。オバマ氏が大統領になり、連邦政府レベルで医療大麻を公認することになれば、厚生労働省も医療大麻を理解しようとするだろうか。大麻取締法の見直しを求める動きにとって、プラスの材料になるだろうか。
現在、大塚製薬は米国でサティベックスの研究開発を行い、販売を視野に入れているようだ。当然日本国内の市場も狙っているだろう。製薬メーカーとしては、誰でも栽培できる大麻そのものを商品化しても儲からない。あくまでもサティベックスのような大麻製剤として、既存の医薬品マーケットに限定して流通させようとするだろう。さまざまな疾病に効果がある大麻そのものの話が、製薬メーカーと官僚の癒着構造に呑みこまれ、加工された薬剤としてのカナビノイドの話にすり替えられてしまうキケンを感じる。製薬メーカーによって製造された大麻製剤はOKだけど、大麻そのものはダメゼッタイ。製薬メーカーと厚労省が結託し、厚労族議員を抱きこんで、そのような施策を取ろうとするのではないだろうか。
でも、いずれにしても、マケイン氏よりはオバマ氏に大統領になってほしいなーと、属国の国民としては期待する。
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裁判員に「心のケア」24時間の電話相談
2008/05/12 06:36【共同通信】
来年5月の裁判員制度導入に向け、最高裁は、殺人事件などの審理で精神的ショックを受けた裁判員を対象に、24時間態勢の無料電話相談窓口や心理カウンセラーによる面談を受けられる「心のケア・プログラム」を設ける方針を決めた。
裁判員裁判の対象事件は殺人や強盗致傷などの重大事件。審理の中で、遺体の解剖写真や凶器、残酷な犯行場面の再現などを見たり、被害者や遺族の話を聞いたりして、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になる可能性が指摘されている。
裁判員制度に対する最近の意識調査でも、参加に消極的な人の多くが理由として「心理的な不安」を挙げており、最高裁は不安を解消してもらうため、陪審制のあるオーストラリアや米国の複数の州でも採用されている類似の制度を参考に、プログラムを考案した。
共同通信:http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008051201000025.html
来年5月から始まる裁判員制度では、7割の裁判が3日以内で終わるので、裁判員が長期間に亘って拘束されることはないと最高裁は説明している。だが、裁判員制度が適用になるのは引用記事の通り、殺人などの凄惨な事件だ。場合によっては、今日知った事件について、明後日には死刑の判断を下さなければならないことになる。それまで事件や裁判などと無関係に生活してきた国民に、そのような判断が下せるだろうか。精神的な拷問にすら思える。あまりにも無理があるのではないだろうか。
冤罪が必然的に起きる現状なので、司法改革は必要だと思うが、なぜ裁判員制度なのだろう。そのような議論や説明が置き去りにされたまま、形式的に国民参加を導入し、国際社会から繰り返し指摘される日本の司法制度への批判をかわそうとしているように感じられる。
日本の司法の最大の欠陥は、最高裁長官が内閣の指名によって決まる点にあると私は思う。戦後、例外的な一時期を除いては、政権交代もなく、自民党の長期政権が続いてきた。首相を始め大臣の顔ぶれが変わっても、同じ穴の狢。そのようななかで実質的に行政を牛耳る官僚が腐敗し、裁判所は政権与党の顔色を窺うような判決を多発する。このような三権分立の不徹底が本質的な問題なのではないだろうか。最高裁長官も日銀総裁のように国会の同意を要する人事システムにすれば、時の政権におもねる司法判断ばかりが出される状態を回避できるように思うのだが。
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マスコミが流す事件情報は、多くの場合、警察や検察の発表がネタになっている。そのことを記事に明記してあれば、読者は警察や検察が出した情報として認識できるが、まるで記事を書いた記者が見てきた事件であるかのように書かれている場合も多い。例えば、次のような事件報道があった。
傷害:女子中学生、髪切られる--愛知・半田の路上
6日午後0時40分ごろ、愛知県半田市北二ツ坂2の路上を歩いていた中学3年の女子生徒(14)が、後ろから近付いた男にポニーテールにまとめた髪をつかまれ、先端部分約7センチを切り落とされた。女子生徒が大声を出して逃げて振り返ると、男は逃走した後だった。女子生徒にけがはなかった。県警半田署は傷害容疑で男の行方を追っている。【加藤潔】
毎日新聞 2008年5月7日 中部夕刊
http://mainichi.jp/chubu/archive/news/2008/05/07/20080507ddh041040004000c.html
同じ事件を読売は次のように書いている。
中3女子のポニーテール、男が切り逃走…愛知・半田
6日午後0時40分ごろ、愛知県半田市北二ツ坂町の路上で、部活動を終えて帰宅途中の同市立中学3年の女子生徒(14)が、後ろから近付いてきた男に、いきなりポニーテールの後ろ髪(約7センチ)をつかまれ、根元からはさみのようなもので切られた。
