最高裁の上告棄却決定に対する異議申立です。
平成28年12月9日
最高裁判所第三小法廷 御中
平成28年(あ)第1444号 大麻取締法違反被告事件
被告人 白坂 和彦
異議申立書
上記大麻取締法違反被告事件について、平成28年12月7日付上告棄却決定に対して、下記の理由により異議の申立てをする。
記
結局のところ、一審、二審、最高裁まで、裁判官たちは、学術論文やニュースやドキュメンタリー動画など、私と弁護人が100点を超える証拠を提出して求めた、大麻の有害性の程度についての審理を、一切行いませんでした。
そうこうしているうちに、米国では先の大統領選と同時に行われた各州の住民投票の結果、既に合法だった州と合せ、ついに28州とワシントンD.C.で医療または嗜好用の大麻が合法化されました。
一審から最高裁まで、裁判官たちは、大麻の科学的事実と、大麻を巡る世界的な社会環境の変化に目を閉ざし、口を閉ざし、耳を閉ざし、猿から進化しませんでした。猿に裁かれたかと思うと、私はご先祖様に申し訳なく、私のご先祖様も猿だったかもしれませが、残念です。
私は、大麻取締法の問題に取り組むまで、裁判所や裁判官に一定の尊敬、あるいは敬意を持っていました。ところがどうでしょう。大麻取締法の問題点を主張する裁判に関われば関わるほど、私に内在していた司法や裁判官に対する尊敬や敬意は薄れ、所詮は属国の裁判官、砂川事件の頃と何も変わっていないし、「司法の独立」や「三権分立」なんて嘘っぱちのデコッ八、そう実体験として知ることになり、この度の上告棄却、ここに裁判所並びに裁判官への尊敬や敬意は麻の煙の如く雲散霧消し、憐憫に近い感情が取って代わろうとしています。
逮捕当初に選任した弁護士二名の着手金や日当や交通費、その二名の解任と退任で交代した弁護人への諸費用、一緒に捕まった人の弁護料も出したし、学者への謝礼20万などなど、支援者からのカンパを含め、これまで500万円近く裁判に使いました。裁判長、返してくれませんか。一切まともな審理もせず、私は裁判所にペテンにかけられ財産を奪われた気分です。
最高裁の判事席は、科学的事実を認識できないほど認知症の進行した高齢者が座るシルバーシートですか? 所詮、キンタマ抜かれた裁判宦官、最初からついてない人は仕方ないけど、と、司法に見切りを付けるしかないのでしょうか。
日本を悪くしている大きな要因のひとつは、あなたたちのような司法エリートにあり、あなたたちの責任は極めて重大だと私は考えています。やがて歴史に裁かれるのはあなたたちだと私は思います。
とりあえず、大麻をどうするか、日米合同委員会で確認してください。
大切なことなのでもう一度書きます。
裁判長、返してくれませんか。一切まともな審理もせず、私は裁判所にペテンにかけられ財産を奪われた気分です。
以上
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最高裁による上告棄却決定です。
平成28年(あ)第1444号
決 定
本籍・住居 埼玉県上尾市●●●●●●●●
会社代表者 白坂 和彦
昭和37年5月4日生
上記の者に対する大麻取締法違反被告事件について,平成28年9月9日東京高等裁判所が言い渡した判決に対し,被告人から上告の申立てがあったので,当裁判所は,次のとおり決定する。
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人細江智洋及び被告人本人の各上告趣意のうち,憲法違反をいう点は,大麻には有害性がないとか有害性が極めて低いものであるとはいえず有害性を否定し得る程度に有用性が明らかとはいえないとした原判断は相当であるから,前提を欠き,その余は,単なる法令違反の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
よって,同法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
平成28年12月7日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 木内 道祥
裁判官 岡部 喜代子
裁判官 大谷 剛彦
裁判官 大橋 正春
裁判官 山崎 敏充
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以下、弁護人提出の上告趣意書です。弁護人の上告趣意書作成にあたっては、弁護士がある憲法学者にお会いして助言を頂き、ドイツ憲法学の観点から、新たな論点を織り込んでいます。が、日本の裁判所は機能不全、脳死状態なので、最高裁には黙殺されました。
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被告人による上告趣意補充書です。
平成28年11月10日
最高裁判所第三小法廷 御中
平成28年(あ)第1444号 大麻取締法違反被告事件
被告人 白坂 和彦
上告趣意補充書(1)
控訴審において、被告人の控訴趣意書提出期限が延長されなかったため、私の提出した控訴趣意書は受理されず、陳述書として提出し直したが裁判官が採用しなかったので、改めて上告趣意補充書(1)として提出する。
長野地方裁判所松本支部で本間敏広裁判官により一審判決が言い渡されたとき、私は、キツネにつままれたような、タヌキに化かされたような、異界の森に迷い込んで言葉の通じない動物から意味不明の糾弾を受けているような、見当識を失うような、そんな気分になりました。ここはどこ? 今はいつ? 何言ってるの?
