カナビスの主要報告書年表



1894年 イギリス・ヘンプ調査委員会
インドにおけるヘンプ調査委員会報告書

"当委員会は、実際上、ヘンプの適度な使用においては悪い影響は全くないとの結論に達した。"

1925年 アメリカ・パナマ運河委員会
パナマ運河地区軍に関する調査報告書

"マリファナの影響は・・・明らかに過大に誇張されたもので・・・個人の使用で目立つほどの害があるという証拠はない。"

1944年 マリファナに関するニューヨーク市長諮問委員会
ラ・ガルーディア委員会報告書

"暴力犯罪とマリファナの間には直接的な関連性はなく・・・マリファナそのものに性的欲求を刺激する特別な作用はない。マリファナの使用は、モルヒネやコカイン、ヘロインの中毒を引き起こすことはない。"

1969年 イギリス、薬物依存に関する諮問委員会(ウットン委員会)
ウットン・レポート

"マリファナの使用について過去にひろく信じられていたことは・・・誇張されたもので・・・西欧社会においては、カナビスの喫煙が、直接、深刻な身体的危険に関連しているという証拠はない。"

1970年 カナダ政府調査委員会 (レ・ダイン委員会)
ドラッグの非医学的使用

"カナビスは明らかに麻薬ではないので、カナビスの規制は麻薬規制法から除外することを勧告する・・・委員会の見解とすれば、単純所持に対しては誰も法的な責任を科せられるべきではない。"

1972年 マリファナとドラッグに関するアメリカ連邦委員会 (シャーファー委員会)
マリファナ、誤解のシグナル

"マリファナの大多数の使用者への害の可能性および社会に対する影響は、それを使う者を追求し厳しく罰するほど大きくはなく・・・現行の法と社会政策は、マリファナによって生じる個人及び社会へ与える害とのバランスを逸脱している。"

1972年 オランダ、麻薬に関するワークグループ(バン委員会)
ドラッグ使用の背景とリスク

"カナビスには耐性や身体的依存性はない。カナビス使用による精神的影響については、比較的害は少ない。"

参考:
ダッチ・エクスペリエンス、第5章 コーヒーショップ の バックドア
The case of the two Dutch drug policy commissions   An exercise in harm reduction 1968-1976  Peter Cohen
ドラッグ使用をめぐる寛容性の社会的組織化  佐藤哲彦

1977年 オーストラリア、社会福祉に関する上院常任委員会 (ボーム委員会)
オーストラリアのドラッグ問題--酩酊社会なのか?

"当然のことながら、法規制によって、ドラッグの使用そのものよりも社会のダメージのほうが大きくなってはならない・・・カナビスの合法化は、麻薬とカナビスの健康への影響に際立った相違があるとの認識の下で行わなければならない・・・個人使用目的でのマリファナの所持は、もはや刑事犯罪として扱うべきではない。"

1982年 アメリカ学術研究会議
マリファナ政策に関する分析

"規制政策を行うことの利点は・・・法執行における社会の経済コストの節約・・・マリファナの品質と安全性に対してより適切なコントロールが可能となり、その結果、リスク警告への信頼性をいっそう高めることができる。"

1994年 D.マクドナルドほか、オーストラリア国家特別委員会報告書
オーストラリアにおけるカナビスの法的選択について

"オーストラリア人は、カナビスの禁止政策を維持するほうがドラッグを使用で受けるよりもより害があると感じている・・・委員会としては、この国ではカナビス法を改正することが求められているとの結論に達した。"

1995年 オランダ、健康・福祉・スポーツ省
オランダのドラッグ政策、継続すべきもの、変更すべきもの

"オランダでは、マリファナの個人使用に対する販売をそれなりに認めてきたが、厳しい禁止政策を取っている国々に比較して、使用水準が目立って高くなるようなことにはなっていない・・・ここ20年以上にわたるオランダのドラッグ政策は・・・成功したと言える。"

2002年 カナダ、違法ドラッグに関する上院特別委員会
カナビス、カナダの社会政策の立脚点、概要報告

"大多数の科学的な証拠からは、カナビスのほうがアルコールよりも害がずっと少ないことが示されており、マリファナは刑事問題ではなく、公衆衛生の問題として扱うべきである。"