女子生徒が大声を上げて逃げ、振り返ると、男の姿はなかった。
県警半田署が傷害事件として捜査しているが、発表によると、男は30歳位のやせ形で、身長約1メートル70。切られた髪は現場になく、男が持ち去った可能性が高いという。
(2008年5月6日16時23分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080506-OYT1T00382.htm
この事件は、その後、女子生徒の狂言だったと続報が出た。嫌な事件でなかったことは良かったが、毎日と読売の一報だけを見ると、警察発表であることが書かれていないので、あたかも事件そのものが既に事実として確認されているかのような印象を受ける。
この報道に関しては、事件そのものがなかったことが明らかになったが、警察や検察の発表であることを伏せて、まるで記者自身が見てきたような書き方をすると、読者は報道を事実であると誤解してしまう。
光市母子殺人事件の報道では、犯人の元少年は乳児を頭から床に叩きつけて殺害したとされていたが、これも警察や検察の発表であって、事実そのものかどうかは分からない。供述調書に書かれているとしても、その調書自体が取り調べで作文されたものに過ぎない可能性もある。最高裁から担当した弁護団は、鑑定書などを調べ直し、遺体にはそのような痕跡はないと言っている。
もちろん、私はこの犯罪自体を擁護する気など毛頭ないが、当局の発表をそのまま垂れ流し、あたかもそれが事実であるかのような心象を社会に形成してしまうマスコミのあり方に強い疑問と危惧を覚える。
因みに、朝日と産経は同じ警察発表を次のように報じている。
部活帰りの中3女子が髪切られる
6日午後1時ごろ、愛知県半田市北二ツ坂町路上で、部活帰りの同市の中三女子生徒(14)が見知らぬ男に髪を切られたと半田署に通報があった。生徒にほかにけがはなかった。同署が傷害事件として男の行方を追っている。
調べでは、同日午後0時40分ごろ、女子生徒が北二ツ坂町の公園近くを歩いていて、後ろから来た30歳ぐらいの男に突然後ろ髪をつかまれ、ハサミのようなもので約7センチ切り取られた。生徒が大声を上げると、男は走って逃走。髪の毛は持ち去ったとみられる。
同署によると、男は身長170センチぐらいのやせ形で暗い色のTシャツとジーパン姿だったという。女子生徒は赤いジャージー姿だった。
2008.5.6 17:13
MSN産経ニュース:http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080506/crm0805061712017-n1.htm
帰宅中の女子中学生、男に髪切られる 愛知・半田
2008年05月07日10時01分
6日午後1時ごろ、愛知県半田市北二ツ坂町2丁目の路上で、歩いて帰宅途中だった女子中学生(14)がハサミのようなもので髪を切られた、と半田署に届けがあった。同署は傷害容疑を視野に捜査している。
調べでは、同日午後0時40分ごろ、女子生徒が路地を歩いていたところ、突然後ろから近づいてきた男に後ろで束ねていた髪をつかまれ、約7センチほど切られた。女子生徒は大声を出して走って逃げ、しばらくして振り返ると男の姿はなかった。見知らぬ男だったという。男は30歳前後で身長約170センチ、やせ形でジーンズにTシャツを着ていたという。
asahi.com:http://www.asahi.com/national/update/0507/NGY200805070002.html
蛇足。事件は女史中学生のウソだったという毎日の続報は以下。
愛知・半田の傷害:「髪切られた」女子生徒のうそ
愛知県半田市の中学3年生の女子生徒(14)が6日、見知らぬ男に「ハサミで髪を切られた」と届け出た事件は、県警半田署の調べで9日、生徒の虚偽だったことが分かった。
調べでは、生徒は母親から散髪するように言われ、3日に美容院に行ったが、友人とも美容院へ行く約束があり、3日後、また美容院に行き髪を切った。ところが髪が短くなりすぎ、「母親に2度行ったことがわかるとしかられる」と思い、うその届けをしたという。8日夜、生徒は両親らと一緒に同署に虚偽だったことを届け出た。【河部修志】
毎日新聞 2008年5月9日 中部夕刊
http://mainichi.jp/chubu/news/20080509ddh041040007000c.html
マスコミの報道を鵜呑みにすると危ない。
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大阪拘置所の独居房に収監されたときに思った。もし火事や自然災害が発生したとき、内側からは開けることのできない鉄扉に阻まれて、房から出られず、逃げ遅れるのではないか。収容されている人数は多く、刑務官は少ない。大きな地震が必ず来ると言われているが、日本の刑事施設は大丈夫なのだろうか。
ビルマの軍事政権についての報道を見ていると、私には日本の官僚独裁政権が二重映しに見えてくる。あからさまな武力ではなく、もっと巧妙で狡猾な支配。
刑務所で暴動、囚人36人を軍が射殺 サイクロン直撃下のビルマ
日刊ベリタ 2008年05月07日17時59分
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科学者を中心に構成される諮問委員会の勧告を無視し、ブラウン首相とスミス内務大臣は大麻の規制をCからBに戻すことを表明したそうです。