私は、証言台の前に立ち、静かに判決を聴いていました。言い渡しを終え、判事席の後ろの大きな扉の向こうに消える黒い法服の裁判官が、慌てて逃げる魔界からの使者のように私には感じられました。
私は、学術論文を含む数々の書証によって、大麻には懲役刑を科して規制するほどの有害性・危険性はないこと、敗戦後、日本に大麻規制を強要した米国や、その他の国々における大麻に関する現在の社会的現実なども示しました。
弁護側が提起した論点は、大麻の有害性の程度であり、その有害性の程度が懲役刑に値するかどうか、医療使用を一切禁止すべきほどに有害なのかどうかです。
ところが、判決は、「しかしながら,程度の高低はともかくとして,大麻が一定の精神薬理的作用を有しそれが人体に有害なものであることは公知の事実」であると、卓袱台をひっくり返すような、いったい今までの審理は何だったのかと、腰が抜けるような、吉本新喜劇のギャグとしか思えないようなことを言うのです。
いくらなんでも「程度の高低はともかくとして」はないでしょう。それこそを延々と問うてきたのです。私は証言台の前でコケようかと思いました。
そもそも、薬物の規制は、個人や社会に与える悪影響、有害性や危険性の「程度の高低」こそが問題の核心であり、その有害性や危険性の「程度の高低」によってこそ、規制内容が定められるべきでしょう。一審判決は本末転倒です。
こうして本件裁判を続けているあいだにも、米国ではすでに26州が医療大麻を合法化しています。ついに過半数の州を超えました。
ところが、日本では大麻取締法第4条の規定によって、大麻の臨床研究すらできないのです。海外では大麻の科学的な研究が進み、大麻規制がもともと緩い欧州諸国はもとより、北米でも中南米でも医療と嗜好の大麻合法化の動きが加速しています。
大麻取締法を合憲とした昭和60年の最高裁決定が認めた大麻の有害性は、現在では科学的に否定されていること、むしろ海外では臨床を含む数々の研究によって大麻の治療効果が明らかになっており、癌の疼痛緩和などを目的として病院で入院患者が大麻喫煙するイスラエルの様子など、CNNのサンジェイ・グプタ博士による医療大麻ドキュメンタリーを法廷で再生した通りです。
昭和60年の最高裁決定から31年。世紀も更新した現在では、当時の認識とは全く異なる大麻の科学的事実を示す多数の学術文献が存在し、大麻容認どころか既に一大産業と化している国際社会の現実があるなか、いつまで日本はこんな馬鹿げた大麻弾圧を続けるのでしょうか。
この裁判で問われているのは、もはや大麻の科学的事実などではありません。問われているのは、科学的事実を前提としないカビの生えた判例を裁判所はいつまで踏襲し続けるのか、という日本の司法の健全性です。それはつまり、日本の三権分立が改めて問われているのであり、個々の裁判官の良心が問われているのです。本間さんは残念でした。
大麻の科学的事実をまったく検証せず、大麻の有害性の程度について判断を回避した一審判決にはまったく納得できません。それどころか、本間裁判官は判決のなかで、「被告人が,捜査及び公判を通じて心情の変化は特にみられないものの」と、まるで私が大麻取締法の違憲を主張していること自体に問題があるかのように書いています。これは思想や信条を侵害する判断であり、まともな審理もしないでよく言うよと私は感じる次第です。
控訴審において、大麻の科学的事実を検証し、現行の罰則規定が妥当であると言えるのか、とりわけ、第4条で医療的な使用すら例外なく禁じているのは憲法違反ではないか、という点について審理するよう切に求めます。
大麻取締法問題は、単に嗜好品としての是非ではなく、いまや自己治療目的で必要とする病人たちにとって、命に関わる切実な問題なのです。先日も、自己治療目的で大麻を所持していた末期癌の患者が、逮捕起訴され、東京地裁で公判にかけられ、判決に至らぬうちに亡くなるという悲劇がありました。裁判所は、これからも続々と増え続けるであろう同種「事件」の裁判において、自己治療目的で大麻を所持していた重篤な病人を有罪として、犯罪者にし続けるのでしょうか。
