英保健省、異物混入バッズに警告

医療関係団体の従事者への周知徹底を求める

Source: UK Dept of Health
Pub date: 17 Jan 2007
Subj: WARNING from Dept of Health about contaminated cannabis in the UK
http://www.ukcia.org/news/shownewsarticle.php?articleid=12129


プライマリー・ケア・トラスト(PCT)の責任者およびすべての開業医の方々は、看護士や補助員をはじめとするすべての医療関係者に次の情報を徹底するようにお願いします。


警告: 粉末ガラスで汚染されたスカンク・タイプのカナビスについて

1. 最近、保健省に、スカンク・タイプのカナビス・バッズの一部が、顕微鏡レベルの微細な粉末ガラスのような混入物で汚染されているという情報が寄せられている。検査をしたラボでは、別々の地域から集められたカナビスのサンプルから同じような微細なガラスを確認している。現在までのところ、バッズを除くハシシなどのカナビスについては、そのような情報は伝えられていない。

2.未確認だが、この汚染カナビスを吸って、口の痛み、口内炎、胸部を中心とした持続的な咳、胸部の圧迫感など数日間続いたというユーザーの声があると伝えられている。

3.政府は、これまでも、カナビスが健康に害のあるドラッグであると警告してきたが、このガラス汚染物はさらに別の種類の危険をもたらしている。この汚染物が健康へどのような害になる可能性があるかについてはまた正確には明らかにされていないが、明らかに、高温のガラス粒子を口や喉、肺に吸い込むことは避けなければならない。

4.現時点で保健省は、特にスカンク・タイプのバッズのスモーカーに注意するように呼びかけている。

5.汚染していたと思われるカナビスを吸って健康を気遣っている患者さんや、カナビスのリスクが高まったことで健康アドバイスを積極的に受け入れそうな人たちに対しては、次のような忠告が役に立つ。
  • これまでのところ、この汚染混入物による深刻な健康被害は報告されてはいないが、このカナビスを吸ったスモーカーにどのようなリスクがあり得るのかについては十分に把握できていない。

  • カナビスを吸ったあとで、口の痛み、口内炎、胸部を中心とした持続的な咳、胸部の圧迫感など数日間続いたという事例報告がある。

  • 汚染カナビスのリスクを完全に避けるためには、カナビスを吸うことを中止するように患者さんに忠告する。

  • どうしても止められない患者さんについては、極力やらないように忠告する。

  • カナビスの使用を続ける患者さんに対しては、特定の供給元のカナビスで口や気道に炎症や刺激を感じたり、汚染の疑われるカナビスを湿らせた指で揉んでザラザラ感がある場合は、ただちに供給をストップして、以後、同じ供給元から入手して使わないように忠告する。

  • 自分からカナビスを止めようと考えている患者さんには、トーク・ツー・フランクのウエブサイト(www.talktofrank.com)を参考にするように忠告する。

6.保健省では、NHSにこの警告を送付したあとで、各種のチャンネルを通して同様の情報を直接一般国民やドラッグ・ユーザーのネットワークにも知らせることにしている。

7.さらに、一般国民に直接情報提供する一環として、カナビス・スモーカーに対しても次のような忠告をつたえる。汚染の可能性にあるカナビスを吸ったあとでいつもと違った症状を感じたりや健康に懸念が起こった場合には、主治医とその症状について相談すること。緊急を要して、主治医のところに出向けないときには、事故救急病院に駆けつけること。

8.関連する他の情報が入り次第、保健省はこの警告を更新して医療関係者に伝える。

この文書は、イギリス保健省が公式に発表したもので、文書の参照番号は7708号になっている。

遂に、保健省が異物混入バッズ 「グリット・ウイード」 に警告を発表

イギリス政府は、遂に、グリット・ウィード問題を認め、保健省から一般国民向けに健康への警告を発表した。内務省の政策でこの問題が引き起こされてから6ヵ月余りが経過してやっとという感じもするが、こうした措置が取られたことは、取られないことに比較すれば評価できる。

奇しくも、今回の事態は、禁止法がどのような害を引き起こすのかを目に見えるかたちで顕在化させた。この「グリット・ウイード」は、2006年の夏に実施された「キーマー作戦」による大規模栽培所の一斉手入れのあとで供給が逼迫してから広範囲にカナビス市場に出現したもので、利益のために手段を選ばないギャングたちが絶好の機会と捕えて、重量を増やして稼ぎを大きくしようとしたためにもたらされた。

しかしながら、保健省の情報の中には、一般の人でも簡単にわかる最も重要なアドバイスは書かれていない。最も重要なことは、

グリット・ウィードを売るな
グリット・ウィードを買うな
グリット・ウイードを吸うな
グリット・ウイードを持っているなら、捨てろ

ということだ。

いずれにしても、現状では深刻な健康被害が起こる。もし、出処のあきらかでないバッズをディーラーから買った場合は、湿った指でバッズを揉んでから口で指を舐めて、歯の間で研いてみればザラザラが分かる。指だけでは、粒子が小さ過ぎてよくわからないこともある。

混入汚染のない純粋なカナビスを確実に手に入れるには、自分で有機栽培するか、信頼できる栽培者から入手するしかないが、実際的には、適正に規制コントロールされた営利目的の供給元が必要なことを示している。

禁止法一本槍しかない政策では、多くの国民がこのような深刻な健康リスクに晒される。政府は、今こそ、禁止政策がどのような危険を生み出すのか気づくように望む。そうすれば山も動く。

(UKCIA)

異物混入バッズの疑惑2、イギリスからの報告  (混入ガラス粉末の顕微鏡写真あり)
異物混入バッズの疑惑、処理済ウィードが出回っている?  (オランダからの報告)

Alert - contamination of herbal or 'skunk-type' cannabis with glass beads  (今回の保健省の通達)

今回の問題は、コーヒーショップのようなきちんとした供給元を認めないで、中途半端は非犯罪化を行ったイギリスで起こるべくして起こった事態ということができる。THC4MSの例にも見られるように、ただ非犯罪化されればよいという考え方には大きな落とし穴がある。
イギリス政府のなかに生息するデイノザウルス ダッチ・エクスペリエンス)

イギリスの保健制度は、保健省を要に、地域住民の医療サービス確保するプライマリー・ケア・トラスト(PCT)と実際の手術,入院など病院サービスを提供するナショナル・ヘルス・トラスト(NHT)から成り立っている。基本的に、患者の1次医療の担当は開業医(GP General Practitioners)で行い、必要に応じて病院などの2次医療に引き継がれる仕組みになっている。