ブラウン首相の支持率は低迷しており、先の統一地方選挙でも大敗したことがニュースで報じられていましたが、この決定は警察組織にも不評なようです。
全国警察署長協会(ACPO)は、現在の政策が期待どおりの成果を上げているとして、議会がいかなる決定を下しても、軽微なカナビス事犯を逮捕するために時間や経費の浪費することを拒否するという声明を今月の始めに出している。
首相の決定に警察署長協会がNOを言えるというのは羨ましい話です。規制変更が実施されるのは議会の承認を得た後の来年初頭になりそうだとのことですが、不人気のブラウン首相がいつまで政権を維持できるのか、我が国の首相とどちらが先にその座を去るか、気になるところです。
科学者たちが、科学的な根拠を示してクラスCに据え置くことを勧告しているのだから、それを無視した決定はできないのでは、と個人的には思っていたのですが、推測がハズレました。スミス内務大臣は、大麻を使用すると気が狂うと言っているそうですが、自身はオックスフォードの学生時代に大麻を吸っていた経験があるそうです。自説を身をもって証明したということでしょうか。
イギリス政府 カナビスの罰則強化を公式に表明
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大麻にはさまざまな疾病に対する治療効果がある。そんなことは今さら言うまでもなく明らかなのに、日本では医療目的で使うことを懲役刑で禁じている。
こんなバカげたことが罷り通っているのも、自分たちの既得権益の保守と拡大にしか興味がない厚生労働省の怠慢と腐敗が原因だ。
カナビスの煙には肺癌を抑える抗癌作用がある
カナビス喫煙では肺癌にならないばかりか、抑制効果すらある……
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裁判員制度についての疑問の続き。
もし、被告人が、調書に書かれていることは刑事たちに脅されて無理やり著名させられたもので、事実は違うのだと裁判で主張したら、裁判員はそれをどのように確認できるのだろう。自白偏重の現状では、裁判員は、職業裁判官に「供述調書には証拠能力があります」などと説明され、法廷での否定は罪を免れるためだという心象に誘導される危険はないだろうか。3日で終わらせるためにも。取り調べの様子を全て録画録音してあれば一目瞭然だが、警察はそれを拒んでいる。見られると困るような秘め事をしているから可視化を拒んでいるとしか思えない。取調室にも死角のない監視カメラが必要だ。
凄惨な現場の写真など見せられて、さあ3日後に裁けと言われたって、そんなことできるわけがない。苦痛以外のなにものでもない。もっとも、裁判員は任命される前に思想調査のようなものがあるようだから、大麻取締法は憲法違反、それについては無罪だと主張する者は、端から裁判員に交ぜてもらえないのかもしれない。
死刑執行をベルトコンベアー化したい鳩山法務大臣の下での、裁判のベルトコンベアー化。逮捕から死刑執行までの合理化。
日本政府に対する国連拷問禁止委員会の勧告を読むと、いわゆる「国際社会」が日本の刑事行政をどう見ているのかがよく分かる。
日本に対する国連拷問禁止委員会の結論及び勧告/2007年5月18日
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あまりにも冤罪が多いので、裁判に国民の目も入れたほうがいいのではないかと、漠然と裁判員制度に期待を持っていた。だが、知れば知るほど問題が多いと感じるようになった。最高裁の「裁判員制度Q&A」を読んでいると気が重くなる。
裁判員候補として呼び出され、嫌だと思って行かないと10万円以下の罰金。
裁判員候補者として呼出しを受けたにもかかわらず,裁判所に行かないと,罰せられるのですか
殺人などの重大な犯罪について国民が裁判官と一緒に判決を下すことになるが、証拠調べで、凄惨な現場の写真などをしっかりと見ないといけない場合もあるようだ。
死体の写真なども見なければいけないのですか
裁判は、約7割の事件が3日以内で終わると見込まれているらしい。真実の追究がおろそかになる可能性が高いうえ、短期間の審理で「死刑」とか「無期」とか結論を出さなければならない。本当に自分の判断が正しかったのだろうかと誰かに相談したくても、「どのような過程を経て結論に達したのかということ(評議の経過),裁判員や裁判官がどのような意見を述べたかということ」は、守秘義務があって他言は許されない。
具体的にはどのような秘密をもらしてはいけないのですか(守秘義務の対象)
来年の5月から始まってしまうらしい。大丈夫だろうか。
精神的に参ってしまう人が頻出するのではないだろうか、と思っていたら、反対派の記述に次のようにあった。
最高裁が「法廷で残忍な犯行場面の再現で精神に変調をきたしたり、自分の評決に悩む市民の『心のケア』を考える」と言い出したことは、この制度の矛盾を極致的に示していると言えます。
裁判員制度はいらない! 大運動
裁判員制度自体が何かの刑罰のように思えてきた。
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