証拠として提出し、法廷で再生されたVICEのビデオに登場した末期癌のPOPさんが2月に亡くなりました。彼女は、良質の生大麻ジュースを摂取することで、昨秋には腫瘍マーカーが7000代から3000代にまで下がりましたが、法に阻まれ、副作用もないその良薬を入手し続けることができなかったのです。
判決を待たずに先日亡くなったY氏やPOPさんを殺したのは大麻取締法であり、このようなデタラメな裁判を続ける三権の一翼、司法の責任でもあります。
大切なことなので何度でも言います。大麻に問題があるのではありません。大麻取締法に問題があるのです。問われているのは司法の独立であり、三権分立であり、民主主義であり、裁判官の良心です。
私はこれまでの15年間に、大麻取締法の違憲を主張する裁判に、被告人としてだけではなく、支援者としても数多く関わってきました。しかし、いくら弁護側が大麻の科学的事実や世界的現実についての証拠を提出しても、検察は審理から逃げて証拠採用に同意せず、裁判官も同様でまともな審理をせず、検察官と裁判官は、事実も論理も正義も放り投げ、ひたすら判例との辻褄合せに終始してきました。そこに保身以外の何があるのでしょうか?
すでに述べた通り、この裁判で問われているのは、もはや大麻の科学的事実などではなく、日本の司法の独立であり、裁判官の良心が問われているのだと私は認識しています。
私は、日本社会をより良くしたいと願い、学術論文や海外の状況など、事実を提示して、時間とお金と労力を費やして裁判を続けてきました。が、これでも裁判所がデタラメな判決を出し続けるなら、私はもうこんな悪法には金輪際従わないことを裁判所に宣告します。
私は、大麻取締法に対し、非暴力不服従を宣言します。
以上、控訴理由です。
了
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以下の上告趣意書を最高裁に提出しました。
平成28年11月3日
最高裁判所第三小法廷 御中
平成28年(あ)第1444号 大麻取締法違反被告事件
被告人 白坂 和彦
上告趣意書
一審でも、二審でも、検察と裁判所は、大麻の科学的事実や海外の社会的現実について、相も変わらぬ、見ざる、言わざる、聞かざるの、猿でした。
私は、大麻取締法に関して、非暴力不服従を宣言します。
以上
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公判前日のお知らせにも関わらず、信濃毎日新聞の記者がわざわざ長野県から傍聴と取材に来てくれたのは驚きだった。訊くと、私の一審判決についても記事にしてくれたそうだ。図書館にでも行って読んでみることにしよう。
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(訂正)控訴審で請求した内容は正確には「事実取調べ請求書-細江智洋弁護士[2016-08-12]」の通りです。
明日、私の裁判の控訴審、第1回公判が東京高裁で行われます。14時から。こんなことで目立ちたいわけでも売名したいわけでもなく、むしろホントはさっさとやめたいので、傍聴を呼びかけるつもりもありません。
この裁判では昭和60年の最高裁判例を見直すよう求めているので、淡々と最高裁までやるつもりですが、率直なところ、東京高裁のヒラメ裁判官たちにはまったく何も期待していません。私がこれまで何度も関わってきた大麻裁判で証明してきたことは、結果として、日本の裁判はデタラメで、「司法の独立」とか「三権分立」など絵空事でしかないという現実です。
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以下、被告人による陳述書です。控訴趣意書を提出しましたが、手違いで私の提出した趣意書は受理されていないとのことで、加筆して陳述書として提出しました。
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