伝統のカナビス・コミューニティ


アンデルセンで有名なデンマークは人口200万足らずの小さな国だが、北ヨーロッパでは最初の王国ができたところで文明も進んでいる。共同体が数千あるといわれ自治意識が強く解放された独特の気風がある。その中でもクリスチャニアは首都コペンハーゲンの真ん中にありながら住民によって独立国家のような運営が行われている。クリスティアニアの正門を出る側の看板には「ここよりECに入ります」と書かれている。



1970年代始めまでクリスチャニアは軍の基地だった。街の中心にあったので移転することになったのだが、そこにヒッピーたちがきて住みついてしまった。政府は新しい自治の実験として3年間の使用を認めたが、その後は返還を求め、拒否する住民と度々衝突が繰り返された。今でも都心再開発を名目に返還要求があるが、クリスチャニアは国民の中にすっかり定着しデンマーク人の誇りにすらなっている。

クリスチャニアのルールの基本はノー・ハードドラッグ、ノー自動車、ノー暴力で、自分の行動に対して強い責任が求められる。その上でカナビスを吸うことも含め最大の自由が与えられる。コミュニティーそのものに実験的な側面があり、例えば、ムーンフィッシャー・コーヒーショップは住民のワーカーズ・コレクティブで運営され特定のオーナーはいない。また、現在、プッシャー・ストリートのハシシ・スタンドは度重なる圧力を受け自主的に撤去している。

休日には多くの人々が訪れるが、もともと観光地ではないのでむやみに写真を撮ったりすることは禁止されている。